小説だけでなく、漫画もあるよ。
太字作品や★★★★★が特におすすめです。
筒井康隆編 ‘60年代日本SFベスト集成 ★★★★★
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「日本SF初期傑作集」とでも副題をつけるべき作品集である。(略)
帯、カバー、裏表紙等から引用
現在日本SF界の長老(?)中堅級がこの時期にいっせいに擡頭し、出揃っているからである。第二に、これらの作家の中から脱落者が続出し、その後新人も出ないというのであればともかく、現実には70年代に入って開拓者たちそれぞれの文運ますます隆盛を極め、さらに有能な新人がぞくぞく登場しているからでもある。——「解説」より
タイトル | 著者 | 発表 | 感想 |
---|---|---|---|
開放の時代 | 星新一 | 1967 | 著者のイメージとはあまりにもかけ離れた、セックスねたの傑作。 |
もの | 広瀬正 | 1961 | 広瀬正「もの」参照。 |
H氏のSF | 半村良 | 1964 | 四性生殖は麻雀だ! |
わがパキーネ | 眉村卓 | 1962 | 世にも醜い異星人の特殊能力。 |
よろめき動物記 金魚 | 手塚治虫 | 1964 | 漫画によるSFショート・ショート。 |
色眼鏡の狂詩曲 | 筒井康隆 | 1968 | 大偏見でみた日本、中国、アメリカ。 |
渡り廊下 | 豊田有恒 | 1968 | 私小説風ファンタジー。 |
ハイウェイ惑星 | 石原藤夫 | 1965 | 石原藤夫「ハイウェイ惑星」参照。 |
X電車で行こう | 山野浩一 | 1964 | 幽霊電車がいろんな路線を一筆書きする。 |
そこに指が | 手塚治虫 | 1963 | むしろ、ナンセンス一発ギャグ。 |
終りなき負債 | 小松左京 | 1962 | 84年ローンで祖父が購入したものは何か? |
レオノーラ | 平井和正 | 1962 | 血と暴力のロマンはあいかわらず。 |
機関車、草原に | 河野典生 | 1967 | ノスタルジックなファンタジー小品。 |
幹線水路二〇六一年 | 光瀬龍 | 1962 | 時空スケールのでかい未来図。 |
大いなる正午 | 荒巻義雄 | 1970 | 超難解な雰囲気だけ。 |
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1971年の日本SF界は、はなやかな話題に満ちていた、と、いってよい。
帯、カバー、裏表紙等から引用
ながい間の沈黙を破り長編「石の血脈」をひっさげて半村良が再登場したこと、大型新人荒巻義雄の登場、広瀬正が前年発表した処女長編「マイナス・ゼロ」に続き「ツィス」「エロス」と長編を矢次ぎ早やに書き、そのいずれもが直木賞候補に推されたこと、弱冠十五歳の最年少SF作家大西赤人の活躍などである。——「解説」より
タイトル | 著者 | 発表 | 感想 |
---|---|---|---|
農閑期大作戦 | 半村良 | 1971 | 出稼ぎの田舎者が大活躍するドタバタ。 |
真昼の断層 | 眉村卓 | 1971 | 自分が書いた本をだれも信じてくれない。 |
使者 | 星新一 | 1971 | 飛来した円盤が、爆発。なかったことにするが…。 |
保護鳥 | 小松左京 | 1971 | 気味の悪い鳥を保護する人々のホラー。 |
多聞寺征伐 | 光瀬龍 | 1971 | 時代SFの先駆的作品。 |
ヒョンヒョロ | 藤子不二雄 | 1971 | 宇宙人の誘拐を誰も信用しない。 |
二重人格 | 広瀬正 | 1971 | 広瀬正「二重人格」参照。 |
パストラル | 河野典生 | 1971 | やはりノスタルジックな幻想小品。 |
美亜へ贈る真珠 | 梶尾真治 | 1971 | ロマンチックなタイム・マシンもの。 |
ススムちゃん大ショック | 永井豪 | 1971 | もしも親の本能が突然なくなったら。 |
ニュルブルクリンクに陽は落ちて | 高齋正 | 1971 | 珍しいカーSF。 |
ある晴れた日のウィーンは森の中にたたずむ | 荒巻義雄 | 1971 | 博打とパラレル・ワールド。 |
