筒井康隆(ツツイヤスタカ)
1934(昭和9)年、大阪市生れ。同志社大学卒。’60年、弟3人とSF同人誌「NULL」を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が「宝石」に転載される。’65年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。’81年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、’87年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、’89(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、’92年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。’97年、パゾリーニ賞受賞。’96年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。
初期は当時の世相を反映してか、ドタバタ・ギャグが多い。そのため当時はあんなに面白かったのに、現在ではどうも白けてノれない。後年は次第に皮肉っぽくなったり、けっこう真面目になったりした。
キーワード:
ドタバタ ナンセンス・ギャグ スラップスティック 読むマンガ
太字作品や★★★★★が特におすすめです。
- 筒井康隆 東海道戦争
- 筒井康隆 時をかける少女 ★★★★★
- 筒井康隆 ベトナム観光公社
- 筒井康隆 にぎやかな未来
- 筒井康隆 幻想の未来
- 筒井康隆 アルファルファ作戦
- 筒井康隆 アフリカの爆弾
- 筒井康隆 わが良き狼
- 筒井康隆 ホンキイ・トンク
- 筒井康隆 筒井順慶
- 筒井康隆 革命のふたつの夜
- 筒井康隆 馬は土曜に蒼ざめる
- 筒井康隆 欠陥大百科
- 筒井康隆 国境線は遠かった
- 筒井康隆 脱走と追跡のサンバ
- 筒井康隆 日本列島七曲り
- 筒井康隆 おれに関する噂
- 筒井康隆 狂気の沙汰も金次第
- 筒井康隆 メタモルフォセス群島
- 筒井康隆 ウィークエンド・シャッフル
- 筒井康隆 心狸学・社怪学
- 筒井康隆 やつあたり文化論
- 筒井康隆 笑うな ★★★★★
- 筒井康隆 家族八景
- 筒井康隆 あるいは酒でいっぱいの海 初期ショートショート
- 筒井康隆 農協 月へ行く
- 筒井康隆 男たちのかいた絵
- 筒井康隆 ロートレック荘事件
- 筒井康隆 文学部唯野教授の女性問答
- 筒井康隆 パプリカ
- 筒井康隆 邪眼鳥
筒井康隆 東海道戦争
著者: 筒井康隆
発表: 1965年 ~
発行所: ハヤカワ文庫
カバーアート:真鍋博
価格: 320円
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
東海道戦争 | 1965 | 突如勃発した東京と大阪のあいだの戦争に巻き込まれた作家。 |
いじめないで | 不明 | 最終戦争に生き残った男と、電子頭脳。 |
しゃっくり | 不明 | 交差点で、果てしなく同じ時間帯を繰り返す人たち。 |
群猫 | 不明 | 下水道の中の怪物たちの死闘。 |
チューリップ・チューリップ | 不明 | ショートしたタイムマシンで、おれが増殖する! |
うるさがた | 不明 | 辺境の観測地の孤独な隊員と、ロボットの疎通しない会話。 |
お紺昇天 | 不明 | 人間の女以上のパートナーとなった愛車が、廃車されることになった。 |
やぶれかぶれのオロ氏 | 不明 | 平和のためには戦争もやむを得ない総裁。 |
堕地獄仏法 | 不明 | 宗教政党が天下を取った社会の恐怖。 |
筒井康隆 時をかける少女 ★★★★★
著者: 筒井康隆
つつい・やすたか
発表: 1967年
発行所: 角川文庫
価格: 416円
宣伝文句
内容紹介(「BOOK」データベースより)
帯、カバー、裏表紙等から引用
だれもいないはずの理科実験室でガラスの割れる音がした。壊れた試験管の液体からただようあまい香り。それを嗅いだとき、和子は意識を失い、床にたおれてしまった。そして、時間と記憶をめぐる奇妙な事件がつぎつぎに起こりはじめた。時をこえて読みつがれる永遠のベストセラー「時をかける少女」他、短編「時の女神」「姉弟」「きつね」を収録。小学上級から。
