著者紹介 今邑彩(いまむらあや) 一九五五年(昭和三〇)、長野県生まれ。都留文科大学英文科卒。会社勤務を経て、フリーに。一九八九年(平成元)鮎川哲也賞の前身である「鮎川哲也と十三の謎」に応募し〈十三番目の椅子〉を『卍の殺人』で受賞。以降、推理小説を中心にホラーなどを手がける。著書に『七人の中にいる』『「裏窓」殺人事件』『金雀枝荘の殺人』『そして誰もいなくなる』『赤いベベ着せよ……』『少女Aの殺人』『つきまとわれて』『ルームメイト』『よもつひらさか』『双頭の蛇』『暗黒祭』『いつもの朝に』『鬼』などがある。
太字作品や★★★★★が特におすすめです。
今邑彩 「通りゃんせ」殺人事件
著者: 今邑彩
発表: 1992年
発行所: 双葉社
カバーアート:辰巳四郎
価格: 740円
宣伝文句
一年前、不慮の事故で夫を亡くし、行き場を失った相馬千鶴は小学一年の紗耶を連れて伯父の家に身を寄せる。子供のころ母と二年ほど過ごした田舎町。千鶴が戻ったことを知った幼なじみ五人が歓迎パーティを開いてくれた。懐かしい再会。が、話題は二十二年前のあのことに。寺の古井戸に幼女が扼殺され投げ込まれていた事件だ。実は仲間のひとり高村の子供も去年、同じ手口で……。そして今度は裕司の愛猫が首を絞められ川に。厚子の娘桜子が校庭の焼却炉で……。さらに奇怪な殺人が!!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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「通りゃんせ」殺人事件 | 1992 | 著者が好きな童謡がテーマでも、それほどこだわっているわけでもない。2時間ドラマ風な、子持ち女性が経験するサスペンス。 |
今邑彩 金雀枝荘の殺人
著者: 今邑彩
発表: 1993年
発行所: 講談社
カバーアート:辰巳四郎
価格: 840円
宣伝文句
完璧に封印された館で発見された、不条理極まる6人の死。事件から1年近くが経ち、警察も見放した謎を解明すべく新たな6人の男女が「呪われた館」を訪れる。過去にも多くの人の血を吸った館でまたしても繰り広げられる惨劇。そして戦慄の真相とは…………?息もつかせぬ、恐怖と幻想の本格ミステリー。
帯、カバー、裏表紙等から引用
◎著者のことば
久々のお屋敷ものです。
密室あり、見立てあり。おまけに序章が物語のはじめであると同時に終わりでもあるというネバーエンディングストーリー。
大人になりたくない人。大人でいることにちょっぴり疲れた人。そんな人がいたら、この出口のない遊園地で心ゆくまで遊んで行ってください。
タイトル | 発表 | 感想 |
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金雀枝荘の殺人 | 1993 | 曰く因縁の館で推理合戦。でもちょっと平凡。 |
今邑彩 そして誰もいなくなる
著者: 今邑彩
発表: 1993年
発行所: 中公文庫
カバーアート:北見隆
価格: 781円
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名門女子校の式典の最中、演劇部による「そして誰もいなくなった』の舞台上で、服毒死する役の生徒が実際に死亡。上演は中断されたが、その後も部員たちが芝居の筋書き通りの順序と手段で殺されていく。次のターゲットは私! 部長の江島小雪は顧問の向坂典子とともに、姿なき犯人に立ち向かうが……。戦慄の本格ミステリー。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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そして誰もいなくなる | 1993 | もちろん「そして誰もいなくなった」へのオマージュ。さてどう捻ってくるか。 |
今邑彩 時鐘館の殺人
著者: 今邑彩
発表: 1993年
発行所: 中央公論社
カバーアート:北見隆
価格: 780円
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著者のことば
短篇集でありながら、じつは、この中に長篇が二篇入っています。そりゃ、どういうことかって? 読めば分かります。
自分で言ってりゃ世話ないが、天然果汁200パーセントは保証します。水っぽいジュースには飽き飽きしたとぼやく人たち<°
もってけ、ドロボー。作家・今邑彩に、ミステリー専門誌から〈読者に挑戦コーナー>の原稿依頼が来た。そこで、手持ち原稿を削って渡したのが「時鐘館の殺人」。時計コレクターの大家のもと、ミステリー作家や評論家など変人ばかりの下宿人が集まる”時鐘館〟で、その作家が死体となって発見されたというストーリーだ。ところが、致命的なミスを指摘する読者からの逆挑戦が。さあ、どうする今邑彩! 表題作以下、不可思議な味の短篇六篇。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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生ける屍の殺人 | 1993 | 死んだと思っていた夫は生きていたが、自分は…。 |
