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泡坂妻夫

泡坂妻夫 ★★★★★

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泡坂妻夫(あわさか・つまお)
1933年東京・神田鍛冶町生まれ。都立九段高校卒業後、家業の紋章上絵師の仕事につくが、マジシャンとしても活躍。76年、処女作「DL2号機事件」が幻影城新人賞佳作。18年に『乱れからくり』で日本推理作家協会賞、90年に『蔭桔梗』で直木賞を受賞する。

太字作品や★★★★★が特におすすめです。

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奇術ショウの仕掛けから出てくるはずの女性が姿を消し、マンションの自室で撲殺死体となって発見される。しかも死体の周囲には、奇術小説集『11枚のとらんぷ』で使われている小道具が、壊されて散乱していた。この本の著者鹿川は、自著を手掛かりにして真相を追うが……奇術師としても高名な著者が、華麗なる手捌きのトリックで観客=読者を魅了する泡坂ミステリの長編第1弾!

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
11枚のとらんぷ1976最初の長編はやはり、著者の得意分野の奇術だ。構成も下手なようで、じつは巧みに繋がっている。

泡坂妻夫 乱れからくり ★★★★★

著者:    泡坂妻夫
       あわさか・つまお
発表:    1977年
発行所:   創元推理文庫
カバーアート:渡辺東
価格:    600円

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玩具会社の部長馬割朋浩は降ってきた隕石に当たり命を落としてしまう。その葬儀も終わらぬうちに彼の幼児が誤って睡眠薬を飲んで死亡する。さらに死に神に魅入られたように馬割家の人々に連続する不可解な死。一族の秘められた謎とねじ屋敷と呼ばれる同家の庭に造られた巨大迷路に隠された秘密を巡って、男まさりの女流探偵と新米助手の捜査が始まる。日本推理作家協会賞受賞作。

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
乱れからくり1977社長が隕石で死ぬのは問題ではない。女探偵も魅力的。

泡坂妻夫 湖底のまつり

著者:    泡坂妻夫
       あわさか・つまお
発表:    1978年
発行所:   創元推理文庫
カバーアート:渡辺東
価格:    480円

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傷ついた心を癒す旅に出た香島紀子は、山間の村で急に増水した川に流されてしまう。ロープを投げ、救いあげてくれた埴田晃二という青年とその夜結ばれるが、翌朝晃二の姿は消えていた。村祭で賑わう神社で、紀子は晃二がひと月前に殺されたと知らされる。では昨日、晃二と名乗っていた人物はだれか?読む者に強烈な眩暈感を与えずにはおかない泡坂妻夫の華麗な騙し絵の世界。

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
湖底のまつり1978奇術のように、読者をだましにかかってくる記述。

泡坂妻夫 花嫁のさけび

著者:    泡坂妻夫
発表:    1980年
発行所:   ハルキ文庫
カバーアート:泡坂妻夫
価格:    840円

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「わたし、本当に今幸せなのよ。これ以上、何もいらないの。早馬(はやま)さんだけがいればいいの」——映画スター・北岡早馬との結婚で伊津子は幸せの絶頂にあった。しかし彼女を迎え入れた北岡家の人々は皆、早馬の先妻・貴緒のことが忘れられぬ様子であり、最愛の夫もその例外ではなかったのだ。謎の自殺を遂げたという貴緒の面影が色濃く残る邸で、やがて悲劇の幕が切って落とされる……。技巧の限りを尽くした本格ミステリー。

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
花嫁のさけび1980ぼけっとしていると気づかない細かい伏線は散らばれているが、ラストの大ドンデン返しには、あっと驚く。密度的には二時間ドラマ程度か。

泡坂妻夫 迷蝶の島

著者:    泡坂妻夫
       あわさか・つまお
発表:    1980年
発行所:   文春文庫
カバーアート:安彦勝博
価格:    360円

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思わぬゆき違いから結びついて、たがいに激しく憎悪しあうようになった男女が、太平洋にただよう小さなヨットの中で、殺意をむき出しにして対決した。………そして絶海の孤島の松の木に吊された死体が一つ。二人の間にいったい何が起きたのか?極限の状況で巧妙に仕組まれたトリックの謎。異色ミステリー。解説・山前譲

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
迷蝶の島1980著者の奇術師とは違う一面を見せる、サスペンスあふれる作品。

