PhilipK.Dick(フィリップ・K・ディック) 1928年、アメリカのシカゴに生まれる。カリフォルニア大学卒業後は、テレビのセールスマンを続けながら、SFを書きはじめる。1952年、『F&SF』誌からデビュー、以後精力的な作家活動に入り、現代アメリカSF界の代表的作家のひとりとなった。50年代に『偶然世界』60年代には『高い城の男』『火星のタイムスリップ』『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」、70年代には*『わが涙流れよ、と警官は言った』*『怒りの日」『暗闇の探索』など野心的な力作を発表しつづけ、カリスマ的な人気を得て いる。
太字作品や★★★★★が特におすすめです。
フィリップ・K・ディック 時は乱れて
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男の名はレイグル・ガム。独身、46歳。アメリカの一地方都市で、この男のことを知らぬものはいない。新聞の懸賞クイズ『小さな緑の男は次にどこへ行くか?』に毎日毎日勝ちつづけている男なのだ。時は、1959年。だが、ある日、レイグルは自分が、なじみのない他人に思えることがある。そして同居している弟夫婦も。たとえばある時、洗面所であると思ったスイッチがないという弟の体験、子供が近くの廃墟から拾ってきた雑誌の記事、鉱石ラジオから傍受した奇妙な通信、ついに町を出ようとしたレイグルは、なぜか警察に追われ、一軒の家にたどりつく。そこで見た新聞の日付は1997年5月10日、なんと彼レイグルに関する記事が載っていたのだ。卓抜なアイデアと巧妙なトリックで構成されたストーリーは、やがて壮大な宇宙ドラマへと突入する。米国SF界の巨匠が放つスリリングな世界。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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時は乱れて | 1959 | 映画「トルーマン・ショー」みたいに、現実が嘘とばれる過程が面白い。 |
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アメリカ美術工芸品商会を経営するチルダンは、通商代表部の田上に平身低頭して商品の説明をしていた。ここサンフランシスコでは、現在日本の勢力下にある。第二次大戦が枢軸国側の勝利に終り、いまや日本とドイツの二大国家が世界を支配しているのだ——。第二次大戦の勝敗が逆転した世界を舞台に、現実と虚構の微妙なバランスを緻密な構成と迫真の筆致で書き上げた、1963年度ヒューゴー賞受賞の鬼才ディックの最高傑作。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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高い城の男 | 1962 | 朝倉久志 | もう一つの逆の世界で、正史が読まれているというひねり。ドイツ世界は、ソ連世界をより酷くしたような、暗黒恐怖社会だ。日本人から見て、妙な表現も多々あるが、全体的に落ち着いた雰囲気だ。 |
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内容紹介(「BOOK」データベースより)
帯、カバー、裏表紙等から引用
死者は墓から甦り、生者は若返って子宮へと回帰するー1986年、ホバート位相と名づけられた時間逆流現象のために、世界は一変した。死者の再生と売却を請け負うセバスチャン・ヘルメスは、ユーディ教の始祖トマス・ピークを墓から掘りだしたことにより、公安機関“消去局”とユーディ教指導者、ローマ・シンジケートをめぐる戦いに巻き込まれる。不条理と狂気が交錯するディック幻の傑作が改訳版で登場。
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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逆まわりの世界 | 1967 | 小尾芙佐 | 時間が逆転するという発想はいいとしても、あらゆる事象が逆転するわけでもない。 |
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内容紹介(「BOOK」データベースより)
帯、カバー、裏表紙等から引用
三千万人のファンから愛されるマルチタレント、ジェイスン・タヴァナーは、安ホテルの不潔なベッドで目覚めた。昨夜番組のあと、思わぬ事故で意識不明となり、ここに収容されたらしい。体は回復したものの、恐るべき事実が判明した。身分証明書が消えていたばかりか、国家の膨大なデータバンクから、彼に関する全記録が消え失せていたのだ。友人や恋人も、彼をまったく覚えていない。“存在しない男”となったタヴァナーは、警察から追われながらも、悪夢の突破口を必死に探し求めるが…。現実の裏側に潜む不条理を描くディック最大の問題作。キャンベル記念賞受賞。
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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流れよわが涙、と警官は言った | 1974 | 友枝康子 | その飛ばされた世界の正体が、どうもディック的ですっきりしない。 |
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第三次大戦後、放射能灰に汚された地球では、生きている動物を所有することが地位の象徴となっていた。人工の電気羊しかもっていないリックは、本物の動物を手に入れるため、火星から逃亡してきた〈奴隷〉アンドロイド8人の首にかけられた莫大な懸賞金を狙って、決死の狩りをはじめた!現代SFの旗手ディックが、斬新な着想と華麗な筆致をもちいて描きあげためくるめく白昼夢の世界! [映画化名「ブレードランナー」〕
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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アンドロイドは電気羊の夢をみるか? | 1977 | 浅倉久志 | 映画「ブレードランナー」の原作とはいえ、それを期待するとかなり違う。 |
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核戦争後の地球、人間とミュータントの世代交代をテーマにした「訪問者」、パラノイアの狂気を描く「スパイはだれだ」、中国との戦争に敗れ、奇妙な宗教が支配するようになったアメリカを描く「輪廻の章」など、初期作品から晩年の作品まで、日本未紹介の短編を10編収録。アメリカSF界の鬼才、P.K.ディックが創り出した悪夢的イメージを集約した、傑作オリジナル短編集。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 著者 | 発表 | 訳者 | 感想 |
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訪問者 PLANET FOR TRANSIENTS | フィリップ・K・ディック Philip K. Dick | 1987 | 浅倉久志 | 核戦争後のミュータントたちが支配する世界では、空気を求めてさすらう普通の人間は少数派だ。暗黒の未来社会の姿いろいろ。 |
調整班 ADJUSTMENT TEAM | フィリップ・K・ディック Philip K. Dick | 1987 | 浅倉久志 | 闇の勢力が世界を演出しているのを偶然発見したエド。 |
スパイはだれだ SHELL GAME | フィリップ・K・ディック Philip K. Dick | 1987 | 浅倉久志 | 地球人スパイの破壊工作に怯える植民地の人々。 |
超能力世界 A WORD OF TALENT | フィリップ・K・ディック Philip K. Dick | 1987 | 浅倉久志 | 宇宙植民時代に、ぼつぼつ現れはじめた超能力者の子供たち。 |
新世代 PREGONY | フィリップ・K・ディック Philip K. Dick | 1987 | 浅倉久志 | ロボットが子育てする時代についていけない古い父親。 |
輪廻の章 THE TURNING WHEEL | フィリップ・K・ディック Philip K. Dick | 1987 | 浅倉久志 | 罪を犯すと来世にろくでもないものに生まれ変わるという宗教の未来社会。 |
少数報告 THE MINORITY REPORT | フィリップ・K・ディック Philip K. Dick | 1987 | 浅倉久志 | コンピュータが予測した犯罪予定者は軍の大物だった。 |
くずれてしまえ PAY FOR THE PRINTER | フィリップ・K・ディック Philip K. Dick | 1987 | 浅倉久志 | ものをコピーする宇宙生物にたよって技術が衰退した社会。 |
出口はどこかへの入口 THE EXIT DOOR LEADS IN | フィリップ・K・ディック Philip K. Dick | 1987 | 浅倉久志 | 懸賞に当たって、軍の大学へ格安で入学するはめになった青年。 |
凍った旅 FROZEN JOURNEY | フィリップ・K・ディック Philip K. Dick | 1987 | 浅倉久志 | 十年の冷凍睡眠での宇宙の旅の予定だったが、機械の故障で眠れなくなってしまった! |
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