黒白の反転 | 1993 | 自分を殺したのはなぜ? |
隣の殺人 | 1993 | 隣人が殺された。このままでは自分も危ない。 |
あの子はだあれ | 1993 | やっぱり童謡からみの事件。 |
恋人よ | 1993 | 死んだ彼を調べていくことで、自分探し。 |
時鐘館の殺人 | 1993 | いくらなんでも、雪だるまに隠すというのはギャグだ。 |
今邑彩 七人の中にいる
著者: 今邑彩
発表: 1994年
発行所: 中公文庫
カバーアート:北見隆
価格: 781円
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クリスマスイヴを控え、ペンション「春風」に集った七人の客。そんな折、オーナー・晶子のもとに、二十一年前に起きた医者一家虐殺事件の復讐予告が届く。刻々と迫る殺人者の足音を前に、常連客の知られざる一面があらわになっていき……。復讐を心に秘めているのは誰か。葬ったはずの悪夢から、晶子は家族を守ることができるのか。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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七人の中にいる | 1994 | 閉ざされた空間の中でのサスペンス。しかしこの主人公では因果応報で、同情できない。 |
今邑彩 少女Aの殺人
著者: 今邑彩
発表: 1995年
発行所: 中公文庫
カバーアート:北見隆
価格: 781円
宣伝文句
「養父に身体を触られるのが、嫌で嫌でたまりません。このままでは自殺するか、養父を殺してしまうかも」深夜放送の人気DJのもとに届いたのは、「F女学院の少女A」という女子高生からのショッキングな手紙だった。家庭環境があてはまる生徒三名の養父は、物理教師、開業医、そして刑事。直後、そのうちのひとりが自宅で刺殺され……。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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少女Aの殺人 | 1995 | わりと普通のミステリだが、よく知らない女子高の世界を垣間見せてくれる。 |
今邑彩 盗まれて
著者: 今邑彩
発表: 1995年
発行所: 中公文庫
カバーアート:北見隆
価格: 705円
宣伝文句
ゴースト・ライターだった夫が、本当に死んでしまった!!! 死んでも幽霊になって君を守ると言ったのに。困り果てる「売れっ子作家」に夫の幽霊から電話が……。
帯、カバー、裏表紙等から引用
いつもは冷たい父から、たった一度だけ届いた愛情のこもった手紙。中学時代の同級生から、十五年の歳月を越えて送られて来た手紙ミステリーはいつも電話と手紙によって運ばれる。傑作推理集
タイトル | 発表 | 感想 |
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ひとひらの殺意 | 1995 | ついつい侵入者を殺してしまった女。心理描写のサスペンス。 |
盗まれて | 1995 | ほとんど会話だけからの逆転宙返り。 |
情けは人の… | 1995 | 誘拐計画の大逆転。 |
ゴースト・ライター | 1995 | 本物の幽霊のライター。 |
ポチが鳴く | 1995 | 犬が知っていた秘密。 |
白いカーネーション | 1995 | 父が殺した女の遺品の花の意味は。 |
茉莉花 | 1995 | 自分の無実を証明するために、真犯人を探せ。 |
時効 | 1995 | 遠い過去からの手紙が露わにする殺人事件。 |
今邑彩 卍の殺人
著者: 今邑彩
発表: 1996年
発行所: 中央公論社
カバーアート:北見隆
価格: 800円
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著者のことば
帯、カバー、裏表紙等から引用
この作品は、一九八九年に東京創元社からハードカバーで出版されたもので、いわば私のデビュー作にあたります。ミステリを書くことが職業になるなどとは夢にも思わなかった頃に書いたものです。今、読み返してみると、アノ頃私ハコウイウモノヲ書イテイタノカと、多少の懐かしさもまじえて、溜息が出る思いがします
一人の老婆とその双子の娘を頂点にした一族。卍をかたどうた屋敷に暮らすこの二つの家族は、鏡に映った像のように互いに比べ合い、競い合っていた。一方、競争から逃れ、上京していたこの家の養子の恋人となった私。結婚を反対され、養子縁組解消を申し渡された彼に伴われ、この屋敷を訪れることになったのだが。美しいが邪悪な精神を持つ従妹、長い廊下一面にはめ込まれたフランス窓、夜中に歩くというイタチの剥製当惑する私の目の前で殺人が。今邑彩、衝撃のデビュー作が甦る!!!
