鮎川哲也 あゆかわ・てつや
1919年東京生まれ。南満洲鉄道勤務の父に伴い少年時代を大連で過ごす。’43年「婦人画報」の朗読文学募集に佐々木淳子の筆名で書いた掌編「ポロさん」が入選。’49年「宝石」百万円懸賞コンクールに本名(中川透)で応募した『ペトロフ事件』が一等入選。’56年には講談社の「書下し長篇探偵小説全集」の13巻募集に『黒いトランク』が入選。以後、本格物の長短編を数多く発表。’60年に、『憎悪の化石』と『黒い白鳥』で日本探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)を受賞。’90年に発足した東京創元社主催の鮎川哲也賞、’93年から始まった光文社文庫の『本格推理』にて多くの新人を世に送り出した。2002年9月24日死去。ミステリー界に遺した功績をたたえ、翌年日本ミステリー文学大賞特別賞が贈られた。都立小平霊園に眠る。
太字作品や★★★★★が特におすすめです。
鮎川哲也 ペトロフ事件
著者: 鮎川哲也
あゆかわてつや
発表: 1950年
発行所: 光文社文庫
カバーアート:武田史子
価格: 476円
宣伝文句
巨額の財産を狙った殺人か?旧満洲、大連《だいれん》近郊でロシヤ富豪イワン・ペトロフが射ち殺される事件が起きた! 容疑者は三人の甥、アントン、ニコライ、アレクサンドルとその恋人たち。だが、彼らには一人残らず堅牢なアリバイがあった! 鬼貫《おにつら》警部は得意のロシヤ語をあやつり、粘りづよく捜査する。………はたして満鉄の時刻表は何を語るのか? 本格推理の巨匠初の長編に時刻表トリックの傑作!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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ペトロフ事件 | 1950 | 若き日の鬼貫が満州でアリバイ崩しに挑む。日本語、ロシア語、北京語が飛び交う異郷の地は、旅情どころではない。 |
鮎川哲也 赤い密室 名探偵・星影龍三全集I
著者: 鮎川哲也
発表: 1951年 ~ 1958年
発行所: 出版藝術社
カバーアート:京極夏彦
価格: 1600円
宣伝文句
著者のことば
帯、カバー、裏表紙等から引用
推理作家になって以来、いわゆる「現実派」と称するクロフツ流の小説を書き続けてきた。リアリズムに基盤をおく手法なので、必然的に探偵は平凡な才能の持主でなくてはならない。だがそのうちに「現実派」と併称される「超人派」の分野にも手を伸ばしたいと考えるようになった。「超人派」とは人並みはずれた推理の才を持つ超人的な名探偵が、極めてロジカルに謎を解明し、ラストで読者が予想もしなかった人物を犯人とし指名するという形をとる。本書は超人型の名探偵・星影氏の活躍する中・短篇をまとめたもので、星影作品だけの短篇集というのは、今回が初めてである。星影氏の名は、小学生の頃に見た探偵映画から無断借用したものだが、その活動写真を突き止めてくれた芦辺拓氏によれば、映画の星影は探偵ではなくて怪盗だったそうだ。
鮎川ファン垂涎の作品 北村薫
ミステリ・ファンの集まりに「SRの会」があります。この中篇「呪縛再現」は、その機関誌「密室」に載ったもの、当然のことながら、ガリ版刷り(懐かしい!)。秘蔵された原本のコピーが一部マニアの間だけを行き来していたという、これは、まさに幻の作なのです。(中略)そして、ただ単に幻であるだけではありません。これは「りら荘事件」のみならず、「憎悪の化石」のトリック、そして実に「朱の絶筆」のある要素までを二百二十枚の内に持つ、重量感溢れる作品なのです。さらに、あの星影龍三が初めて顔を見せる事件であり、彼と鬼貫警部が共演するという夢のような作品でもあります。
(解説より)
タイトル | 発表 | 感想 |
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呪縛再現 | 1953 | 鬼貫警部が『りら荘事件』の原型に挑む。 |
赤い密室 | 1954 | 密室になった解剖室に死体を持ち込む方法。 |
黄色い悪魔 | 1955 | 何かストリッパーのような女への偏見がちらりと見える。 |
消えた奇術師 | 1951 | マジシャンからみの犯罪は何があっても信用してはならない。 |
妖塔記 | 1958 | 妖術で消える印度人というのもまた、旧本格風だ。 |
