戦前では「新青年」、戦後では「宝石」この両誌が日本の探偵小説界を形成・リードし、ほとんどの推理作家がここから輩出しました。この「宝石」傑作選集I~V〉は、終戦直後の昭和二十一年四月以来、十九年間にわたって刊行された雑誌「宝石」に掲載された作品より、傑作五十篇を選んで全五巻に編集したものです。編集にあたり、第一巻は本格推理編、第二巻はサスペンス編、第三巻は怪奇幻想編、第四巻は異色推理編、第五巻はハードボイルド・SF編と、バラエティに富んだ楽しみ方ができるように配慮しました。既刊の「新青年」傑作選集I~Vとともに、この選集で、読者の方々には古き良き時代の短編推理小説を満喫していただけるものと信じます。
太字作品や★★★★★が特におすすめです。
中島河太郎編 死者は語らず 宝石傑作選集1 本格推理編
編者: 中島河太郎
発表: 1978年
発行所: 角川書店
カバーアート:横尾忠則
価格: 340円
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鮎川哲也●五つの時計 堅牢なトリックに守られた犯人と鬼貫の知恵比べ
帯、カバー、裏表紙等から引用
竹村直伸●風の便り 死んだはずの父から幼い娘に手紙が舞い込んだ?
島田一男●泥まみれ 湯ヶ島心中の背景に潜む愛欲の人間関係とは?
佐野洋●E・Pマシン 難事件をたちどころに解決!という珍機械が活躍
渡辺啓助●吸血鬼考 はるばる尋ねた英国で、吸血鬼と出会う破目に…
戸板康二●臨時停留所 旅先で耳にしたその事件とは実に奇妙だった!
日影丈吉●消えた家 ポエジーな異国の古い街並で起きたこと、それは…
仁木悦子●おたね 飲んだくれの夫を持った女が仕掛けた恐るべき罠
佃実夫●毛唐の死 風変わりな西洋人の死にまつわる多くの疑惑!
タイトル | 著者 | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|---|
五つの時計 | 鮎川哲也 | 不明 | 時計をいじってアリバイ工作。 | |
風の便り | 竹村直伸 | 不明 | 飛ばされてきたというが、距離が長すぎる。 | |
泥まみれ | 島田一男 | 不明 | トラベル・ご当地ミステリの初期の作品。 | |
E・Pマシン | 佐野洋 | 不明 | もちろん機械に犯罪がわかるはずもない。 | |
吸血鬼考 | 渡辺啓助 | 不明 | はたして現代に吸血鬼は実在するのか。 | |
臨時停留所 | 戸板康二 | 不明 | 複数の草履を残して、消えた喪服の老婆。 | |
消えた家 | 日影丈吉 | 不明 | 台湾文化に精通し、関帝廟と文帝廟の違いがわかれば、あっという間。 | |
おたね | 仁木悦子 | 不明 | かつての使用人の、恐るべき告白。 | |
毛唐の死 | 佃実夫 | 不明 | 死んだ西洋人の原因が、はっきりしない。 |
中島河太郎編 地獄に落ちろ! 宝石傑作選集2 サスペンス編
編者: 中島河太郎
発表: 1978年
発行所: 角川書店
カバーアート:横尾忠則
価格: 340円
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大下宇陀児●螢 弟が誘拐されて殺された事件の真相を知って慄然
帯、カバー、裏表紙等から引用
南條範夫● 誰かがー父をー敬愛していた父の死に、今になって疑惑が……?
新羽精之●進化論の問題 いかにして沢山の卵を鶏に産ませるか。方法の怪
大河內常平●刀匠 次々と血を欲する妖刀・村正の実録秘話公開!
樹下太郎●悪魔の掌の上で 美しい悪魔に、男はいとも簡単にもてあそばれて
新章文子●併殺ダブル・ブレイ 美しい女同士の憎悪と嫉妬。そこに殺意の火花が
藤木靖子●女と子供 赤ちゃんがアパートで転落死! その背景には…!
川辺豊三●五人のマリア 美女五人が、金で貞操を売りたいというのだが…
戸川昌子●雪どけ 雪の中でのなくし物。雪が溶けて見つかる物は?