タイトル | 発表 | 感想 |
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卍の殺人 | 1996 | デビュー作なので、粗削りながらしっかり、”館”型ミステリをしている。女流作家だからといって特別、良くも悪くもない。 |
今邑彩 つきまとわれて
著者: 今邑彩
発表: 1996年
発行所: 中公文庫
カバーアート:北見隆
価格: 686円
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別れたつもりでいても、細い糸が繋がっている。ハイミスの姉が結婚をためらう理由は別れた男からの「幸せな結婚ができると思うな」という嫌がらせの手紙だったというが……。表題作のほか、幼い頃に家出した母に纏わるあり得ない記憶を辿る「帰り花」、ある絵画に隠された秘密に迫る「吾子の肖像」など前の作品の人物が登場する異色の短編集。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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おまえが犯人だ | 1996 | やはり著者は、ちょっと異常でホラーな心理描写が秀逸だ。 |
帰り花 | 1996 | 一度死んだ花は、再び生き返らせることはできるのか。 |
つきまとわれて | 1996 | つきまとうにも愛が要る。 |
六月の花嫁 | 1996 | 推理が大空振りするときもある。 |
吾子の肖像 | 1996 | やたらと子供を強調しているふしがある絵の正体は。 |
お告げ | 1996 | 特定の色を使うと悪いことが起きるのか。 |
逢ふを待つ間に | 1996 | ゲームに現れる妻の亡霊。 |
生霊 | 1996 | ふとした気持ちで日常を捨てた女は、元の家の帰れるわけがない。 |
今邑彩 鋏の記憶
著者: 今邑彩
発表: 1996年
発行所: 角川ホラー文庫
カバーアート:北見隆
価格: 648円
宣伝文句
物に触れると所有者の記憶を読み取ることができる「サイコメトリー」能力を持った、女子高生の桐生紫《ゆかり》。その力を生かして、周囲で起こった四つの怪事件の捜査を手助けすることに。殺人、失踪、家族の秘密……「物」だけが真実を知っている! 傑作ミステリー。
帯、カバー、裏表紙等から引用
サイコメトリー(PSYCHOMETRY)
残留物感知能力。
物に触っただけで、その物を所有していた人物のことや、その人物の秘めた感情や体験したことなどを、感知できる超自然的な能力のこと。
タイトル | 発表 | 感想 |
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三時十分の死 | 1996 | 無実を伝えるペンダントの記憶。 |
鋏の記憶 | 1996 | 子供を刺したハサミの記憶。 |
弁当箱は知っている | 1996 | 使っていた男の様子だけわかる弁当箱の記憶。 |
猫の恩返し | 1996 | いろいろ映る手鏡の記憶。 |
今邑彩 ルームメイト
著者: 今邑彩
発表: 1997年
発行所: 中公文庫
カバーアート:北見隆
価格: 781円
宣伝文句
私は彼女の事を何も知らなかったのか….?
