ヘレン・マクロイ(HelenMcCloy)
アメリカのミステリ作家。1904年ニューヨーク生まれ。ソルボンヌ大学に留学、パリとロンドンで美術批評家、新聞記者として活動し、1932年に帰国。精神科医ウィリング博士を探偵役とした『死の舞踏』(1938)でデビュー。『家蠅とカナリア』『暗い鏡の中に』『幽霊の2/3』『殺す者と殺される者』など、本格推理からサスペンスまで多彩な作風で人気を博した。1994年没。
太字作品や★★★★★が特におすすめです。
ヘレン・マクロイ ささやく真実
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奇抜な言動と悪趣味ないたずらで、周囲に騒動をもたらす美女クローディア。彼女が知人の研究室から持ち出した新薬には、強力な自白作用があった。クローディアはその薬を自宅のパーティーで飲みものに混ぜ、宴を悲惨な暴露大会に変容させてしまう。その報いか、深夜、彼女は何者かに殺害された……! 死体の発見者となった精神科医ウィリング博士が、意外な手がかりをもとに指摘する真犯人とは? マクロイ屈指の謎解き純度を誇る、傑作本格ミステリ。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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ささやく真実 THE DEADLY TRUTH | 1941 | 駒月雅子 | 探偵役のウィリングは、どうも魅力がわからない。 |
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「ウィロウ・スプリングには行くな」匿名の電話の警告を無視して、フリーダは婚約者の実家へ向かったが、到着早々、何者かが彼女の部屋を荒らす事件が起きる。不穏な空気の中、隣人の上院議員邸で開かれたパーティーでついに殺人事件が……………。検事局顧問の精神科医ウィリング博士は、一連の事件にはポルターガイストの行動の特徴が見られると指摘する。本格ミステリの巨匠マクロイの初期傑作。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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あなたは誰? WHO’S CALLING? | 1942 | 渕上瘦平 | 事件そのものよりも、人間関係のとらえ方がやはり女性作家らしく新鮮でもある。 |
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家出を繰り返す少年が、開けた荒野の真ん中から消えた―ハイランド地方を訪れたダンバー大尉が聞かされたのは、そんな不可解な話だった。その夜、当の少年を偶然見つけたダンバーは、彼が何かを異様に恐れていることに気づく。そして二日後、少年の家庭教師が殺される―スコットランドを舞台に、名探偵ウィリング博士が人間消失と密室殺人が彩る事件に挑む傑作本格ミステリ。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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逃げる幻 THE ONE THAT GOT AWAY | 1945 | 駒月雅子 | 英国的な暗い雰囲気、第2次大戦直後の作品なので、古臭く感じるのは当たり前。 |
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西インド諸島を発つ日わたしは、存在しない庭師から手紙の代筆を頼まれた。さらに、白昼夢が現実を侵したように、米国へ帰る船上で生起する蜃気楼めいた出来事の数々。誰かがわたしを殺そうとしています…………一編の手記に始まる物語は、奇妙な謎と戦慄とを孕んで、闇路をひた走る。めまいを誘う構成に秘められた狡知、縦横無尽に張りめぐらされた伏線の妙。超絶のサスペンス!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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ひとりで歩く女 SHE WALKS ALONE | 1948 | 宮脇孝雄 | 昔の映画みたいな女性向けサスペンスと割り切ると、まあまあ。 |
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ブレアトン女子学院に勤めて五週間の女性教師フォスティーナは、突然理由も告げられずに解雇される。彼女への仕打ちに憤慨した同僚ギゼラと、その恋人の精神科医ウィリング博士が調査して明らかになった“原因”は、想像を絶するものだった。博士は困惑しながらも謎の解明に挑むが、その矢先に学院で死者が出てしまう……。幻のように美しく不可解な謎をはらむ、著者の最高傑作。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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暗い鏡の中に THROUGH A GLASS DARKLY | 1950 | 駒月雅子 | 本格物なのに、怪奇幻想風のお膳立てで、サスペンスいっぱい。 |
