深木章子(みき・あきこ)
一九四七年生まれ。東京都出身。東京大学法学部卒。一九七三年から東京弁護士会所属弁護士として活動後、六十歳を機にリタイア、執筆活動を開始する。二〇一〇年、本作で第三回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞。
太字作品や★★★★★が特におすすめです。
深木章子 鬼畜の家
著者: 深木章子
みきあきこ
発表: 2011年
発行所: 原書房
カバーアート:坂野公一
価格: 1800円
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「あの人は他人を殺すことはあっても、自分から死ぬなんてことは絶対にあり得ませんから」榊原の頬に一瞬緊張が走ったのを確認して満足したらしい。由紀名は目を凝らしたまま微かに頷いた。そして、しっかりと榊原の瞳を見据えて続ける。
帯、カバー、裏表紙等から引用
「あたしの家は鬼畜の家でした」由紀名の話は驚愕に値するものだった。
タイトル | 発表 | 感想 |
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鬼畜の家 | 2011 | 元弁護士だけあって、実にリアルで醜い人間模様ながら、ちゃんとミステリになっている。 |
深木章子 衣更月家の一族
著者: 深木章子
みきあきこ
発表: 2012年
発行所: 講談社文庫
カバーアート:米増由香
価格: 750円
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別居している妻の潜伏先を察知した男が、応対に出た姉のほうを撲殺ー 110番通報の時点では単純な事件と思われた。だが犯行が直接目撃されていないうえ、被害者の夫には別の家庭があった。強欲と憤怒に目がくらんだ人間たちが堕ちていく凄まじい罪の地獄。因業に満ちた世界を描ききった傑作ミステリー!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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衣更月家の一族 | 2012 | 確かにミステリとしは良く出来ているにしても、あまりにもリアルすぎて、どうにも後味が悪い。 |
深木章子 螺旋の底
著者: 深木章子
みきあきこ
発表: 2013年
発行所: 原書房
カバーアート:川島進
価格: 1600円
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屋敷の中央をつらぬく螺旋階段。その底は牢獄のように暗く、厳重に施錠され、陰惨な過去を封じ込めてあるのだという。その家に嫁いできた彼女の目的、それは「螺旋の底」をあばくこと。また、いっぽうの夫も彼女を迎え入れたのには「ある理由」があった。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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螺旋の底 | 2013 | 今回は現実的な作風から変化して、まるで海外サスペンスのようなノリになり、著者の技量が非常に進歩しているのがわかる。 |
深木章子 殺意の構図
著者: 深木章子
みきあきこ
発表: 2013年
発行所: 光文社文庫
カバーアート:book wall
価格: 720円
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殺意の構図 探偵の依頼人 深木章子
帯、カバー、裏表紙等から引用
金目当ての義父殺害を疑われる峰岸諒一は、かたくなに無罪を主張していた。弁護人・衣田征夫は、肝心な点で証言を濁す彼に終始翻弄されるが、アリバイの証明により無罪が確定し、釈放に。ところが、間もなく峰岸の死体が発見される! 冤罪事件に端を発し、めまぐるしく浮上する疑惑の果てに潜む真実とは!? 予想は即座に裏切られる展開に、驚嘆必至のミステリー!
タイトル | 発表 | 感想 |
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殺意の構図 | 2013 | 話し手がころころ変わり翻弄される、一種の叙述ミステリ。 |
深木章子 敗者の告白
著者: 深木章子
みきあきこ
発表: 2014年
発行所: 角川書店
カバーアート:大原由衣
価格: 1600円
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とある山荘で会社経営者の妻と8歳の息子が転落死した。夫は無実を主張するも、容疑者として拘束される。しかし、関係者の発言が食い違い、事件は思いも寄らない顔を見せはじめる。遺された妻の手記と息子の救援メール。事件前夜に食事をともにした友人夫妻や、生前に妻と関係のあった男たちの証言。容疑者の弁護人・睦木怜が最後に辿り着く、衝撃の真相とは!? 関係者の“告白”だけで構成された、衝撃の大逆転ミステリ。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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敗者の告白 | 2014 | やはり昔取った杵柄の法廷ものは強く、それをエンターテインメントにする力がある。 |
深木章子 ミネルヴァの報復
著者: 深木章子
みきあきこ
発表: 2015年
発行所: 原書房
カバーアート:川島進
価格: 1800円
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夫の浮気相手にたいして起こした妻による損害賠償請求 相手は出廷せず、妻が巨額の慰謝料を得ることになった。ところがこの妻が何者かに殺され、様相はがらりと一変する……。本格推理と弁護士業界物語が融合した傑作エンターテインメント!
帯、カバー、裏表紙等から引用
「なぜ彼女はそこで殺されなければならなかったのか」
タイトル | 発表 | 感想 |
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ミネルヴァの報復 | 2015 | やはり業界ネタなので、弁護士稼業に興味のある人向き。 |
深木章子 交換殺人はいかが?
著者: 深木章子
発表: 2012年 ~ 2015年
発行所: 光文社文庫
カバーアート:チカツタケオ
価格: 700円
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僕は君原樹来、小学六年生。将来の夢は推理小説作家。作品の題材になるような難事件の話を聞きたくて、元刑事のじいじの家に遊びに来た。そうしたら交換殺人や密室、ダイイングメッセージとかすごい謎ばかりで期待は的中! でもね、じいじ。その解決、僕はそんなことじゃないと思うんだけどなあ。可愛らしい名探偵の姿を通じて、本格ミステリーの粋を尽くした魅惑の短編集。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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天空のらせん階段〈密室〉 | 2012 | ホームレス殺人の手がかりから、12歳の少年が「トルネード館密室殺人」の謎解きに挑み、真犯人への推理を展開する。 |
ざしき童子は誰?〈幽霊〉 | 2014 | 麻薬取引のトラブルから殺害された大学生飯原の怨念が、幽霊となって復讐のために犯人を暴き出す。 |
犯人は私だ!〈ダイイングメッセージ〉 | 2013 | プライドを傷つけられた兄が弟を殺害するが、家族の跡継ぎ問題が隠された真犯人とダイイングメッセージの謎を暴き出す。 |
交換殺人はいかが?〈交換殺人〉 | 2013 | 交換殺人事件に関わる女子高生が、過去に起きた類似事件の罠に迫り、真犯人の教師を推理する。 |
ふたりはひとり〈双子〉 | 2015 | 温泉宿の殺害事件で、双子の姉妹が自分たちの運命を操作するために偽装工作を仕掛ける。 |
天使の手毬唄〈童謡殺人〉 | 2015 | 戦前の手毬唄の替え歌殺人の謎が40年の時を経て、孫と元捜査官の協力で解決される。 |
深木章子 消人屋敷の殺人
著者: 深木章子
みきあきこ
発表: 2017年
発行所: 新潮社
カバーアート:影山徹
価格: 1700円
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明治初頭、日影一族の棟梁の隠居所だった武家屋敷が官憲に包囲されたが、一族は忽然と姿を消した。奇怪な伝承に彩られ、断崖絶壁の岬の突端に建つこの館を人は「消人屋敷」と呼ぶ。ここに隠遁する覆面作家を訪ねた女性編集者が失踪、三ヵ月後、謎の招待状で五人の関係者が集まった。嵐で巨大な密室となり、また不可解な人間消失が起こる。読者を挑発する本格ミステリ長篇、驚愕の結末!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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消人屋敷の殺人 | 2017 | 著者にしては、非常に奇想本格的な雰囲気。どうやって人が消えたかというのは、実はあまり意外でないが。 |
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