帯、カバー、裏表紙等から引用
大学へ通うために上京してきた春海は、京都からきた麗子と出逢う。お互いを干渉しない約束で始めた共同生活は快適だったが、麗子はやがて失踪、跡を追ううち、彼女の二重、三重生活を知る。彼女は名前、化粧、嗜好までも替えていた。茫然とする春海の前に既に死体となったルームメイトが……。
タイトル | 発表 | 感想 |
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ルームメイト | 1997 | 妙なルームメイトの正体は何か? とはいっても直接、主人公に危害を加えてくるわけではない。 |
今邑彩 大蛇伝説殺人事件
著者: 今邑彩
発表: 1998年
発行所: 光文社文庫
カバーアート:北見隆
価格: 590円
宣伝文句
大蛇伝説殺人事件《おろちでんせつさつじんじけん》
帯、カバー、裏表紙等から引用
今邑彩《いまむらあや》
島根県松江《まつえ》市のホテルで、画壇の巨匠・月原龍生《つきはらりゅうせい》が失踪。同じころ、出雲大社《いずもたいしゃ》内で男の肉体の一部が発見される。さらに島根県各地のスサノオを祭る神社から次々と同じ男のバラバラ死体が。鑑識により死体は月原と判明。何故、ヤマタノオロチの如く解体されたのか?
スサノオの意味は? 探偵・大道寺綸子《だいどうじりんこ》は、真相を追う! トリックと神話を見事に融合させた巨編!
タイトル | 発表 | 感想 |
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大蛇伝説殺人事件 | 1998 | 古代の神話で雰囲気を盛り上げているけれども、消化不足の感あり。 |
今邑彩 ブラディ・ローズ
著者: 今邑彩
発表: 1999年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:北見隆
価格: 500円
宣伝文句
美しい薔薇園に包まれた邸に相澤花梨は嫁いだ。二番目の妻良江が謎の墜死をとげた直後。邸には主の苑田俊春のほか、足の悪い妹、家政婦、お手伝い、園丁が住む。最初の妻雪子への思慕が邸内に満ちる状況下で、早々と三番目の妻花梨に向けられる何者かの憎悪!あなたは雪子になれない、良江の二の舞、と告げる脅迫状が次々届けられる。華麗にして残酷なロマンティック・ミステリ。
帯、カバー、裏表紙等から引用
俗世に背を向けたような洋館は,壮麗な薔薇園で飾られる。薔薇好きだった亡父のおもかげを館の主に感じた相澤花梨は誘われるまま,薔薇館へ通うようになった。館には主の苑田俊春,二度目の妻良江,足の不自由な妹晶,そして家政婦,お手伝い,園丁が暮らす。初めの妻雪子への強い思慕が充満する館で,耐えかねた良江が死を選んだ。そして花梨が,望まれて三番目の妻の座に坐ったが,たちまち奇怪な脅迫状の標的に。あなたは雪子になれない,良江の二の舞になるだけと脅迫者は宣告する。犯人は館の誰なのか。新しい花嫁を悪魔の奸計が襲う!美しくも残酷無比の本格長編ミステリ。
タイトル | 発表 | 感想 |
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ブラディ・ローズ | 1999 | 薔薇にやたらと細かいのは、やはり女性だからか。 |
今邑彩 よもつひらさか
著者: 今邑彩
発表: 1999年
発行所: 集英社文庫
カバーアート:北見隆
価格: 724円
宣伝文句
現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂《よもつひらさか》”と呼ぶ。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。ちょうど立ちくらみをおぼえた私は、青年の差し出すなまぬるい水を飲み干し……………。一人でこの坂を歩いていると、死者に会うことがあるという不気味な言い伝えを描く表題作ほか、戦慄と恐怖の異世界を繊細に紡ぎ出す全12篇のホラー短編集。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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見知らぬあなた | 1999 | バラバラ殺人の犯人は…。著者がよく使うパターン。 |
ささやく鏡 | 1999 | 著者は特に鏡を嫌っているらしい。 |
茉莉花 | 1999 | 愛人宅と手紙を間違えた父。 |
時を重ねて | 1999 | 奇跡のスナップ写真の謎。 |
ハーフ・アンド・ハーフ | 1999 | ピザの話ではありません。 |
双頭の影 | 1999 | 寺の天井の化け物に似た染み。 |
家に着くまで | 1999 | 勘のいい運転手は損をする。 |
夢の中へ… | 1999 | 夢の中はけっこうリアルだった。 |
穴二つ | 1999 | パソコン通信とはなつかしい。 |
遠い窓 | 1999 | 夢の男はただの変態。 |
生まれ変わり | 1999 | 運命の恋人同士なんてあるのか。 |
