1899-1986。アルゼンチンの詩人、小説家、批評家。幼い頃から文学と語学に親しむ。詩集『ブエノスアイレスの熱狂』の執筆後、雑誌の編集に携わる傍ら、詩やエッセイを多数発表。新人や無名の作家の発掘にも力を注いだ。また、対立していた独裁政府の崩壊後、国立図書館館長に任命される。エッセイ集『続審問』、短篇集『ブロディーの 報告書』などを上梓。
太字作品や★★★★★が特におすすめです。
ホルヘ・ルイス・ボルヘス 伝奇集
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夢と現実のあわいに浮び上る「迷宮」としての世界を描いて、二十世紀文学の最先端に位置するボルヘス(一八九九一九八六)。本書は、東西古今の伝説、神話、哲学を題材として精緻に織りなされた彼の処女短篇集。「バベルの図書館」「円環の廃墟」などの代表作を含む。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
プロローグ | 1941 | 鼓直 | 以下8編の「八岐の園」パートの簡単な紹介。著者の作品はとてつもなく難解なので要注意。 |
トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス | 1941 | 鼓直 | でっち上げられた百科事典に、あるべき場所がない。 |
アル・ムターシムを求めて | 1941 | 鼓直 | これまた架空のミステリー小説への批評。 |
『ドン・キホーテ』の著者、ピエール・メナール | 1941 | 鼓直 | 本物の小説と架空の小説を比較する。 |
円環の廃墟 | 1941 | 鼓直 | 夢を見ている自分もまた、誰かの夢である。 |
バビロンのくじ | 1941 | 鼓直 | ただの遊びが、国家の運営にまで変化した民話。 |
ハーバート・クエインの作品の検討 | 1941 | 鼓直 | 架空の作家の4つの作品への書評。 |
バベルの図書館 | 1941 | 鼓直 | 巨大な図書館は、それ自体が宇宙になっている。エーコの「薔薇の名前」の図書館のモデル。 |
八岐の園 | 1941 | 鼓直 | 第1次大戦中、イギリスに潜入したドイツのスパイが爆撃する場所を連絡するには? |
プロローグ | 1944 | 鼓直 | 以下の「工匠集」の9編への序章。 |
記憶の人、フネス | 1944 | 鼓直 | 完璧な記憶力をもつ人は、それゆえに苦しむ。 |
刀の形 | 1944 | 鼓直 | 顔の傷の由来とは? 悪いのどっちだ? |
裏切者と英雄のテーマ | 1944 | 鼓直 | 裏切り者は自分だった! 演劇にしようとするがシェークスピアのまねにしかならない。 |
死とコンパス | 1944 | 鼓直 | 探偵は、手がかりのユダヤ教文書を調査する。 |
隠れた奇跡 | 1944 | 鼓直 | 銃殺の瞬間に、未完の劇を完成しようとするが…。 |
ユダについての三つの解釈 | 1944 | 鼓直 | ユダについての論文は誰も興味がない。 |
結末 | 1944 | 鼓直 | 7年ごしの決闘のけりをつけた男は、もう何者でもない。 |
フェニックス宗 | 1944 | 鼓直 | 別の教団に同化して、信者すらわからない、秘密の宗教集団。 |
南部 | 1944 | 鼓直 | アルゼンチンで南とは、寒い荒野の世界。 |
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途方もない博識と巧緻をきわめたプロット、極度に凝縮された文体ゆえに、〈知の工匠〉〈迷宮の作家〉と呼ばれるボルヘス。その全仕事の核となる、『伝奇集』と並ぶ代表作。表題作のほか、「不死の人」「神の書跡」「アヴェロエスの探求」などを収録。(解説=内田兆史)
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タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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不死の人 | 1949 | 鼓直 | 死なない人たちには歴史はどう見えるか。やはり超難解ので一般人は避けた方が良い。 |
死人 | 1949 | 鼓直 | すでにボスに死人とみなされていたので、不服従も見逃されていた。 |
神学者たち | 1949 | 鼓直 | どうしても神の存在を証明したいが、できない。 |
選と囚われの女の物語 | 1949 | 鼓直 | 金髪のインディオの女は荒野を選んだ。 |
タデオ・イシドロ・クルスの生涯(1829ー1874) | 1949 | 鼓直 | 巡査部長に任命されても、無法者の血は消せない。 |
エンマ・ツンツ | 1949 | 鼓直 | 巧妙に父の仇を討つ方法。 |
アステリオーンの家 | 1949 | 鼓直 | 雄牛か人間かというと、やはりミノタウロス。 |
もう一つの死 | 1949 | 鼓直 | 南米にありそうな、ある牧童の激動の生涯。 |
ドイツ鎮魂曲 | 1949 | 鼓直 | 新秩序のためには、多くを破壊しなければならない。 |