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
時をかける少女 | 1967 | ラベンダーの香りでタイム・スリップするという、何度もドラマや映画化された、ジュブナイルSFの傑作。 |
筒井康隆 ベトナム観光公社
著者: 筒井康隆
発表: 1967年 ~
発行所: ハヤカワ文庫
カバーアート:畑照雄
価格: 300円
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
火星のツァラトゥストラ | 不明 | 突然のニーチェ・ブームで、間違えられてスターになった男。 |
トラブル | 不明 | 公園に佇む人たちと見えない侵略者。 |
最高級有機質肥料 | 不明 | 強力スカトロ惑星には誰も赴任したくない。 |
マグロマル | 不明 | さっぱり意味が通じない、惑星連合会議風景。 |
時越半四郎 | 不明 | 思いがけなく昔に跳んだ、時間跳躍者の赤ん坊。 |
カメロイド文部省 | 不明 | だいぶ出版文化の遅れた星に来た、作家夫婦。 |
血と肉の愛情 | 不明 | 愛情と食欲が一致の世界。 |
お玉熱演 | 不明 | 不細工な60年代の、スターになりたい女。 |
ベトナム観光公社 | 1967 | 地球には、面白いところがもう大して残っていない。 |
筒井康隆 にぎやかな未来
著者: 筒井康隆
発表: 1968年 ~
発行所: 角川文庫
カバーアート:杉村篤
価格: 260円
宣伝文句
「市民のみなさん、このたび政府は、公共放送のCM料金を値上げすることにいたしました。…CMがうるさいからといって放送の途中でラジオのスイッチを切ると、罰せられます。…」
帯、カバー、裏表紙等から引用
狂気じみたにぎやかな未来への警告を軽妙なタッチで笑いの中に描く短編傑作集。
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
超能力 | 不明 | 心を読み合う、叔父と甥。 |
帰郷 | 不明 | 別な地球に帰ってきた隊員たち。 |
星は生きている | 不明 | 頭が犬の巨大な生物。 |
怪物たちの夜 | 不明 | 奇形人間たちが普通の社会。 |
逃げろ | 不明 | おれが、おれを殺そうとするパラドックス。 |
事業 | 不明 | 進化したノミたち。 |
悪魔の契約 | 不明 | 悪魔の実現した欲望は、すべて演技だった。 |
わかれ | 不明 | 宇宙人に妻をとられることになった男の、やつあたり。 |
最終兵器の漂流 | 不明 | 北極の最終兵器作動の危機。 |
腸はどこへいった | 不明 | 腸捻転で、腸が位相幾何学的にねじれた男の大便はどこへ行った。 |
亭主料理法 | 不明 | ホラーと料理の誤植でドッキング。 |
我輩の執念 | 不明 | 高級アパート入居希望者選抜の、秘かなたのしみ。 |
幸福ですか? | 不明 | 実は未来から来たインタビュアー。 |
人形のいる街 | 不明 | 原宿で、タレント起用相談。 |
007入社す | 不明 | 見かけ倒しのそっくりさん。 |
踊る星 | 不明 | マスコミという、死ぬまで踊り続ける世界。 |
地下鉄の笑い | 不明 | 流行で、みんなが笑うポスター。 |
ながい話 | 不明 | 話好きな老婆。 |
スペードの女王 | 不明 | 美人を賭けての、ポーカーゲーム。 |
欲望 | 不明 | 女は男を独占したく、男は女から逃げ出したい。 |
パチンコ必勝原理 | 不明 | パチンコ屋で、人騒がせな湯上博士。 |
マリコちゃん | 不明 | 自分にそっくりな、少女雑誌の表紙の女の子。 |
ユリコちゃん | 不明 | やっと自分が死んでいることを理解した、お父さん。 |
サチコちゃん | 不明 | 般若になるお母さんの夢。 |
ユミコちゃん | 不明 | 体一つで、頭二つの奇妙な客。 |
きつね | 不明 | 怖がりながら、おどかし合う少年たち。 |
たぬき | 不明 | 逃げまどう、村の女たち。 |
コドモのカミサマ | 不明 | ウサギと結婚して、子供に興味を失った神様。 |
ウイスキーの神様 | 不明 | 彼は、ファッションの女神が好きだったが、別の可愛い神様が現れた。 |
神様と仏さま | 不明 | 対立する両者の怒りの、行き着く先は人間。 |
池猫 | 不明 | 池に適応した、猫の群の恐怖。 |