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ある夜、自宅近くのたばこ屋でウィリングが見かけた男は、「私はベイジル・ウィリング博士だ」と名乗ると、タクシーで走り去った。驚いたウィリングは男の後を追ってパーティー開催中の家に乗り込むが、その目の前で殺人事件が……。被害者は死に際に「鳴く鳥がいなかった」という謎の言葉を残していた。発端の意外性と謎解きの興味、サスペンス横溢の本格ミステリ。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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二人のウィリング ALLAS BASIL WILLING | 1951 | 渕上瘦平 | こうもパーティーばっかりしているのも、女性目線か? |
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出版社社長の邸宅で開かれたパーティーで、人気作家エイモス・コットルが、余興のゲーム“幽霊の2/3”の最中に毒物を飲んで絶命してしまう。招待客の一人、精神科医のベイジル・ウィリング博士が、関係者から事情を聞いてまわると、次々に意外な事実が明らかになる。作家を取りまく錯綜した人間関係にひそむ謎と、毒殺事件の真相は? 名のみ語り継がれてきた傑作が新訳で登場。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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幽霊の2/3 TWO-THIRDS OF A GHOST | 1956 | 駒月雅子 | タイトルの意味が分かれば一目瞭然なのに、なぜ気づかなかったのか。 |
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《タイムズ》紙をひろげたベイジル・ウィリング博士は奇妙な記事を見つけた。さる刃物研磨店に夜盗が押し入ったが、賊はなにも盗まず、かわりに鳥籠をあけて、カナリアを解放していったらしい。想像力を心地よく刺激する、素敵な難問。これが劇場を舞台にした緻密な計画殺人への序曲であるとは、さすがの彼も確信できなかった…………! 謎解きの真骨頂を示す、名手の初期最高傑作。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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家蠅とカナリア CUE FOR MURDER | 1957 | 深町眞理子 | なぜ”ハエ”ではなく、”家蠅”なのか? なぜこんな邦題になったのかが、最大の疑問。 |
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遺産を相続し、不慮の事故から回復したのを契機に、職を辞して亡母の故郷クリアウォーターへと移住したハリー・ディーン。人妻となった想い人と再会し、新生活を始めた彼の身辺で、異変が続発する。消えた運転免許証、差出人不明の手紙、謎の徘徊者……………そしてついには、痛ましい事件が一。この町で、何が起きているのか? マクロイが持てる技巧を総動員して著した、珠玉の逸品。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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殺す者と殺される者 THE SLAYER AND THE SLAIN | 1957 | 務台夏子 | この作品こそ、精神科医のウィリング博士が出張ってくるべき。 |
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輝く謎の飛行体を見た者が相次いで死亡する怪事件一精神科医ウィリングの推理を描いて本格の技巧を示した表題作ほか、荒涼たる世界の終末を美しい筆致で綴り深い感動を呼ぶSF「風のない場所」などの多彩な8篇に、十五年前の事件に決着をつけるため帰還した男が殺人事件に巻き込まれる中篇「人生はいつも残酷」を併録。アメリカ随一の実力派マクロイの魅力を凝縮した傑作選。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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東洋趣味(シノワズリ) CHINOISERIE | 1946 | 今本渉 | 北京で消えたロシア婦人と王維の山水画。 |
Q通り十番地 NUMBER TEN Q STREET | 1963 | 吉村満美子 | 広告施行警察というSF。 |
八月の黄昏に SILENCE BURNING | 1957 | 吉村満美子 | 飛んでもなく速い飛行機は時間をも飛び越えるSF。 |
カーテンの向こう側 THE OTHER SIDE OF THE CURTAIN | 1947 | 霧島義明 | 事件ははたして夢か現実か。 |
ところかわれば SURPRISE, SURPRISE! | 1965 | 吉村満美子 | 人間の男女のように、咀嚼者と消化者が共存するSF。 |
鏡もて見るごとく THROUGH A GLASS DARKLY | 1948 | 好野理恵 | ウィリング博士がドッペルゲンガーを見破る。 |
歌うダイアモンド THE SINGING DIAMONDS | 1949 | 好野理恵 | ウィリング博士がUFOの正体を暴く。 |
風のない場所 WINDLESS | 1958 | 吉村満美子 | 戦争後の荒れ果てた世界のSF。 |
人生はいつも残酷 BETTER OFF DEAD | 1949 | 霧島義明 | 復讐のために戻ってきた男のサスペンス。 |
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