よもつひらさか | 1999 | 死者と会うことができるという神話の坂。 |
今邑彩 いつもの朝に 上巻
著者: 今邑彩
発表: 2006年
発行所: 集英社文庫
カバーアート:北見隆
価格: 629円
宣伝文句
成績優秀でスポーツマン、中学でミラクルボーイと呼ばれる桐人。そんな兄とは正反対で勉強が苦手の弟・優太。三年前に最愛の父を事故で失い、画家の母・沙羅と三人暮らし。ある日、優太は、父の形見のぬいぐるみ“ユータン”の中から、手紙を見つける。そこには、父から優太への謎のメッセージが書かれていた。優太は、父の言葉に従い行動を起こすが……。家族の愛と絆をミステリアスに描く感動巨編。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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いつもの朝に 上巻 | 2006 | ちょっとした疑問から、日常を覆すドラマへ、という家族ミステリー。 |
今邑彩 いつもの朝に 下巻
著者: 今邑彩
発表: 2006年
発行所: 集英社文庫
カバーアート:北見隆
価格: 648円
宣伝文句
優太は、父が残した手紙に書かれた“福田ヨシ”を訪ねる。その女性は、優太を待っていたと言い、父から預かったというノートをくれた。そこには、父親の恐るべき告白が書き記されており、三十年前に起きた凄惨な事件が浮かび上がる。あまりに残酷な出自を知った優太は、兄の桐人に助けを求めるが……。二転三転する事実に翻弄される兄弟の嫉妬と確執、親子の絆など深い家族愛が胸にせまる兄弟小説。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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いつもの朝に 下巻 | 2006 | 人情に訴えるミステリ。男の子はこんなにぬいぐるみを大事にしないのでは? |
今邑彩 鬼
著者: 今邑彩
発表: 2008年
発行所: 集英社文庫
カバーアート:北見隆
価格: 619円
宣伝文句
引きこもっていた息子が、突然元気になった。息子を苛《いじ》めていた子が、転校するというのだが……「カラス、なぜ鳴く」。かくれんぼが大好きだったみっちゃん。夏休みのある日、鬼になったみっちゃんは、いつまで待っても姿をあらわさなかった。そして、古井戸から……「鬼」。他、言葉にできない不安、ふとした胸騒ぎ、じわじわと迫りくる恐怖など、日常に潜む奇妙な世界を繊細に描く10編。ベスト短編集。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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カラス、なぜ鳴く | 2008 | 今回は童謡「七つの子」。 |
たつまさんがころした | 2008 | 「空耳」と「お告げ」。 |
シクラメンの家 | 2008 | 赤い花が合図。 |
鬼 | 2008 | ひらがながよみにくい。 |
黒髪 | 2008 | 髪は女の怨念の依り代。 |
悪夢 | 2008 | 記憶は遺伝するのか。 |
メイ先生の薔薇 | 2008 | 子供たちに好かれすぎるのも困りもの。 |
セイレーン | 2008 | 自殺するにしても事故の形にして。 |
蒸発 | 2008 | あの世とこの世の中間に飛ばされた青年。 |
湖畔の家 | 2008 | 何度も見える過去の風景が真相へ導く。 |
今邑彩 人影花
著者: 今邑彩
発表: 2014年
発行所: 光文社文庫
カバーアート:辰巳四郎
価格: 660円
宣伝文句
見知らぬ女性からの留守電、真実を告げる椿の花、不穏に響く野鳥の声……ささいなことから平和な日常が暗転し、足元に死の陥穽が開く。戦慄に満ちた文庫オリジナル短篇集。没後なお読者を惹きつけてやまない今邑ミステリの精華がここに。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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私に似た人 | 2014 | 偶然、電話をしてきた青年は自分と同じようなことをしていた。 |
神の目 | 2014 | 自信満々な大道寺綸子登場。 |
疵 | 2014 | 最大の目的は告発よりも、疵の共有。 |
人影花 | 2014 | 堕ろした子供が花になるとか、やはり女性作家の感性だ。 |
ペシミスト | 2014 | 物事は良い方向へ考えよう。 |
もういいかい… | 2014 | 「もういいよ」という返事がないと完結しない。 |
鳥の巣 | 2014 | 生々しい幽霊たちの会話。 |
返して下さい | 2014 | 一人二役か二重人格か。 |
いつまで | 2014 | 妻の妄想の子供の気配が…。 |
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