道化師の檻 | 1958 | 消えるピエロなどの外連味は、後の新本格の雰囲気がある。 |
鮎川哲也 青い密室 名探偵・星影龍三全集II
著者: 鮎川哲也
発表: 1958年 ~ 1974年
発行所: 出版藝術社
カバーアート:京極夏彦
価格: 1600円
宣伝文句
著者のことば
帯、カバー、裏表紙等から引用
推理作家になって以来、いわゆる「現実派」と称するクロフツ流の小説を書き続けてきた。リアリズムに基盤をおく手法なので、必然的に探偵は平凡な才能の持主でなくてはならない。だがそのうちに「現実派」と併称される「超人派」の分野にも手を伸ばしたいと考えるようになった。「超人派」とは人並みはずれた推理の才を持つ超人的な名探偵が、極めてロジカルに謎を解明し、ラストで読者が予想もしなかった人物を犯人とし指名するという形をとる。本書は超人型の名探偵・星影氏の活躍する中・短篇をまとめたもので、星影作品だけの短篇集というのは、今回が初めてである。星影氏の名は、小学生の頃に見た探偵映画から無断借用したものだが、その活動写真を突き止めてくれた芦辺拓氏によれば、映画の星影は探偵ではなくて怪盗だったそうだ。
《驍将》鮎川哲也の獅子奮迅 北村薫
《驍》とは勇ましく強い様、《将》を付ければ勇将の意。しかし、《ユーショー》ではつまらない。音でも、また字面からも、《本格派の驍将》という言葉からは、鎧兜に身を固めた作家の姿勢が見えてきます。この言葉が、日本の作家に対して使われた実例なら、わたしは即座にあげられます。使ったのは江戸川乱歩。いわれたのが誰かは、明白でしょう。旧「宝石」に「黒い白鳥」の連載が始まった時、乱歩は言いました。《本格派の驍将鮎川さんのこの長編は「黒いトランク」以来の名作になるのではないかと思う》
本書「青い密室」でも、その鮎川哲也の武者振りを堪能することが出来ます。(解説より)
タイトル | 発表 | 感想 |
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白い密室 | 1958 | 傲慢で気障な天才肌の貿易商のシリーズ。雪で閉ざされた密室から、犯人は堂々と歩いて出て行った。 |
薔薇荘殺人事件 | 1958 | 宝石を間違えて、色盲がバレる。 |
悪魔はここに | 1959 | 著者と馴染みが深い満州ねた。 |
青い密室 | 1961 | 花畑の見えない足跡が犯人を示す。 |
砂とくらげと | 1961 | 絵画のモデルはもちろん、絵の秘密を知っている。 |
茜荘事件 | 1961 | 力がなければ死体を移動できないはずだ。 |
悪魔の灰 | 1961 | 遺産相続を変えるために、余命短い金持ちが死ぬ前に、殺さねばならない。 |
朱の絶筆 | 1974 | 二種類の原稿のすれ違いに頭が混乱する。 |
鮎川哲也 りら荘事件 ★★★★★
著者: 鮎川哲也
あゆかわてつや
発表: 1956年
発行所: 講談社文庫
カバーアート:吉原澄悦
価格: 602円
宣伝文句
秩父の山荘に七人の芸術大学生が滞在した日から、次々発生する恐怖の殺人劇! 最初の被害者は地元民で、死体の傍にトランプの”スペードのA〟が意味ありげに置かれる。第二の犠牲者は学生の一人だった。当然の如くスペードの2が······ 奇怪な連続殺人を、名探偵星影竜三はどう解く? 巨匠の本格傑作。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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りら荘事件 | 1956 | 気障で嫌味な名探偵、星影が連続殺人をあっさりと解く。文体も古くて味がある。 |
鮎川哲也 黒いトランク
著者: 鮎川哲也
あゆかわてつや
発表: 1956年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:EMI
価格: 760円
宣伝文句
本書は棺桶の移動がクロフツの「樽」を思い出させるが、しかし決して「樽」の焼き直しではない。むしろクロフツ派のプロットをもってクロフツその人に挑戦する意気ごみで書かれた力作である。細部の計算がよく行き届いていて、論理に破綻がない。こういう綿密な論理の小説にこの上ない愛着を覚える読者も多い。クロフツ好きの人々は必ずこの作を歓迎するであろう。江戸川乱歩
帯、カバー、裏表紙等から引用