泡坂妻夫 喜劇悲奇劇

著者:    泡坂妻夫
       あわさか・つまお
発表:    1982年
発行所:   ハルキ文庫
カバーアート:泡坂妻夫
価格:    940円

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落ちぶれた奇術師・楓七郎は、かつての仲間から仕事の依頼を受けた。ショウボート・ウコン号でのバラエティショウ出演―早速、船へと赴いた彼を待っていたのは、何とも奇妙な連続殺人だった。被害者たちはみな、上から読んでも下から読んでも同じに読める”回文名を持つ者ばかりのこの事件に隠された真相とは? 構成から展開まで、凝りに凝った趣向で彩られた、異色のミステリー長篇。(解説・山前譲)

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
喜劇悲奇劇1982タイトルの「きげきひきげき」のように、様々な回文が楽しめる趣向。

泡坂妻夫 花火と銃声

著者:    泡坂妻夫
発表:    1983年 ~ 1988年
発行所:   講談社文庫
カバーアート:高井研一郎
価格:    480円

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奇術とミステリーのみごとなドッキング! これは、推理作家にして秀れたアマチュア・マジシャンでもある著者にして初めて可能な技である。探偵役として登場するは、美貌の奇術師・曽我佳城。魔術の舞台さながらに次々に発生す摩訶不思議な難事件を、鮮やかに解決する、異色の傑作推理短編集。

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
石になった人形1983毒殺された女腹話術師の人形が無くなっている。
七羽の銀鳩1984鼠が急に静かになったのには理由がある。
剣の舞1984危ないマジックは子供が真似しちゃだめ。
虚像実像1985舞台の上に、隠れる場所は意外にある。
花火と銃声1986壁のカレンダーを持ち去ったのはなぜか。
ジグザグ1986なぜ、首ではなく、被害者の胴体を隠すのか。
だるまさんがころした1988イタリアの奇術道具の名人が作った、夢のエキスプレスとは一体どんなマジックなのか?

泡坂妻夫 奇跡の男

著者:    泡坂妻夫
発表:    1986年 ~ 1987年
発行所:   光文社文庫
カバーアート:安里美晴
価格:    427円

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六十人を越す死者が出たバスの転落事故で、たった一人生き残った男…宝くじを買えば、その賞金の十倍という袋くじの特賞に当たる。果たして、この世の中にそんな男が存在するのか? 写真週刊誌の記者・白岩百合子は、彼に興味を持ち、追跡を開始するが…(表題作) 小気味よい推理短編の醍醐味!

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
奇跡の男1986ツキまくっている現象をを見れば、皆がもう納得する。
狐の香典1986金もなく、病気が心配でも、老後が安心して暮らせる場所がある。
密会の岩1986犯人の”白い”水着には、血痕が残っているはずだ。
ナチ式健脳法1987後ろ向きにテレビを見て、脳を鍛える?
妖異蛸男1987浴室から出られないのであれば、浴槽にいることになる。

泡坂妻夫 しあわせの書 ★★★★★

著者:    泡坂妻夫
       あわさか・つまお
発表:    1987年
発行所:   新潮文庫
カバーアート:辰巳四郎
価格:    360円

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二代目教祖の継承問題で揺れる巨大な宗教団体‵‵惟霊講会。超能力を見込まれて信者の失踪事件を追うヨギガンジーは、布教のための小冊子「しあわせの書」に出会った。41字詰15行組みの何の変哲もない文庫サイズのその本には、実はある者の怪しげな企みが隠されていたのだ―。マジシャンでもある著者が、この文庫本で試みた驚くべき企てを、どうか未読の方には明かさないでください。

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
しあわせの書1987この凄すぎる仕掛けは、ぜひ自分で本を手に取って確認してください。

泡坂妻夫 生者と死者 ★★★★★

著者:    泡坂妻夫
       あわさか・つまお
発表:    1994年
発行所:   新潮文庫
カバーアート:新潮社装幀室
価格:    440円

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この本は絶対に立ち読みできません。はじめに袋とじのまま、短編小説の「消える短編小説」をお読みください。そのあと各ページを切り開くと、驚くべきことが起こります。そして謎の超能力者と怪しい奇術師、次次にトリックを見破るヨギガンジーが入り乱れる長編ミステリー「生者と死者」が姿を現すのです。史上初、前代未聞驚愕の仕掛け本です。読み方にご注意してお楽しみください。

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
生者と死者1994これまた、凝りに凝った実に素晴らしい仕掛け。ぜひ自分で手に取って確認してください。

