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ミステリ小説 日本

藤木稟 朱雀十五シリーズ

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1961年大阪生まれ。幼少より、風水、占星学に親しみ、知識は単なる占いの域を超える。その方面での信奉者も数多いが、歴史、シャーマニズム関係のノンフィクションをものし、実力を発揮。幅広い知性が結実したのが、この小説である。舞台となる浅草に移り住み、徹底的な取材と想像力で時代を超える雰囲気を醸し出した。本年最大の話題となることは間違いない。

太字作品や★★★★★が特におすすめです。

藤木稟 陀吉尼の紡ぐ糸

著者:    藤木稟
       ふじきりん
発表:    1998年
発行所:   徳間書店
カバーアート:藤原ヨウコウ
価格:    905円

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推薦のことば
比類のない不可思議な謎の提示。終盤まで怪異が繰り広げられる。この謎に合理的な解明が用意されているなら、それは天才の頭脳だ。そしてそれは見事に成し遂げられている。妖しい光を放つ新星がここに生まれた。嫉妬を覚えるほど眩しく輝いている。 高橋克彦

現世と異界のはざまを見据え、外連に充ちた妖美を描き出しながら、筆者の踏みしめる足場の確かさが、優雅な手捌きを一糸みだれぬものにしている。
巨大な才能の登場を心から祝したい。 竹本健治

昭和九年浅草。沼田平助は紀州犬の散歩で、吉原の弁財天にひきずられるように入った。本堂と稲荷祠の間の路地を抜けた。右手には「触れずの銀杏」という神隠しの因縁がまつわる銀杏の古木がある。と、足元にぐったりした老人が座っている。が、どこか変だ。顔がこちらを向いているのに、同時に背中もこちらを向いている。つまり顔が裏表逆さまについているのだ。老人の手がゆらり動き、手招蒼白になって、参道を駆け抜けた沼田の背中に甲高い獣の遠吠えが響いた。驚愕の異界への招待!高密度の大傑作。

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
陀吉尼の紡ぐ糸1998日本もインドも西洋も含むオカルト風味で、昭和初期という時代背景も興味深い。盲目の名探偵がどう捜査する?

藤木稟 ハーメルンに哭く笛

著者:    藤木稟
       ふじきりん
発表:    1998年
発行所:   徳間書店
カバーアート:藤原ヨウコウ
価格:    1000円

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夢枕獏
奇妙、したたか。そして魅力的。強烈な個性も可能性もある。これだけそろった作家と作品はめったにない。

泡坂妻夫
最近、若い人の手でミステリ城の未知の扉が開けられた。藤木稟さんもその部屋で、とんでもない不思議な物語を紡ぎ出す得難い才能の一人だということを、この小説が証明してい心から拍手を送りたい。

香山二三郎
乱歩も顔負けの奇想仕掛けを次々に繰り出したかと思えば、一転して軍事謀略の恐怖を説いてみせる。京極系から藤木系へ、多彩な物語趣向を駆使する著者は今や独自のハイブリッド世界を完成させつつある。


上野下町界隈から、児童三十名が忽然と姿を消した。翌日、未曾有の激しい雨と雷が帝都を襲った。台風の翌日、朝焼けの中、天王寺の僧侶・寛永は人気のない寺の裏手の墓地へ向かっていた。ほかの新米僧侶とともに、墓地の草刈りをいいつけられたのだ。汗だくになり、草刈りを続ける寛永の目の前に、お地蔵様の影がよぎった。こんな墓地の中にお地蔵様があったっけ。不思議に思い進むと、また一体、目を凝らした寛永は、黒っぽい霧と見えたものが、蝿の大群であることに気づいた。これは…子どもの死体だ。怪異な事件の始まりだった。帝都を襲う悪夢の事件。驚愕の新本格推理傑作!

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
ハーメルンに哭く笛1998良くも悪くも京極夏彦と比較される。そして面白いのだけれども、ちょっと物足りない。

藤木稟 黄泉津比良坂、血祭りの館

著者:    藤木稟
       ふじきりん
発表:    1998年
発行所:   徳間書店
カバーアート:藤原ヨウコウ
価格:    1000円

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藤木稟は得体の知れない闇を飛ぶ鶴の化身
明石散人
読者に対する前代未聞の挑戦状としか思えない。何しろ、書き手自身が自らの答えを全く持たずにこのゲームを開始しているからだ。進行すればする程、『これではもうどんなロジックを持ってきても作者は読者に勝利できない』と、書き手は自らを自らで追い込み、読者に惜しげもなくデを与えていく。書き手自身が答えを持たずにロジックを構築し、読者と全く同じ条件で読者に勝利するのは大変な作業である。護って護って護りぬき、それでもなお読者に勝てるという満々たる自信の中で、次から次へと曲芸的なプロットですり抜けていく書き手の知性には驚嘆するしかない。この作品は、作者が最初から答えを持っているというゲリマンダー的ミステリー群を完膚なきまでに叩きのめしたのだ。絶対に動かせない千曳岩と絶対に鳴らない不鳴鐘をどうやって動かし鳴らすのだろう。藤木稟が鶴の化身であれば―不可能はない。

野生の獣や魍魎なら、まだしも、到底、人など通いそうもない寂しい山の頂きに、擬洋館風の壮大な館があった。奇怪な館には天主家といわれる一族と灰色の服を着た大勢の召使いが暮らしていた。莫大な財産を持ち血族婚を繰り返し、密閉性と秘密性の高い一族に犯罪の温床が作り出されたのは故なしとしない。館のある敷地は神岡の聖地でり、庭には『千曳岩』といわれる千人で引いてやっと動く大岩があった。この岩が動くとき地獄の蓋が開き鬼が這い出してくるという恐ろしい伝説があった。
そして、今、岩が動き……。