千九百四十九年も押し詰った鬱陶しい日の午後,汐留駅前交番の電話のベルが鳴り,事件の幕が切って落とされた。トランクに詰められた男の腐乱死体。荷物の送り主は福岡県若松市近松千鶴夫とある。どうせ偽名だろう,という捜査陣の見込みに反し、送り主は実在した。その近松は溺死体となって発見され,事件は呆気なく解決したかに思われた。だが,かつて思いを寄せた人からの依頼で九州へ駆けつけた鬼貫の前に青ずくめの男が出没し,アリバイの鉄の壁が立ち塞がる…。巨星,鮎川哲也の事実上のデビュー作であり,戦後本格の出発点ともなった里程標的名作。綿密な校訂による決定版!
タイトル | 発表 | 感想 |
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黒いトランク | 1956 | 鬼貫は独身の著者の分身なので、自由に気ままに捜査している。 |
鮎川哲也 憎悪の化石
著者: 鮎川哲也
あゆかわてつや
発表: 1959年
発行所: 双葉文庫
カバーアート:落田洋子
価格: 680円
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婚約中の女性が動機不明の自殺を遂げる。一方、熱海で殺された男の遺留品から、この男性と女性は不穏な関係にあったことが判明した。男はあちこちで恐喝をはたらいていたのだ。12人の被害者たちに嫌疑がかかるが全員のアリバイが成立。鬼貫と丹那がまたもやこの難事件を引き継ぐ。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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憎悪の化石 | 1959 | タイトルや時刻表だけみると、松本清張のような社会派を連想させるが、著者の作品はすべて、まぎれもなく本格推理作品で、汚職とか社会正義とか全く関係ない。 |
鮎川哲也 白の恐怖
著者: 鮎川哲也
あゆかわてつや
発表: 1959年
発行所: 光文社文庫
カバーアート:武田史子
価格: 700円
宣伝文句
軽井沢の豪奢な別荘「白樺荘」に、莫大な遺産を相続することになった四人の男女が集まった。だが、生憎の悪天候で雪が降りしきり、別荘は外とは連絡が取れない孤立状態になっていた。そこで、一人、また一人と殺人鬼の毒牙にかかって相続人が死んでいく……。本格推理の巨匠が描いた密室殺人。発表から六十年近い年月を経て、初めて文庫化される幻の長編!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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白の恐怖 | 1959 | 閉ざされた山荘での典型的連続殺人で、星影は最期に出てきて良いところだけ、かっさらう。 |
鮎川哲也 人それを情死と呼ぶ
著者: 鮎川哲也
あゆかわてつや
発表: 1961年
発行所: 光文社文庫
カバーアート:武田史子
価格: 571円
宣伝文句
人は皆、警察までもが、河辺遼吉は浮気の果てに心中したと断定した。…しかし、ある点に注目した妻と妹だけは、心中との疑念を抱いたのだった!貝沼産業の販売部長だった遼吉は、A省の汚職事件に関与していたという。彼は口を封じられたのではないか?として、彼が死んでほくそ笑んだ人物ならば二人いる。一調べるほどに強固さを増すアリバイ。驚嘆のドンデン返し。美しい余韻を残す長編。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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人それを情死と呼ぶ | 1961 | あえて社会派推理のふりをして、やっぱりトリック中心の本格でした。 |
鮎川哲也 死のある風景
著者: 鮎川哲也
あゆかわてつや
発表: 1965年
発行所: 光文社文庫
カバーアート:伊藤憲治
価格: 1000円
宣伝文句
嫁ぐ日を間近に控えて失踪し、無惨な死体となって発見された二人の若い女性。会社勤めの真佐子は阿蘇山の噴火口に身を投げ、看護師の鶴子は金沢の内灘海岸で銃弾を受けて死んでいた。
帯、カバー、裏表紙等から引用
幸福の頂点にあった二人を襲った悲劇の裏には一体何が? そして多摩の山中で三人目の犠牲者が! 幾重にも錯綜する謎を解き明かし、難攻不落のアリバイに挑む鬼貫警部と丹那刑事!!