泡坂妻夫 恋路吟行

著者:    泡坂妻夫
発表:    1988年 ~ 1993年
発行所:   集英社文庫
カバーアート:小泉孝司
価格:    600円

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不倫に傾く心、夫婦の間で複雑に絡む殺意……情念と事件が、能登を巡る2泊3日の俳句の旅に収斂する「恋路吟行」。安政の大地震以後、ある男のために数奇な運命の転変を味わった女が、大正の大震災の最中に初めて気づいたことは……「るいの恋人」。縫紋屋の男が恋い慕った母と継母の秘密を、戦中戦後の混乱した世相を絡めて描く「子持菱」。恋、そして人生の深淵を覗かせるミステリー傑作集。

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
黒の通信1991霊界からの通信マジックの若者と助手の恋。
仮面の恋1992伯爵はポーカーに負けた形として妻を将校に一晩自由にさせた。しかし仮面をはずじてはいけない。その仮面の裏では…。
怪しい乗客簿1988人目を避ける旅客機の妙な客の正体。
火遊び1989義姉から不倫した義弟へのメッセージはマッチ。
恋路吟行1993句会の旅で起きた殺人事件。
藤棚1991妻の不倫の相手の足跡はしつけが良かった。
勿忘草1990施錠した自転車を盗むには。
るいの恋人1992安政の大地震から関東大震災まで経験して、74歳で出産した女の人生。
雪帽子1993急に故郷の東北へ帰ろうと言い出した夫の秘密。
子持菱1993ある縫紋屋の一生。

泡坂妻夫 毒薬の輪舞

著者:    泡坂妻夫
発表:    1990年
発行所:   講談社文庫
カバーアート:レオ澤鬼
価格:    520円

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青銅色の鐘楼を屋根にいただく精神病院に続発する奇怪な毒殺事件。自称億万長者、拒食症の少女、休日神経症のサラリーマン…はたして殺人鬼は誰か?患者なのか、それとも医師なのか?病人を装って、姿なき犯人の行方を追う警視庁の名物刑事・海方の活躍。全編、毒楽の謎に彩られた蠱惑的ミステリー空間!

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
毒薬の輪舞1990意味ありげの異常な人達で一杯の精神病院で、聞いたことがない学名が多数の、連続毒殺事件。ユーモア形式に乗れるかどうかが、愉しみの分かれ目。

泡坂妻夫 写楽百面相

著者:    泡坂妻夫
発表:    1993年
発行所:   新潮文庫
カバーアート:山下勇三、泡坂妻夫
価格:    520円

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江戸の本屋の若旦那二三(にさ)は、馴染みの芸者の部屋でこれまで見たこともないほど衝撃的な役者絵を目にした。一体誰が描いたのか……。いくつもの顔を持つ浮世絵師の正体を追って、二三は事件の渦に巻込まれていく。寛政の改革の真っ只中、上方と江戸を結ぶ大事件を軸にして、浮世絵、芝居、黄表紙、川柳、相撲、手妻にからくりなど江戸の文化と粋を描き、写楽の正体の謎解きに迫った力作。

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
写楽百面相1993写楽の正体としては、新しい説ではないようだ。むしろ北斎がエキセントリックでおもしろい。江戸風俗の描写はさすが。得意の手品も出てくる。

泡坂妻夫 夢の密室

著者:    泡坂妻夫
発表:    1993年
発行所:   光文社文庫
カバーアート:レオ澤鬼
価格:    514円

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来条美箱は、就寝前に“カヴァハイという飲み物を飲んで不思議な夢をみた。ホテルの一室での密室殺人。しかも容疑者は、別れた夫・靖彦だった。彼の虚言癖が原因で別れたのだが、なぜか憎めない。靖彦が助けを求めてのテレパシーではないか、と感じた美箱は、謎解きを開始するが……。(表題作) 鬼才が放つ、奇妙で不思議なファンタジック・ミステリー。

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
石の棺不明奇術だけでなく、サーカスの芸にも詳しい。
蛇の棲処不明珍しい、蛇の一人二役。
凶漢消失不明いかにも本物らしい、昔の仙術の書物。古文の知識がないと、解決編がわからない。
トリュフとトナカイ不明一両だけ貨車が消失した謎。
ダッキーニ抄不明魔術を極めた者が到達した世界。
夢の密室不明非常に現代的な密室の作り方は、往年のミステリ・ファンは見過ごしてしまうかも。

