スケールの大きい語り口で、かつ壮大なのに科学的にリアルな話だ。下調べは十分だが、それがハードSFとまでは至ってないのが惜しい。
太字作品や★★★★★が特におすすめです。
小松左京 一宇宙人のみた太平洋戦争
宣伝文句
短躯・短小・短足・短所・短命・短気・短見・短才、かくかくしかじかこの通り短のつくのにろくなのない。だが例外はショート・ショート。才気煥発才能無尽博覧強記のSF鬼才が、着想豊か軽妙にひねりをきかせて書上げた短い短い16篇。他に、宇宙人による日本歴史上の大事件観戦記など、単行本・文庫未収録作品中心の傑作集。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
衝突 | 1962 | タイムマシンが失敗したのは? |
予夢 | 1962 | 核戦争の夢をみたこども。 |
何でも見てやろう | 1962 | 最後まで生き残った男が最後に見たものは? |
<<無題>> | 1963 | 監視用超小型リモコンビデオカメラと、その対策。 |
遺跡 | 1963 | 大阪城の真田の抜け穴のつかいみち。 |
よびかける石 | 1964 | 石の中には救助を求める宇宙人の通信機が入っていたが…。 |
役に立つハエ | 1965 | ゴミを食うハエで、世界中がきれいになるはずだったのに…。 |
もったいない | 1965 | 湯水のように電気が使える社会。 |
星からのお礼 | 1966 | 巨大な宇宙人の巨大なお礼。 |
高みに挑む | 不明 | 超高空世界に挑む生物たち。 |
海底のおばけ | 1966 | 海にいたへんなお化けのような宇宙人とは? |
アリ | 1966 | 虫を調教するミニ宇宙人。 |
まいご | 1966 | 森の中でみしらぬ女の子についていったら…。 |
星の王子さま | 1968 | 宇宙人の王子と間違えられて連れ去られた男。 |
一日一屁 | 1967 | 屁ネタ集。 |
もみじ | 1964 | 美しい女性の頬に紅葉が。 |
正午にいっせいに | 1964 | いつまでたっても正午にならない世界。 |
船と機雷 | 1970 | 耐震都市の盲点。 |
ムス・ムス星雲系生物の地球通信 江戸開城宇宙人観戦記 | 1967 | 日本の誕生から明治維新まで、戦争下手の負け上手の文化。 |
ムス・ムス星雲系生物の地球通信 一宇宙人のみた太平洋戦争 | 1969 | 全世界の歴史と、大戦争の意味。 |
宣伝文句
人類に明日はあるか……。BC(生物化学)兵器として開発された新種の細菌、それは、ちょっとした偶発事故からでも、人類を死の淵に陥れる。
帯、カバー、裏表紙等から引用
——吹雪の大アルプスで小型機が墜落、黒こげの乗員と部品や胴体の破片が発見された。この機には、秘密裏に開発された猛毒性を持つMM菌のカプセルを搭載していた。わずか摂氏5度でも気ちがいじみた増殖をはじめ、ハツカネズミが感染後5時間で98パーセント死滅! MM菌の実験データは冷酷に告げている。
春になり雪どけがはじまると、奇妙な死亡事故が報告されはじめた……。
人類滅亡の日も刻一刻と近づく。著者最高のSF長編小説。
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
復活の日 | 1964 | 大絶滅の過程が冷静に語られる。南極にとり残された科学者・技術者たちの叡知で、史上最大の危機をのりこえ、人類は復活できるのか? 感動のラスト。 |
宣伝文句
——巨大な剣竜や爬虫類がいた六千万年も前の中世代の岩層から、奇妙な砂時計が発見された。その砂は、いくらおちてもへらず、いくらうけてもふえない。上から下へ間断なく砂がこぼれおちていた。常識では考えられない超科学的現象! 四次元の不思議な世界を造りだしていたのだ。
帯、カバー、裏表紙等から引用
さらに不可解な事件が起こった。この出土品の発見場所・K市の古墳へ出向いた関係者が、つぎつぎに行方不明、変死を遂げてしまったのだ……。
迫力にみちたサスペンス、著者のSF長編小説の最高傑作。
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
果しなき流れの果に | 1966 | 時空間を越えての、追う者と追われる者の活劇。気負いこんでるわりには、ちょっと空振りか。 |
宣伝文句