アヴェロエスの探求 | 1949 | 鼓直 | 作品が著者を愚弄する、しかし、そのために物語を書き続けなければならない。 |
ザーヒル | 1949 | 鼓直 | ありふれた硬貨について、深く考察しすぎ。 |
神の書跡 | 1949 | 鼓直 | 神は一言で世界を言い尽くす。 |
アベンハカン・エル・ボハリー、おのが迷宮に死す。 | 1949 | 鼓直 | 宇宙そのものが迷宮なので、わざわざ迷宮を建てる必要はない。 |
二人の王と二つの迷宮 | 1949 | 鼓直 | アラビア人に復讐された、バビロニアのある王。 |
待ち受け | 1949 | 鼓直 | 襲ってきた男たちが夢か、それとも自分が夢か。 |
門口の男 | 1949 | 鼓直 | 異教徒の被告は、狂人の裁判官を承認した。 |
アレフ | 1949 | 鼓直 | 世界のすべてが見える球体は、もう神の力だ。 |
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ある日、ひとりの男がわたしの家を訪れた。聖書売りだという男はわたしに一冊の本を差し出す。ひとたびページを開けば同じページに戻ることは二度とない、本からページが湧き出しているかのような、それは無限の本だった…….。表題作「砂の本」をはじめとする十三話。また、独自の解釈に基づき、世界各国の歴史上の悪役の一生の盛衰を綴った「汚辱の世界史」ほか、短篇を収録する。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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他者 | 1975 | 篠田一士 | 自分自身と遭遇したが、どっちが夢か? |
ウルリーケ | 1975 | 篠田一士 | 北国で会った不思議な女。 |
会議 | 1975 | 篠田一士 | 会議には図書館が不可欠であり、それは焼かれなけらばならない。 |
人智の思い及ばぬこと | 1975 | 篠田一士 | 死んだ伯父が持っていた家は崩壊している。 |
三十派 | 1975 | 篠田一士 | 図書館で見つけた、異端派の記述。 |
恵みの夜 | 1975 | 篠田一士 | 田舎で会った、囚われ女と無法者の死の思い出。 |
鏡と仮面 | 1975 | 篠田一士 | アイルランドを没落させた詩。 |
ウンドル | 1975 | 篠田一士 | 変わらぬ本質は、御言葉。”驚異”という意味。 |
疲れた男のユートピア | 1975 | 篠田一士 | 大切なのは、読むことではなく、繰り返し読むこと。 |
贈賄 | 1975 | 篠田一士 | 古英語(アングロサクソン語)の文学についての論争。 |
アベリーノ・アレドンド | 1975 | 篠田一士 | 大統領暗殺犯の信念。 |
円盤 | 1975 | 篠田一士 | オーディンの円盤を持っている王。 |
砂の本 | 1975 | 篠田一士 | 砂のように、はじめもなければ終りもない、古い聖書。 |
恐怖の救済者 ラザラス・モレル | 1954 | 篠田一士 | アメリカ南部の、悪徳奴隷解放者。 |
真とは思えぬ山師 トム・カストロ | 1954 | 篠田一士 | イギリスの名家の死んだ息子になりすました詐欺師。 |
鄭夫人 女海賊 | 1954 | 篠田一士 | 中国近辺の海域を荒らしまわった海賊の首領。 |
不正調達者 モンク・イーストマン | 1954 | 篠田一士 | あらゆる悪事をはたらいた、ニューヨークのギャングのボス。 |
動機なしの殺人者 ビル・ハリガン | 1954 | 篠田一士 | すなわち、西部のお尋ね者、ビリー・ザ・キッド。 |
無作法な式部官 吉良上野介 | 1954 | 篠田一士 | 日本人ならご存じ、忠臣蔵。 |
仮面の染物師 メルヴのハキム | 1954 | 篠田一士 | イスラムの異端の預言者。 |
ばら色の街角の男 | 1954 | 篠田一士 | 著者の作品によく登場する、南米での荒くれ者の死の風景。 |
死後の神学者 | 1954 | 篠田一士 | 神学者でも天国に行けるとは限らない。 |
彫像の部屋 | 1954 | 篠田一士 | 古代アラビアの王の城には、宝の部屋がある。その中身は像やらテーブルやら本。 |
夢をみた二人の男の物語 | 1954 | 篠田一士 | 夢を信じて、はるばるやって来た男は、神の御恵みで報われることになった。 |
お預けをくった魔術師 | 1954 | 篠田一士 | 恩師らずの司祭長は出世の夢を見る。 |
インクの鏡 | 1954 | 篠田一士 | スーダンで死刑になった男の顔は、自分の顔。 |
マホメットの代役 | 1954 | 篠田一士 | マホメットは神ではないので、信仰してはならない。 |
寛大な敵 | 1954 | 篠田一士 | アイルランド王からの、死の宣告の詩。 |
学問の厳密さについて | 1954 | 篠田一士 | 巨大な帝国の地図は、うち捨てられる。 |
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