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
黄泉津比良坂、血祭りの館1998因習臭い山奥の屋敷で、おどろおどろしい殺人が。猟奇的に盛り上げて、少年探偵が登場するまで。

藤木稟 黄泉津比良坂、暗夜行路

著者:    藤木稟
       ふじきりん
発表:    1999年
発行所:   徳間書店
カバーアート:藤原ヨウコウ
価格:    1000円

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ひとつの到達点
香山二三郎
前作「黄泉津比良坂、血祭りの館」から十四年後。盲目の天才美形探偵・朱雀十五がついにその能力をフル回転させるときがやってきた。彼の博覧強記と洞察力は紀州の”闇の奥”にそびえ立つオカルト全開の伝奇迷宮世界を切り開くことが出来るのか。古今東西の館もの”を踏まえたミステリー趣向に驚嘆、また驚嘆。アクロバティックな奇想仕掛けと陰の歴史謀略劇を両輪にした藤木小説は今まさしく、ひとつの到達点を迎えた。

現代の語り部
大多和伴彦
混沌のごとき館で起こる連続殺人、奇想に満ち溢れたトリックと手がかりとなる絢爛たる暗号。盲目の名探偵朱雀十五によって「知の迷宮」が次々と解き明かされる快感と疾走感は“現代の語り部〟藤木稟の独擅場だ。

ぐおぉーんと、寂寥たる闇を震わせて、不気味な鐘の響きが山中を貫いた。絶対、鳴らないといわれ、もし鳴るようなことがあれば『この世が終わる』と伝えられた不鳴鐘が突然、大音声で鳴り響いたのだ。鐘堂に駆けつけた天主家の人々の前に、また新たなる悲劇の幕が上がった。着物を着た人間の膝から下の部分が釣り鐘の中からぶら下がっている。庭師の秀夫だった。突然吉原より呼び出された朱雀十五、因縁の地、神岡山の聖地、天主家の館に再度、乗り込むことに…。いよいよ、事件は因習と血塗れの大迷宮に。全ての謎は解かれるのか!?

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
黄泉津比良坂、暗夜行路1999京極堂ほど深くはないけれど、宗教や因習についてのウンチクが面白い。

藤木稟 大年神が彷徨う島

著者:    藤木稟
       ふじきりん
発表:    2000年
発行所:   徳間書店
カバーアート:藤原ヨウコウ
価格:    848円

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律子君、何かに己の心を呑み込まれてしまってはいけないんだよ…
……本当にその正体が見極められた時にだけ、結論を出せばいいのさ

内容紹介(「BOOK」データベースより)
独自の信仰が息づく絶海の孤島・鬼界ガ島。村の掟に背きし者には大年神の神罰が下り、生きながら身体が発光して狂死するという。死してなお光り続ける死体の謎と、災厄の予兆として現れる輝く雲「夜光雲」の正体を探るなか、大年神の像が独りでに動きだし、人が次々と死んでいく…。これは果たして神罰が、殺人か!?島に伝わる忌まわしき伝承と呪われた血族を巡る怪異を美貌の探偵・朱雀十五が解き明かす!人気シリーズ第5弾

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
大年神が彷徨う島2000読んでいる間は楽しめるし、面白かったという記憶は残るが、何がどうという点はしばらくすると忘れてしまう。

藤木稟 暗闇神事 猿楽の舞

著者:    藤木稟
       ふじきりん
発表:    2005年
発行所:   徳間書店
カバーアート:方緒良
価格:    857円

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昭和十三年、戦争の状況が深刻化するのと比例して、猟奇的な犯罪が頻発する帝都−。浅草で人気の歌舞伎一座・猿田屋では、襲名の儀式の最中、家宝の神刀で、一族のひとりが惨殺される。一方、隅田川界隈では、人々を震え上がらせる残酷な連続通り魔殺人事件が起こっていた。事件に巻き込まれた新聞記者・柏木洋介と馬場刑事は「ミハシラツキ」の伝統を持つ猿田屋一族の謎に迫ろうとするが……!人気シリーズ、待望の書下し新作!

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
暗闇神事 猿楽の舞2005内容はあいかわらずのオカルト。カバー絵が変わったのは不満。

藤木稟 化身

著者:    藤木稟
       ふじきりん
発表:    2008年
発行所:   徳間書店
カバーアート:丹地陽子
価格:    952円

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昭和八年師走。軍港・東舞鶴から、北東へ数キロのところにある、小さな集落・馬耳村。港に一人の男の死体が上がる。他所者のその男の顔は、輪郭が捻じ曲がり、左の目がつぶれて、村で言い伝えられている恐ろしい祟り神・砥笥貢神とそっくりだった。ちょうどその頃、検察本部の視察調査で、ふたりの検事がやって来た。京都地方裁判所検事・桂万治と、最高裁判所検事で「総長のプリンス」と呼ばれる若き天才・朱雀十五だ。軍港の監察長官・林田邦夫の息子、慎吾少年は朱雀の恐ろしいほどに冷たく美しい姿を不穏なものを感じる。そして、彼らがやってきてからというもの、放火殺人と小さな村で次々に奇怪な事件が起こる。それは祟り神による呪いなのか。それとも祟り神の化身・朱雀の仕業かー。

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
化身2008やはり田舎の伝奇話だけれども、朱雀の前日譚の部分が大きいのは、ファンサービスか、ネタ切れか。

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