飛び猫 | 不明 | 洞窟に適応した猫。 |
お助け | 不明 | 実験で、動作が加速していった男の最期。 |
疑似人間 | 不明 | どんどん体の部品を交換していった老人。 |
ベルト・ウェーの女 | 不明 | 彼の心をとらえた謎の女の正体。 |
火星にきた男 | 不明 | 一体、狂っているのはクリタ氏か、それとも夫人か。 |
差別 | 不明 | ネズミの時代になっても続く、白と黒の対立。 |
到着 | 不明 | 実は落ちていた、この宇宙。 |
遊民の街 | 不明 | 生産性が上がり、寿命がのびた世界で、暇になった人々。 |
無人警察 | 不明 | ロボット巡査に目をつけられた男。 |
にぎやかな未来 | 1968 | そこいら中、コマーシャルだらけのうるさい社会。 |
筒井康隆 幻想の未来
著者: 筒井康隆
発表: 1968年 ~
発行所: 角川文庫
カバーアート:杉村篤
価格: 220円
宣伝文句
一億年後の地球、そこにはかつての人類の物質文明の繁栄は跡かたもなく、荒廃した岩山と砂漠だけがあった。ホモ・サピエンスの末裔たちは突然変異体としてさまざまな形態を持ち、また食人、近親交配、殺人等のタブーすら解かれていた…。SF界の俊才筒井が独自の想像力を駆使して描く未来の世界。他に「ふたりの印度人」等9篇。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
幻想の未来 | 1968 | 珍しく真面目なSF。遠い未来の醜い風景。長く、凝っているわりに、つまらない。 |
ふたりの印度人 | 不明 | 妙な印度人につけ回される恐怖。 |
アフリカの血 | 不明 | 野性の記憶が甦る、混血の青年。 |
姉弟 | 不明 | 食べてすぐ寝て牛になった弟とねえさん。 |
ラッパを吹く弟 | 不明 | 串で頬に穴が開いたわたしと、謝る弟。 |
衛星一号 | 不明 | 背中の上に子孫を背負っていく世界。 |
ミスター・サンドマン | 不明 | テレビの怪獣に敵愾心を燃やす、砂の巨大な怪物。 |
時の女神 | 不明 | 妻が未来から、昔の自分をのぞきに来る。 |
模倣空間 | 不明 | 電話のベルを真似して鳴り続ける惑星。 |
白き異邦人 | 不明 | 地球人の最後の生き残りと、醜い白子の娘。 |
筒井康隆 アルファルファ作戦
著者: 筒井康隆
発表: 1968年 ~
発行所: 中公文庫
カバーアート:真鍋博
価格: 300円
宣伝文句
老人問題への温かい心情を示した表題作をはじめ、著者の風刺魂が見事に発揮されたSF集——おとなの恐怖と笑いの全九篇。「慶安大変記」「人口九千九百億」「色眼鏡の狂詩曲」など。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
アルファルファ作戦 | 1968 | 地球に残った少ない老人達対宇宙人。 |
近所迷惑 | 不明 | 世界各地へ抜け道がつながった、時空が歪んだ世界。 |
慶安大変記 | 不明 | 慶安予備校対徳川大学の闘い。現代版由比正雪の乱。 |
人口九千九百億 | 不明 | 立錐の余地もない地球を訪れた、火星の大使。 |
公共伏魔殿 | 不明 | NHKの恐怖の実態。 |
旅 | 不明 | 精神的流刑で、桃太郎や西遊記の一行にされる者たち。 |
一万二千粒の錠剤 | 不明 | 老化防止薬に当選した男と、すさまじい奪い合い。 |
懲戒の部屋 | 不明 | 痴漢を疑われた男が、女権主義者たちに吊るし上げられる。 |
色眼鏡の狂詩曲 | 不明 | 大偏見でみた日本、中国、アメリカ。 |
筒井康隆 アフリカの爆弾
著者: 筒井康隆
発表: 1968年 ~
発行所: 角川文庫
カバーアート:杉村篤
価格: 260円
宣伝文句
電気製品販売会社のセールス兼集金人の私はアフリカの土人部落に派遣された。今や酋長の経済顧問として大変重宝がられている。この部落は、原始生活を観光に、ふだんはテレビ・電話を隠しているが、隣のメカ国でミサイルを買ったから、さあ大変! 国連軍からミサイルを買おうと大騒ぎ…。
帯、カバー、裏表紙等から引用
S・F傑作表題作の他11篇を収む。
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
台所にいたスパイ | 不明 | 町内がスパイだらけのドタバタ。 |
脱出 | 不明 | テレビの役柄と実物の区別がつかなくなった人々。 |