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1974年前半のSF界の話題は、前年からの「日本沈没」ブームが、小松左京の、同作品による日本推理作家協会賞受賞や、同じく彼が1億2000万円の収入で文壇長者番付5位にランクされる形で、まだ続いていた。
帯、カバー、裏表紙等から引用
後半では、半村良「不可蝕領域」の直木賞ノミネートがある。新聞社対テレビ局の超能力論争なども話題になったが、現在の日本SFとは本質的に無関係であろう。23歳の山田正紀が登場した。(「解説」より要旨)
タイトル | 著者 | 発表 | 感想 |
---|---|---|---|
屋上 | 眉村卓 | 1974 | 屋上のドアがパリに続いているのを発見したOL。 |
夜があけたら | 小松左京 | 1974 | 永遠の夜のはじまり。 |
佇むひと | 筒井康隆 | 1974 | 犬、猫、人が木にされていく恐怖社会。 |
渋滞 | 豊田有恒 | 1974 | 慢性的渋滞に適応していく人々。 |
生物都市 | 諸星大二郎 | 1974 | イオからの帰還船は、生き物と機械の融合をもたらした! |
砂漠の幽霊船 | 真城昭 | 1974 | 砂漠に迷い込んだ幽霊船の悲哀。 |
有名 | 星新一 | 1974 | 自分がなぜ有名なのか、自分だけ知らない。 |
決戦・日本シリーズ | かんべむさし | 1974 | 阪急対阪神の大騒動。 |
スフィンクスを殺せ | 田中光二 | 1974 | 謎の疫病発生後の冒険。 |
夜のバス | 石川喬司 | 1974 | 夢の中の古本屋のファンタジー。 |
ミユキちゃん | 亜羅叉の沙 | 1974 | 素人投稿の一発ねた。 |
トリケラトプス | 河野典生 | 1974 | 自分たちだけ恐竜世界が見える父と子。 |
真夜中の戦士 | 永井豪 | 1974 | なぜオレたちは戦わなくてはならないのか。 |
フィックス | 半村良 | 1974 | スパイだったという男の告白。 |
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「SFとは文学の一ジャンルを表現することばではなく、むしろものの見方ではないか」と、この年ぼくは書いたが、まさにこの年、ジャンルとしてのSFは大きく崩壊しはじめた。……現在SFがもてはやされているのはあくまでも中間小説もしくは大衆小説としてであり、その範囲内では……他の中間・大衆小説作家と比べてSF作家だけが新進に到るまでたいへん優遇されているといえる。だが……。(「解説」より)
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 著者 | 発表 | 感想 |
---|---|---|---|
テレビジョン | 秋野鈴虫 | 1975 | くだらないテレビがなぜ人気があるのか。スポンサー、制作者、視聴者の意見。 |
ボール箱 | 半村良 | 1975 | あるボール箱の一生。 |
宗教違反を平気な天国 | 秋竜山 | 1975 | 生きた人間を受け付けない天国のナンセンス・ギャグ。 |
重要な部分 | 星新一 | 1975 | 日本の運命をにぎるツボは君だ。 |
藤野君のこと | 阿部公房 | 1975 | エッセイだか創作だかわからない変な作品。 |
サイコロ特攻隊 | かんべむさし | 1975 | カミカゼは効率の良い戦争の手段だ。 |
折紙宇宙船の伝説 | 矢野徹 | 1975 | 村の慰みものの白痴女の正体は? |
メタモルフォセス群島 | 筒井康隆 | 1975 | 突然変異のジャングルを探検する科学者たち。 |
襲撃のメロディ | 山田正紀 | 1975 | 巨大管理コンピュータと反乱グループ。 |
小説でてくたあ | 石川喬司 | 1975 | 日本SF史の紹介。 |
暗黒星団 | 堀晃 | 1975 | 物質と反物質で世代交替する生物。 |
ヴォミーサ | 小松左京 | 1975 | ロボット工学三原則を裏返すと…。 |
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