「先生、見て下さい!」と言って人気女優田井チリ子は前髪をかき上げた。——その額にある大きな眼が医師の顔をにらみつけた時、医師は真青になって、のけぞった。眼はたちまちのうちに、地球上のありとあらゆるものを蔽い、地上を這い、水中を泳いだ。人々は耐えきれず狂い、破滅していった。
帯、カバー、裏表紙等から引用
——他に初期傑作短編11篇を収む。
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
ウインク | 1967 | いたるところで目が生えてきてパニック。 |
イワンの馬鹿作戦 | 不明 | どんどんマスコミの白痴化が進行して無血革命。 |
おえらびください | 不明 | 未来を選択できる小屋。 |
手おくれ | 不明 | 強力は宇宙の破壊者の前では、人類の進化は間に合わなかった。 |
TDSとSDの不吉な夜 | 不明 | 車が人類より進化した世界。 |
おちてきた男 | 不明 | 地球に送られるのは、一種の流刑。 |
地球になった男 | 不明 | 何にでも変身できる男が最後になったもの。 |
時魔神 | 不明 | どんどん忙しくなって、誰もが時間がない。 |
日本漂流 | 不明 | 突如泳ぎだした日本列島。 |
彼方へ | 不明 | 宇宙の奔流は巨大な射精だった。 |
*◎〜▲は殺しの番号 | 不明 | 地球の代表にたのまれて、人々をさりげなく殺しまくる宇宙人。 |
ヤクトピア | 不明 | 皆が薬中毒でないとやってられない未来社会。 |
宣伝文句
みんなをアッといわせるものをつくらなきゃ! 今や世の中は総模型づくりの時代だった。ぼくは顕微鏡をのぞきながら、長さ0.5ミリのロールスロイスの精密モデルをつくるのが生きがいだった。だが、上には上がいるものだ。戦艦大和の原寸大モデルをつくったやつがいた! しかも、これがほんものそっくりに動くのだ。
帯、カバー、裏表紙等から引用
みんなが道楽でつくった模型が、それぞれ「実用性」を持ちはじめて途方もないことに……。表題作「模型の時代」ほか奇想天外傑作SF11篇。
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
模型の時代 | 1968 | 模型作りの流行で、何が本物かわからない。 |
運命劇場 | 不明 | 平凡なサラリーマンの人生が放送されていた。 |
子供たちの旅 | 不明 | 納戸の奥が大宇宙に通じているが、現実なのはこちらの世界か、あちらの世界か? |
くだんのはは | 不明 | 牛の頭をした化け物は未来を予知することができる。 |
幽霊時代 | 不明 | エクトプラズム採集器が爆発して、幽霊たちが世界にあふれてきた。 |
完全犯罪 | 不明 | 観賞用に地球を宇宙人に売り飛ばした男。 |
夢からの脱走 | 1976 | 平凡な生活と戦場の世界。どちらが夢で、どちらが現実か。 |
なまぬるい国へやって来たスパイ | 不明 | A国の全国民がZ国のスパイで、逆も同じ。 |
SEXPO’69 | 不明 | EXPO’70の前に性の祭典。 |
汚れた月 | 不明 | 乞食二人の汚くも自由な生活。 |
交替 | 不明 | どいてくれ、そこはおれの席だ。 |
売主婦禁止法 | 不明 | フリーセックス時代で、一夫一婦制が崩壊。 |
宣伝文句
新聞記者山崎はテレタイプを見て、「中国で何かが起こっている…」とつぶやいた。文革の収拾期、新疆ウイグル自治区にかけられた宇宙人の攻撃は、中米ソに微妙な影響を与え、ついには日本にまで波及した。「明日」も又「今日」と変わらぬと信じている人々に人類は存続しうるかと鋭くせまる問題の書!
帯、カバー、裏表紙等から引用
「日本沈没」と並ぶ注目の名著。
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
見知らぬ明日 | 1969 | 突如はじまり、ゆっくりと山岳地帯から侵攻したきた宇宙人。地求人は、大国連軍としてまとまりつつあるが、この事態を自国の利益に役立てようと暗躍する勢力もある。結論がない、浅いシュミレーション。 |
宣伝文句
K市の新興住宅地・こうじが丘にあるまもるの家では、この三晩、獣がうなるような怪音が地底から響いてきた。学校図書館の古文書にも——四百年以上も前から正確に六十年間隔でこの怪現象が起きている——と記録されていた。そういえば、この丘では、松葉がねじれ曲がっていたり、蟻やこおろぎが無数に死んでいる。しかも、付近で見つけた折れ釘や針金が磁気をおびていた。妙だ、天変地異の前ぶれだろうか?