露出症文明 | 不明 | テレビ電話導入のごたごた。 |
メンズ・マガジン一九七七 | 不明 | 男性向き雑誌の編集部のドタバタ。 |
月へ飛ぶ思い | 不明 | 月へ行く言ったとたんに皆の態度が変わる。 |
活性アポロイド | 不明 | オナニー・ボールの大流行。 |
東京諜報地図 | 不明 | またスパイだらけのドタバタ。 |
ヒストレスヴィラからの脱出 | 不明 | もがけばもがくほど、出て行けない村。 |
環状線 | 不明 | 山手線で分身。 |
窓の外の戦争 | 不明 | 窓から歴史が見える。 |
寒い国から帰ってこないスパイ | 不明 | スパイになりたがった男の末路。 |
アフリカの爆弾 | 1968 | 土人部落でミサイル購入のドタバタ。 |
筒井康隆 わが良き狼
著者: 筒井康隆
発表: 1969年 ~
発行所: 角川文庫
カバーアート:杉村篤
価格: 300円
宣伝文句
トンネルを抜け出て過去の町ルピナスに帰ったキッドは、そこで老人と子供の姿しか見なかった。若者は活気のある新しい星へと移り行くのだ。昔の恋人から町を騒がせたあの懐かしい悪漢ウルフがまだ生き残っている事を聞き、やっつけんと下町へくり出したが…。
帯、カバー、裏表紙等から引用
詩情ただよう表題作他、筒井文学の醍醐味あふれる傑作集!
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
地獄図日本海因果 | 不明 | 核爆発で時間が乱れて、自衛隊vs帝国海軍、北朝鮮軍vsバルチック艦隊。 |
夜の政治と経済 | 不明 | 作家のたむろするバーで働く、予知夢を見るホステス。 |
わが家の戦士 | 不明 | マイホームにベトナムやアラブの戦争が波及してくる。 |
わが愛の税務署 | 不明 | なるべく税金を納めたい社会。 |
若衆胸算用 | 不明 | カッコいい、カッコ悪いだけが基準のサラリーマン社会。 |
団欒の危機 | 不明 | テレビがなくなって、間が持たなくなった一家は、物語を話し出すが…。 |
走る男 | 不明 | なんとなく走り続ける、廃れたオリンピックの長距離選手。 |
下の世界 | 不明 | 精神階級と肉体階級に分化した世界。 |
わが良き狼 | 1969 | ひなびた町に帰ってきた老キッド。 |
筒井康隆 ホンキイ・トンク
著者: 筒井康隆
発表: 1969年 ~
発行所: 角川文庫
カバーアート:杉村篤
価格: 220円
宣伝文句
調子っぱずれの音程の狂ったメロディ、これをホンキイ・トンクという。——ある日、とつぜん、コンピューター技師の腕前は二流以下のおれに、海外出張の辞令が下った。安物のコンピューターを買い付けたバカジアに出向いて、設置するためだ。なにしろ、人口たった3万の小国だ。大国におもねいた首尾一貫した政治は危険、という立場から、政策決定をコンピューターに決断させることになった。ところが、第一号の法律は、とんでもない頓珍漢な……。
帯、カバー、裏表紙等から引用
<機械>が主役となったおろかな人間社会をパロディ化した傑作。他七篇。
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
君発ちて後 | 不明 | 蒸発した夫を探して、妻がたずね歩く。 |
ワイド仇討 | 不明 | 仇を追って、旦那とお共は幕末から明治へ駆けまわる。 |
断末魔酔狂地獄 | 不明 | 不良老人たちの狂態の数々。 |
オナンの末裔 | 不明 | せんずり妄想につかれたサラリーマン。 |
雨乞い小町 | 不明 | 六歌仙の時代に、時間旅行者が雨を降らせる。 |
小説『私小説』 | 不明 | 私小説の大家の作品と実態。 |
ぐれ健が戻った | 不明 | 短気な一家のやくざな風景。 |
ホンキイ・トンク | 1969 | めちゃくちゃな政策を出すコンピューターを利用するプリンセス。 |
筒井康隆 筒井順慶
著者: 筒井康隆
発表: 1969年 ~
発行所: 角川文庫
カバーアート:杉村篤
価格: 260円
宣伝文句
あまり売れないSF作家のおれに週刊世紀から歴史小説「筒井順慶」の注文がきた。信長を本能寺で暗殺した明智光秀と秀吉が対陣したとき洞ヶ峠をきめこんだあの日和見順慶が、どうやらおれの先祖らしいのだ……。資料集めをするうちに知り合った順慶の直系の子孫だという帝子、女編集者の藤田電子とがもつれ、事件は意外な方向に!