泡坂妻夫 泡坂妻夫の怖い話

著者:    泡坂妻夫
発表:    1995年
発行所:   新潮文庫
カバーアート:山田博之
価格:    476円

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夫の態度が急に変わったのは浮気、それとも? 美人女優とキスした夢から喜んで目覚めると…! 終電間際の駅で連続して死傷事故が起きた理由は? 添加物に汚染されていない究極の自然食品を探したら……。ドキドキするような艶っぽい話から、ゾッとするような日常の恐怖まで、それぞれ鮮やかな手品のようにトリックを効かせたショート・ショート集。一日一話で一ヵ月を愉しむ全31篇。

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
不明そして三人とも死んでしまった。
ハートのQ不明当然、奇術師はカードゲームでイカサマができると思われる。
解坂中腹不明偶然が視覚を狂わせ、事故を起こさせる坂。
ミュージシャン不明鳴らなくなった、偽物オルゴール。
階段不明階段で転落事故を起こさせる方法。
ねずみ穴不明ねずみが平気な、図太い妻。
雨の銀座不明土地が高く売れて始めた商売でも、上手くいくわけがない。
大仕事不明殺人の下請けの下請けの下請け?
固い種子不明植物が異変を感じて、固い種子を作り出す。
虫の知らせ不明ひどい寒気を感じると、悪いことが起きる。
影人形不明本物と入れ替わりたい、身代わり人形。
烏が不明賢い烏は、罠の仕返しを考えた。
実用の品不明意外と使える、「ダブルナイフ」
お助けおばさん不明上手い具合に使われる、職人の妻。
悪夢不明どうしても別荘に行きたい彼女の夢。
唇紅不明二色の口紅が付いている吸い殻の秘密。
大欲は無欲不明大欲は無欲に似たり、誠実の応報は、その中にあり。
排水口など不明排水口が異常にピカピカな秘密。
御徒町不明カードの生命は、材質と裁断。
黙礼不明全員黙祷の写真を撮るコツ。
自然食不明自然食にこだわる人間も、良い食材だ。
わんわん烏不明はじめに覚えこんだものは、矯正できない。
分身不明実際は、怖いというより美しいそうだ。
牡丹記不明中国の古典にありそうな甘美なホラー。
永日不明夢の中で助けを求めてくるのは誰?
不明本物そっくりの仮面を作る、悪魔のような販売員。
女護の島不明平和だった女だけの島は、一人のドンファンによって崩壊する。
妻恋おきみ不明刺青の女が夜な夜な逢瀬に出かけていく。
キジマくんの話不明ちょっと変わった不幸の手紙。
吉田御殿不明この世のものではないものと交わることを「鬼交」という。
妖香不明夢で恋人と尼僧が発していた、甘い香り。

泡坂妻夫 砂時計

著者:    泡坂妻夫
発表:    1996年
発行所:   光文社文庫
カバーアート:泡坂妻夫
価格:    514円

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親友に“離婚した女と一緒になってくれと頼まれたら……? 二見幸夫は、能勢陶吉の頼みを断われず、彼の元妻波妙と奇妙な同居生活を始める。半月後、能勢は殺人容疑で逮捕された。波妙は「計画的犯行だった」と二見に告白。親友の確信犯的殺人の背後には何が……!?(表題作) 紋章上絵師、仕立職人、奇術師等——奇才が仕掛けた綺羅星の如きトリック。哀歓漂う傑作選。

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
女紋不明お嫁さんが持ってきた実家の紋に、姑がいちゃもんをつける。ミステリではない。
不明長年、硯を擦っていれらば、跡が残る。
色合わせ不明いっそ「悪い女」として追放されたほうがマシ。
埋み火不明消えずに残る火のような、老いらくの不倫。
三つ追い松葉不明抜くのがもったいないほどの美しい紋。業界の話が多い。
静かな男不明別を罰を受ければ、本来の罪は許されるのか。
六代目のねえさん不明手拭いから始まる構想は、創作だかエッセイだかわからない。
真紅のボウル不明大奇術師でも、死の間際は満足していない。
砂時計不明砂時計に最後の手段の秘密が。熟年が好みそうな恋物語。
鶴の三変不明いつまでも若さを保つ、恐ろしい秘密。

泡坂妻夫 鬼子母像

著者:    泡坂妻夫
発表:    1998年
発行所:   光文社文庫
カバーアート:泡坂妻夫
価格:    533円

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離婚経験のあるタウン誌編集長の奥山美知子は、十五歳下のアルバイト西木総一と愛人関係にある。ある日、二人は取材で訪れた寺の住職から、子を思う鬼子母神の由来を聞く。事故で母親を亡くしたばかりの総一は、いつしか美知子の中に母の面影を求めるが……。(表題作) 恐怖、官能、怪奇······奇才が誘う妖しき世界。多彩な仕掛けのびっくり箱! (全十二編)