タイトル | 著者 | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|---|
螢 | 大下宇陀児 | 不明 | 身代金を払ったのに、返さないのは酷い。 | |
誰かがー父を | 南條範夫 | 不明 | 幼少時の父の死に不審点が。 | |
進化論の問題 | 新羽精之 | 不明 | より高度な動物を飼料にすると、効率が上がる。 | |
刀匠 | 大河内常平 | 不明 | まるで家康のようだね。 | |
悪魔の掌の上で | 樹下太郎 | 不明 | 亭主も間男も、女の手中。 | |
併殺 | 新章文子 | 不明 | 嫉妬で殺すのも、なかなか女性らしい。 | |
女と子供 | 藤木端子 | 不明 | 子供を殺してまで、不倫を隠す。 | |
五人のマリア | 川辺豊三 | 不明 | 貧乏な5人組の女が金を稼ぎたいのは、理由がある。 | |
雪どけ | 戸川昌子 | 不明 | 証拠が出てくれば、悪事もバレる。 |
中島河太郎編 月下の殺人鬼 宝石傑作選集3 怪奇幻想編
編者: 中島河太郎
発表: 1978年
発行所: 角川文庫
カバーアート:横尾忠則
価格: 340円
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火野葦平●西瓜畑の物語作者 西瓜畑の泥棒の張本人が告白した誰も知らぬ真相
帯、カバー、裏表紙等から引用
水谷準●魔女マレーザ 人を陶酔に導く妖しい美女マレーザの伝説とは?
氷川瓏●睡蓮夫人 真実か幻覚か?美女に会って起きた恐怖の事件!
香山滋●妖蝶記 華麗で巨大な目もくらむばかりの蝶の摩訶不思議
椿八郎●朧夜と運転手 いつもは貧乏運転手が、大金を胴巻きに話すのは
木々高太郎●千草の曲 それは正夢か?裁判官の夢に夫殺しの妻が出て..
朝山蜻●死靈 希代の色魔の犯した婦女強姦殺人の奇怪な真相は
三橋一大●ある幽霊 恋した人妻が突然の死!その後の男の人生は…?
山村正夫●断頭台 狂気か?一人の俳優が首斬役人を迫真の演技!
菊村到●複数の私 深夜私の名を呼ぶ浮浪者。以来好奇心の強い私は…
城昌幸●大佐の家 私の会った女の子は恐い企みを胸に秘めていた!
タイトル | 著者 | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|---|
西瓜畑の物語作者 | 不明 | 西瓜畑を荒らす、父の亡霊。 | ||
魔女マレーザ | 不明 | 魔女は、殺してほしい願望の現れか。 | ||
睡蓮夫人 | 不明 | 妻の肖像画に魅かれた男は、誰でも殺す。 | ||
妖蝶記 | 不明 | 古代の蝶の化石の呪い。 | ||
朧夜と運転手 | 不明 | 運転手の爺さんが大金を手にしたばかりに。 | ||
千草の曲 | 不明 | 裁判長はあくまでも証拠を見ないとダメでしょう。 | ||
死霊 | 不明 | 亡き妻に似た女を暴行し続けた男は、妻の霊に導かれていたのか。 | ||
ある幽霊 | 不明 | 夫人の幽霊が、二人の男に異なった影響を与える。 | ||
断頭台 | 不明 | 芝居の断頭が、過去の亡霊に憑かれたせいで、本当に実行されてしまった。 | ||
複数の私 | 不明 | 「自由の眼」を得た男は、かえって精神的に不安定になった。 | ||
大佐の家 | 不明 | 離れた納屋かれ出てくる人は、幽霊か人間か。 |
中島河太郎編 死神は見た 宝石傑作選集4 異色推理編
編者: 中島河太郎
発表: 1978年
発行所: 角川文庫
カバーアート:横尾忠則
価格: 340円
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角田喜久雄●恐ろしき貞女 それは正夢か? 空想と同じく目の前に姉の死体!
帯、カバー、裏表紙等から引用
山田風太郎●首 時の大老が殺され、その首が行方不明。大変だ!
楠田匡介●ある脱獄 日本のカポネと恐れられる男が試す最後の脱獄は
笹沢左保●断崖にて 自殺か他殺か? その事情は私しか知らないのだ。
結城昌治●葬式紳士 葬式というと必ず現れる奇妙な男。何者なのか?
天藤真●鷹と鳶 会社の経営をめぐり、裏では殺人計画が進行中…
多岐川恭●間氏の愚直 倒産寸前の会社で頑固者の会計係が見事な役割!