帯、カバー、裏表紙等から引用
”怪音”に吸い寄せられたかのように、こうじが丘の土中深く引きずりこまれ、謎と危険に満ちた異様な体験をするまもるたち。広い宇宙を”外側”から見つめた、著者最高の宇宙冒険ロマン!
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
青い宇宙の冒険 | 1972 | 少年少女向けの冒険小説。いかにも波乱万丈でハッピーエンディング。 |
宣伝文句
物体が飛んだり、突然、激しい物音がするポルターガイスト(騒霊)現象は、実際に見た者でなければ信じられないだろう。
帯、カバー、裏表紙等から引用
——神経科医で私の友人の田村は、霊媒能力を持っている美しい女性患者に魅入られてしまった。彼女と結婚したいとまで思いつめていたのだが、とうとう、忌まわしい事件が起こった。
「あちら側の住人がしきりに私を呼んでいる……」という彼女を、田村は、幸せのためだといって絞め殺してしまったのだ。
衆人環視の中で、神秘な現象に捉われた男女のあの世とこの世の不思議な交流。表題作ほか、13篇収録した傑作怪奇小説集。
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
霧が晴れた時 | 不明 | 自分達一家を残して、他の皆が消失するマリー・セレスト号事件のような現象。 |
保護鳥 | 不明 | そのヨーロッパの田舎で、ひっそり生息している鳥の正体。 |
安置所の碁打ち | 不明 | 心臓が止まったのに生き続けている老人は、居場所がない。 |
怨霊の国 | 1972 | あちら側と交流できる女性と恋に落ちた青年の顛末。 |
写真の女 | 不明 | 道で出会った女は、四十年前の遊女。 |
女の手 | 不明 | ソープでサービスしていた女が、一物を握り締めたまま死んでしまった! |
失神時代 | 不明 | 快楽のあふれた社会で、セックスしか感じないのは変態夫婦。 |
大混線 | 不明 | 通信回線の故障でデータまで大混乱。 |
笹の花 | 不明 | 異常繁殖した笹に陸地を追われた人々を、次に襲うのはネズミの大群。 |
靴屋の小人 | 不明 | のんきな国で、こっそり暮している日本人の末裔。 |
かつがれ屋 | 不明 | 企業に依頼されて、わざと小さい事故を起こす組織。 |
人の波 | 不明 | 理由もわからずに皆列にならんで大混雑。 |
幸福にも不幸にもならない手紙 | 不明 | 意味のない手紙の流行は、情報化社会のホワイト・ノイズ。 |
知恵の木の実 | 不明 | 人工進化させられた猿たちの社会。 |
宣伝文句
たった一枚の古ぼけた写真が、この大騒動の発端だった。
帯、カバー、裏表紙等から引用
——僕は失業して故郷へ帰っていたが、納戸で見つけた100年前の曾祖父の写真を見て驚いてしまった。こともあろうに、”新幹線”が写っている! これが刺戟になって、僕は、わが家の持ち山の通称”神隠し山”の麓にある洞窟に入ってみた。洞窟のあちら側では、100年前の僕の家で謀議がこらされていた。丁髷(ちょんまげ)を結った侍姿の壮漢たちに見つかったので、あわてて洞窟を抜け、逃げかえったきたが、村じゅう驚天動地の大騒ぎ。早速、新聞社の音頭とりで、学者をまじえた「調査隊」があちら側を調べることになったが……。
奇想鬼才、SF界のリーダーの傑作痛快短編集。表題作ほか11篇収録。
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
三界の首枷 | 不明 | 透視能力を持つ青年と読心能力を持つ令嬢との子供は、スーパー超能力者。 |
紙か髪か | 不明 | ある日突然、もれた微生物で紙がなくなった。 |
痩せがまんの系譜 | 不明 | 古風な女の好みの男性は、江戸時代の志士。 |
ぬすまれた味 | 不明 | 金持ちの老人にだまされて、味覚を奪われた青年の復讐。 |
聖六角女学院の崩壊 | 不明 | 女子校での妊娠騒動。 |
機械の花嫁 | 不明 | 男も女も理想の異性をアンドロイドに求めた宇宙社会。 |
女か怪物か | 不明 | 宇宙での孤独のせいで、幻覚の女性を生み出した宇宙飛行士。 |
ダブル三角 | 不明 | |
カマガサキ2013年 | 不明 | 未来の乞食生活もやっぱり厳しい。 |
SOS印の特製ワイン | 不明 | 故障した宇宙船の積み荷は酒。 |
墓標かえりぬ | 不明 | |
御先祖様万歳 | 1973 | 裏山の洞穴は百年前につながっていた。 |