タイトル | 発表 | 感想 |
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死のある風景 | 1965 | 日本の足の探偵、鬼貫警部が、またコツコツとアリバイを崩す。 |
鮎川哲也 風の証言
著者: 鮎川哲也
発表: 1971年 ~ 2002年
発行所: 光文社文庫
カバーアート:盛川和洋
価格: 880円
宣伝文句
井の頭公園に隣接する植物園で、音響機器のエンジニアとバレリーナの惨殺死体が発見された。まったく接点の見えない二人の被害者だったが、岡山、愛知、信州を旅した丹那刑事の地道な捜査から、ある男が容疑者として浮かんできた。だが、彼には一分の隙もない鉄壁のアリバイがあった……。巧緻に組み立てられた犯罪を名探偵・鬼貫警部が丹念に崩していく傑作長編!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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風の証言 | 1997 | 丹那刑事に見破らるほどのトリックは、もちろん本物ではない。 | |
時計塔 | 2002 | 少年探偵が、似たような時計のアリバイを暴く。 | |
城と塔 | 1971 | スパイが口封じに殺人を犯した事件も、似たような工作をしている。 |
鮎川哲也 白い陥穽
著者: 鮎川哲也
発表: 1967年 ~ 1978年
発行所: 光文社文庫
カバーアート:盛川和洋
価格: 740円
宣伝文句
信用金庫の支店長をつとめる花井は、浮気をネタに高額な金を強請られていた。会社の実力者の入り婿となり、将来を約束されていた彼にとって、妻の不興を買うのは避けなければならず、恐喝者を抹殺する以外に道はなかった。綿密な計画のもとに殺人を実行した花井だったが……(「暗い穽」)。人気テレビドラマの原案となった巨匠の倒叙推理アンソロジー第二弾!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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白い盲点 | 1978 | 愛人がガス中毒で事故死したかのように見せたが、運が悪すぎた。 | |
暗い穽 | 1978 | これまた、運が悪すぎてアリバイ工作が破綻。 | |
鴉 | 1978 | 状況が同じように、悪運で犯行がバレる。 | |
夜を創る | 1967 | 殺人時刻の偽装も、簡単に破綻する。 | |
墓穴 | 1968 | 甘納豆もアリバイを崩す。 | |
尾行 | 1978 | 尾行されるのを逆に利用して、アリバイに使おうとしたが…。 | |
透明な同伴者 | 1978 | 愛人が邪魔になった女性作家は、転落事故を装う。 | |
葬送行進曲 | 1978 | これも犯行時の致命的なミスで発覚。 |
鮎川哲也 朱の絶筆 ★★★★★
著者: 鮎川哲也
あゆかわてつや
発表: 1976年
発行所: 講談社文庫
カバーアート:吉原澄悦
価格: 660円
宣伝文句
人気作家の篠崎が軽井沢の山荘で殺された。同宿者は秘書、編集者、作家志望者など七人で、篠崎の日頃の傲慢ぶりを考えるとそれぞれ恨みを抱いていたとしてもふしぎはない。捜査陣が七人を調べる中で、次々殺人が発生する。真犯人の巧妙アリバイに挑む名探偵は貿易商星影龍三。本格の巨匠による会心長編。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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朱の絶筆 | 1976 | 誰が犯人でもおかしくないし、殺されても文句が出ないような被害者。実はシンプルなトリックを、またまた星影が一瞬で指摘する。 |
鮎川哲也 王を探せ
著者: 鮎川哲也
あゆかわてつや
発表: 1979年
発行所: 光文社文庫
カバーアート:武田史子
価格: 590円
宣伝文句