広瀬正●鷹の子 他人の子を、今は亡き吾が子と同じように教育?
芦川澄子●道づれ 男は突然、もう一度人肉を食べたいと言い出した。
三好徹●とっておきの話 昔の失踪事件を追跡してゆきあたったこととは!!!
タイトル | 著者 | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|---|
恐ろしき貞女 | 角田喜久雄 | 不明 | 姉に嫉妬した妹は、犯人の罪をかぶる。 | |
首 | 山田風太郎 | 不明 | 転々とする井伊直弼の首。 | |
ある脱獄 | 楠田匡介 | 不明 | 脱獄王が最後に得た、たった10分の自由。 | |
断崖にて | 笹沢左保 | 不明 | 汚れ切った家族の内情に絶望した親友は、自殺した。 | |
葬式紳士 | 結城昌治 | 不明 | 死神のような男の能力は本物か。 | |
鷹と蔦 | 天藤真 | 不明 | 社長の座を奪い合う、二人の男。 | |
間氏の愚直 | 多岐川恭 | 不明 | 真面目一方の間氏は、世話になっている会社の不正すら許せない。 | |
鷹の子 | 広瀬正 | 不明 | 死んだ子の代わりをもとめる哀れな母親。 | |
道づれ | 芦川澄子 | 不明 | 健康の秘訣は、人肉の缶詰。 | |
とっておきの話 | 三好徹 | 不明 | 饒舌に過去の犯罪を告白したのは、安心しているから。 |
中島河太郎編 天球を翔ける 宝石傑作選集5 ハードボイルド・SF編 ★★★★★
編者: 中島河太郎
発表: 1978年
発行所: 角川文庫
カバーアート:横尾忠則
価格: 340円
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高城高●ラ・クカラチャ 真夏、退廃の中に死を迎える男と女。二人の愛は
帯、カバー、裏表紙等から引用
大藪春彦●雨の路地で 追いつめられた孤独なヤクザ。悲劇の宿命が待つ
河野典生●海鳴り ありふれたばかばかしい事件!だが陰に潜む…
高橋泰邦●海の当り屋 船に当たって金をせしめる魂胆!思惑通りに…
大坪砂男●密偵の顔 猿飛佐助の子孫を探ねて武田信玄の死の謎に迫る
飛鳥高●加多英二の死 自分が死んだ理由を、世に確かめに戻ってみた
小松左京●愚行の輪 ”ついに奴を殺った”が、事件は自分に振りかかる
半村良●露路の奥 妻を失い、悲嘆に暮れて私は過去への扉を開いた
斎藤哲夫●女樹 女を海から採ってくるという島にやって来て……
加納一朗●錆びついた機械 古ぼけたタイムマシンに乗って未来の私を見たら
筒井康隆●座敷ぼっこ 座敷ぼっこが居るらしいさて、この正体は?
タイトル | 著者 | 発表 | 訳者 | 感想 |
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ラ・クカラチャ | 高城高 | 不明 | 戦後日本の混乱の中の麻薬と銃と犯罪。 | |
雨の露地で | 大藪春彦 | 不明 | ヤクザは一時的に堅気になりたくても、やはり戻ってくる。 | |
海鳴り | 河野典生 | 不明 | 貧乏画家の妄想は、どんどん激しくなっていき、もう現実と区別がつかない。 | |
海の当り屋 | 高橋泰邦 | 不明 | 海難事故を装って、賠償金を要求。 | |
密偵の顔 | 大坪砂男 | 不明 | 旅人の霊に憑りつかれた男は、密偵として活躍し、信玄の暗殺に関わることになる。 | |
加多英二の死 | 飛鳥高 | 不明 | せっかく現世に戻ったのに、真実を知り、やっぱり幻滅してしまう。 | |
愚行の輪 | 小松左京 | 不明 | 未来の自分から殺人を依頼された若者。結局、輪は壊れない。 | |
露路の奥 | 半村良 | 不明 | 世の中には、過去に戻ってやり直した人々がけっこういる。 | |
女樹 | 斎藤哲夫 | 不明 | 世間の樹は、元を正せば、すべて海から採れた少女たちだ。 | |
錆びついた機械 | 加納一朗 | 不明 | 未来に行きさえすれば、未来を変えることができる。 | |
座敷ぼっこ | 筒井康隆 | 不明 | 誰か一人多い女子校のあるクラスで。 |
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