宣伝文句
戦場と平穏な日常生活——時間的にずれた二つの世界の間にはさまれてしまった男の、重く逃れがたい悪夢のような日々を描いた表題作。地球人のちゃちな争いを、宇宙系諸種族の壮大な諜報合戦と対比させて諷刺する『三本腕の男』。地球に迷い込んだ宇宙人たちの脱出作戦を、奇想天外に展開してみせる『穴』ほか、『召集令状』『愚行の環』『秘密製品』など、SFの秀作12編を収録する。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
召集令状 | 不明 | 若者に妙な赤紙が届いて消えていくのは、ぼけた親父の妄想のせい。 |
ホクサイの世界 | 不明 | 江戸時代に行くはずだったが、間違えたようだ。 |
愚行の環 | 不明 | 若者のところに変な老人が来て結婚するなとアドバイス。 |
海底油田 | 不明 | 油田だと思ったらムウ大陸のエネルギー工場だった。 |
秘密製品 | 不明 | 新製品とはロボット化した社員たちだ。 |
午後のブリッジ | 不明 | 肉が貴重な時代で、膨大な冷凍肉の貯蔵庫が見つかった。 |
おやじ | 不明 | 電子頭脳に教育されて育てられていく、宇宙の少年。 |
交替 | 不明 | どいてくれ、そこはおれの席だ。 |
ごきぶり退治 | 不明 | みながゾロゾロついてくるのは、人間誘因物質のせい。 |
夢からの脱走 | 1976 | 平凡な生活と戦場の世界。どちらが夢で、どちらが現実か。 |
三本腕の男 | 不明 | 超能力で本音を聞き出すことができるスパイ。 |
穴 | 不明 | 次元の穴をさまよう人たち。 |
宣伝文句
ある日突然、日本列島はとほうもなく巨大なドーナツ型の物体によって分断され、全世界から孤立してしまう。首都は物体で押し潰され、物体内にとりのこされた地方は、未曾有の事態にパニックに陥る。物体Oとは何か? 奇抜な発想とリアルな描写で、SFのおもしろさを最高に味あわせてくれる表題作。ほかに『フラフラ国始末記』『ダブル三角』『イッヒッヒ作戦』『骨』など全10編。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
フラフラ国始末記 | 不明 | ボロ客船を独立国にした世界の青年たち。 |
ダブル三角 | 不明 | 女がたくましく、男がめめしい社会での浮気。 |
返還 | 不明 | すべての民族がもといた場所に戻ると……。 |
物体O | 1977 | 突如出現した巨大なリング状の物体で、日本は大混乱。 |
先取りの時代 | 不明 | 週休五日になり、どんどん行事を先に準備する社会。 |
イッヒッヒ作戦 | 不明 | 強国の侵略に、水虫菌、蚤などの生物兵器で対抗する貧乏国。 |
仁科氏の装置 | 不明 | 27年かけて自分専用の葬式機械を開発した男の、意味のない人生。 |
骨 | 不明 | 掘れば掘るほど年代が新しくなっていく不思議。 |
墓標かえりぬ | 不明 | 体の右半分と左半分が異次元に分かれた男。 |
あれ | 不明 | 空になんだかグニャグニャしたものが見える中年男たち。 |
宣伝文句
岩だらけの禿山の頂上に建てられているこのアフドゥーム病院に、奇怪な”憑きもの”を宿した娘が収容されていた。神々しい可憐な顔だちに反して、鋭い牙や頭頂部に円錐形の突起が見える。今は、異臭がたちこめた部屋で安らかに眠っているが、鉄の帯でベッドに縛りつけられている。
帯、カバー、裏表紙等から引用
<何故、この娘は妖しく変貌したのか>
精神分析医(アナライザー)によって、”憑きもの”の謎、原因の追求が始められた。だが…。
この宇宙は、人類の予想どおりに滅びるだろうか。人類の果てしない”旅”をテーマにした傑作本格SF。
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
岬にて | 不明 | 離島に集まって暮している、妙に哲学的な老人たち。 |
ゴルディアスの結び目 | 1977 | 悪霊に取りつかれた少女を診断する青年は、二つの世界の特異点を発見する。 |
すぺるむ・さぴえんすの冒険 —SPERM SAPIENS DUNAMAIの航海とその死— | 不明 | ブラックホールに吸い込まれる地球の宇宙船は、卵子にむらがる精子のようだ。 |
あなろぐ・らう゛ —または、”こすもごにあII”— | 不明 | 宇宙の誕生は、女たちの出産だ。 |
宣伝文句