だから、どの亀取二郎が犯人なんだ!?ーその亀取二郎は、二年前の犯罪をネタに恐喝されていた。耐えきれず、彼は憎き強請屋・木牟田を撲殺する…。警察が被害者のメモから掴んだのは、犯人が「亀取二郎」という名前であること。だが、東京都近郊だけで同姓同名が四十名。やっと絞りだした数人は、みなアリバイをもつ、一筋縄でいかない亀取二郎ばかり。鬼貫・丹那のコンビが捜査するなか、犯人は次なる兇行に及ぼうとしていた!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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王を探せ | 1979 | 「亀取二郎」という名前が東京だけで40数名もいるものか。 |
鮎川哲也 死者を笞打て
著者: 鮎川哲也
あゆかわてつや
発表: 1993年
発行所: 講談社文庫
カバーアート:吉原澄悦
価格: 500円
宣伝文句
鮎川哲也の作品「死者を笞打て」に盗作の嫌疑がかかる。十年前に謎の女流作家が書いた作品そっくり、というのだ。世間は非難し、仕事は途絶える。身の潔白を証明するため鮎川は女流作家を探し出し、対決しようとする。さてその意外な結末は? 実在推理作家の名が頻出する仕掛けも楽しい、軽妙推理長編。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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死者を笞打て | 1993 | 実在する作家たちが活躍する、おふざけな一応ミステリ。いつもの作風を期待してはいけない。 |
鮎川哲也 黒い白鳥
著者: 鮎川哲也
あゆかわてつや
発表: 1995年
発行所: 双葉文庫
カバーアート:落田洋子
価格: 850円
宣伝文句
線路沿いで死体となって発見された西ノ幡社長は、労働争議と新興宗教のふたつの争いに巻き込まれていた。警察はその関係者を調べていくが、挫折。調査を引き継いだ鬼貫と丹那のコンビは、被害者の金庫から出てきた写真を手掛かりに、ひとりの女性を追っていき一つの推論へ到達。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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黒い白鳥 | 1995 | お菓子がヒントになるのは、酒が飲めず甘党の著者ならではの視点だ。 |
鮎川哲也 五つの時計
著者: 鮎川哲也
発表: 1999年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:
価格: 920円
宣伝文句
今月は本格派の俊秀鮎川さんの百枚ものをお目にかける。••••••やはりこの人の出馬を促さざるをえなかった。この道化師と密室のトリックもまた、なかなかに見事である。奇怪なる道化師はいかにして、出口入口に人目のあるトンネルの中で消失したか!名探偵星影龍三はこの不可能をいかに見事に解明したか?百枚が五十枚にも思えない面白さである。――江戸川乱歩「宝石」昭和33年5月号
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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五つの時計 | 不明 | 時計をいじってアリバイ工作。 |
白い密室 | 不明 | 傲慢で気障な天才肌の貿易商のシリーズ。雪で閉ざされた密室から、犯人は堂々と歩いて出て行った。 |
早春に死す | 不明 | 列車に乗った時間差で、犯行は不可能に見えたが。 |
愛に朽ちなん | 不明 | 現代では不可能な、「五尺函」のすり替え。 |
道化師の檻 | 不明 | 消えるピエロなどの外連味は、後の新本格の雰囲気がある。 |
薔薇荘殺人事件 | 不明 | 宝石を間違えて、色盲がバレる。 |
二ノ宮心中 | 不明 | 出前の声が違うと、気が付くものだろうか? |
悪魔はここに | 不明 | 逆さまの現場が犯人を表す。 |
不完全犯罪 | 不明 | 鼻血で完璧なアリバイ工作が崩壊。 |
急行出雲 | 不明 | 臨時増結車を誤認させて、列車のアリバイ工作。 |
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