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
鬼子母像不明サンマばかり食べていると、サンマに似てくる。ミステリでなない。
弟の首不明双子の首のなれの果ての、恐ろしい筋腫。
鳴き砂不明これまた不倫を美しく描く。熟年用。
ライオン不明猛獣を舞台で使ってはいけません。
他化自在天不明経で、女にエクスタシーを与えることができるのか。
指輪の首飾り不明結婚指輪のコレクターとは珍しい。
竹夫人不明夏に抱いて寝ると涼しい竹製の籠。
三郎菱不明紋様が導く、過去との再会。これまた中年用。
ジャガイモとストロー不明空気が通らなければ、ストローを強化することができる。
色縫い不明お母さんは、途中の着物が気がかりで、夜に帰って来た。
幕を下ろして不明禁が強いほど、試してみたくなるのが人情。
連理不明昔話のような、支え合う二本の松の所以。

泡坂妻夫 奇術探偵 曾我佳城全集 秘の巻

著者:    泡坂妻夫
発表:    1980年 ~ 1992年
発行所:   講談社文庫
カバーアート:泡坂妻夫
価格:    733円

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曾我佳城。若くして引退した美貌の奇術師。華麗なる舞台は今も奇術ファンの語り草である。もう一つの貌は名探偵。弾丸受止め術が自慢の奇術師がパートナを撃ち殺してしまった。舞台に注目する観客の前で弾や銃を掏り替えた者は誰か。佳城は真相を見抜けるか? など究極の奇術トリック満載の《秘の巻〉。

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
空中朝顔1980空中に咲く不思議な朝顔。
花火と銃声1986壁のカレンダーを持ち去ったのはなぜか。
消える銃弾1982バンドマンは観客の見ているものが見られない。
バースデイロープ1981二つのロープを瞬時に繋ぐ方法。
ジグザグ1986なぜ、首ではなく、被害者の胴体を隠すのか。
カップと玉1983定番の奇術道具で暗号。さらに暗号に次ぐ暗号。
ビルチューブ1982鉄分が含有されていようとも、紙幣は磁石に着かない。
七羽の銀鳩1984鼠が急に静かになったのには理由がある。
剣の舞1984危ないマジックは子供が真似しちゃだめ。
虚像実像1985舞台の上に、隠れる場所は意外にある。
真珠夫人1992税関では、どんな有名人でも顔パスはできない。

泡坂妻夫 奇術探偵 曾我佳城全集 戯の巻 ★★★★★

著者:    泡坂妻夫
発表:    1980年 ~ 2000年
発行所:   講談社文庫
カバーアート:泡坂妻夫
価格:    752円

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泡坂妻夫。奇術師にして紋章上絵師そして推理作家。三つの貌を持つ作者だからこそできた奇術ミステリの金字塔。奇術を愛する曾我佳城の夢は、古今東西の奇術道具を揃えたマジシャン達の集う殿堂づくり。魔術城落成の大舞台に佳城は、前代未聞の大トリックを仕掛けてい! その正体が明かされる《戯の巻》。

帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル     発表 感想
ミダス王の奇跡1990銀を金に変える、奇跡の指。
天井のとらんぷ1980カードの中の一枚に、わかる仕組みを作るのは意外に単純。
石になった人形1983毒殺された女腹話術師の人形が無くなっている。
白いハンカチーフ1981少女歌劇団の集団食中毒事件を、TV出演中に、あっという間に解決。
浮気な鍵1991鍵トリックを応用して細工すれば、複数のドアが開く。
シンブルの味1980奇術師で成功するには、奇術が好きなだけではダメ。
とらんぷの歌1993映像記憶で全てのカードを覚えれば、どれでも当たる。
だるまさんがころした1988イタリアの奇術道具の名人が作った、夢のエキスプレスとは一体どんなマジックなのか?
百魔術2000百物語ならぬ、百の奇術を催す会。古い魔術がいろいろ。
おしゃべり鏡2000鏡に映して盗み見るというのも、ありがち。
魔術城落成2000本場ラスベガスのショウは、客が想像するよりもはるかに厳しい。佳城というのは墓場の意味。堂々の完結。

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