またあの声が……。夢の中で、きこえてくる、語りかけてくる不気味なあの声。未知なる暗黒の世界から、声だけで人間をあやつる実体不明の存在とは?全人類破滅の危機到来を告げる表題作。魅惑的な星に着陸した巨大宇宙船の乗員が、奇怪な植物に襲われ、やがてその植物に奉仕するように形態がかえられてゆく「適応」など、恐怖と怪奇幻想に満ちた超現実小説九篇。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
夜の声 | 1978 | 人間の意識に生きる生物(?)。 |
廃虚の彼方 | 不明 | 空襲後の廃虚のトンネルが、別次元の廃虚につながっている。 |
墓場での会合 | 不明 | ぼろぼろの幽霊たちの正体とは…。 |
腐食 | 不明 | 出張している間に、女房が浮気している!? |
わびしい時は立体テレビ | 不明 | 仮想世界の住人たち。 |
哲学者の小径 | 不明 | 学生時代の自分と再会した男たち。 |
適応 | 不明 | 巨大な花に捕獲され、花粉を運ぶはめになった探検隊員たち。 |
火星の金 | 不明 | 火星人の食糧と通貨。 |
女狐 | 不明 | 狐が女に化けて、人間と交わる伝説。 |
宣伝文句
時は22世紀、木星太陽化計画の調査主任本田英二は、宇宙考古学者バーナード博士とパイロットのホジャ・キンの来訪をうけていた。博士は、1カ月前、火星で発見された巨鳥のナスカ絵が宇宙人のメッセージであるといって英二を驚かせ、またホジャ・キンは冥王星軌道外からやって来る彗星の数がここ数年激減している理由探査のため、2年余りの長旅に出かけるのだといった。——これが彼らの最後の出会いだった。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
さよならジュピター 上 | 1982 | もともと、あの映画のシナリオを小説したもので、ディテールに凝っている分、山場が見えにくく、わかりずらい。せっかくの壮大なスケールの物語がもったいない。 |
宣伝文句
木星太陽化計画の停滞にいらだつ本田英二は、緊急命令で月のH.G.ウェルズ重力研究所へ向かうが、そこで彼が目撃したものは何か? VIPらしい人物のあいだで不吉に交されている地求人脱出計画とは?
帯、カバー、裏表紙等から引用
呆然とする英二の前でウェッブ総裁はレポートを読む。——「コースはピン・ポイント・クラッシュ。太陽との衝突まであと1万8000時間。約2年」。太陽系50億年、最大の危機に、人類の英知はどう立ち向かうのか?
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
さよならジュピター 下 | 1982 | 結局、大赤班の中の宇宙船や、謎のメッセージの詳細が明らかにされないのは不満。英二とマリアのロマンスもありきたり。やはり映画としてみるべきで、東宝をつぶすくらいの予算をかけて、再映画化してもらいたいものだ。努力賞。 |
宣伝文句
S重工企画総務課長・朝倉達也は、役員会議へ新企画報告のため、名古屋を発ち東京へ向かった。が、途中で新幹線がストップ、首都圏に大異変が起こったことを知る。都心を中心に半径三十キロ、高さ千メートルの正体不明な巨大な雲に覆われ、交通通信電波は遮断、死者も出たのだ。家族は友人は無事だろうか? この”封鎖”は一時的現象なのか? 国家中枢を失った日本の将来は……? 日本SF大賞受賞のパニック巨篇。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
首都消失 上 | 1983 | ある日突然東京がなくなったら、を政治・経済・軍事・科学・社会面からシミュレートする、骨太の作品。著者はまだ、科学および科学者の善意に信頼をおいているようだ。 |
宣伝文句
“首都消失”が長期化するにつれて、”雲”を軍事的に利用しようとするアメリカ、北方海域に大艦隊を送り込んできたソ連など外国の干渉の強まった。”雲”の外に残された政財官界人、学者、マスコミ人、帰国した外交官らによって臨時政府樹立の方針が策定され、全国知事会議の実力者、小室兵庫県知事は名古屋を暫定首都と定め、ニューメディアを駆使して事態の対処を開始した……。話題の近未来パニック完結篇。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
首都消失 下 | 1983 | 当時流行りのニューメディア万歳の感じが懐かしい。結局、”雲”とはなんだったのか。中の様子も見たかったのに。 |
コメント