帯、カバー、裏表紙等から引用
ドタバタの中に鋭い現代批判をこめた表題作他、おかしなおかしな短編3篇を収録。
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
筒井順慶 | 1969 | 慣れない時代小説か書くのに四苦八苦する。この著者にしてこの先祖あり。 |
あらえっさっさ | 不明 | 大混乱の芸能記者の慰労大会。タレントの声役、足役の分業など芸能界風刺が鋭い。 |
晋金太郎 | 不明 | TVディレクターの家庭にライフル魔が立てこもる。TV業界批判。 |
新宿祭 | 不明 | デモ隊派遣会社による新宿騒乱事件。やはり時事ネタは時が経つとつまらない。 |
筒井康隆 革命のふたつの夜
著者: 筒井康隆
発表: 1970年 ~
発行所: 角川文庫
カバーアート:杉村篤
価格: 260円
宣伝文句
シュプレヒコールが、突然、怒号と叫喚に変わった。内ゲバに遭ったらしい女子学生が救いを求めてきた。小柄だが肉づきのいい女性だ。抱き起こすと、彼女の方から夢中でしがみついてくるではないか……。
帯、カバー、裏表紙等から引用
優柔不断の<理解ある教師>を襲った、ふとした自制心の乱れ? “周波数”のまったくちがったゲバ学生に踊らされるあわれな大学教授を、皮肉なタッチで描いた表題作。ほか著者会心の傑作七篇収録。
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
母子像 | 不明 | サルの玩具が、妻と赤ん坊を異次元へ連れて行く。 |
くさり | 不明 | 盲目のわたしの父は、毛に関するこわい研究をしているらしい。 |
となり組文芸 | 不明 | 町内会の文芸騒動。 |
巷談アポロ芸者 | 不明 | アポロ11号打ち上げ特別番組に呼ばれた、にわか解説家たちのドタバタ。 |
コレラ | 不明 | カミュの「ぺスト」に擬したらしい、拡大するコレラ感染のドタバタ。 |
泣き語り性教育 | 不明 | 性教育をするはめになって、あせりまくる校長先生。 |
深夜の万国博 | 不明 | 大阪万国博のルポをすることになったSF作家の、深夜の会場でのドタバタ。 |
革命のふたつの夜 | 1970 | ついついゲバ女子学生を抱いてしまった教授の、2通りの、その後。 |
筒井康隆 馬は土曜に蒼ざめる
著者: 筒井康隆
発表: 1970年 ~
発行所: 集英社文庫
カバーアート:柳原良平
価格: 200円
宣伝文句
眼が醒めたら、とにかく馬になっていた。まぐさが、こんなにうまいものとは知らなかった。交通事故のため、おれの五体はぐじゃぐじゃ、脳はサラ四歳馬ダイマンガンに移植されていたのだ。大穴ねらいにダービー出場を決めたが、まだ馬の肉体に馴れていなかった。ああ、その上美女・虹子のヌードが目の前に。おれは不覚にも興奮、発情してしまい……。表題作ほか七篇を収録。 解説・小林信彦
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
横車の大八 | 不明 | 家のヘソを見つけて壊す大工の天才。 |
息子は神様 | 不明 | 後光をもつ赤ん坊が生まれてしまった。 |
空想の起源と進化 | 不明 | 大昔の物語師の記憶。 |
混同夢 | 不明 | 会社に滅私奉公しない社員の抵抗。 |
逃げろや逃げろ | 不明 | 暴漢に間違えられて警官隊に射殺された野次馬。 |
人類の大不調和 | 不明 | 万国博の、虐殺館いろいろ。 |
肥満考 | 不明 | 断食で狂気に犯されていく作家の暴走。 |
馬は土曜に蒼ざめる | 1970 | 事故で脳を競走馬に移植された作家の活躍。 |
筒井康隆 欠陥大百科
著者: 筒井康隆
つつい・やすたか
発表: 1970年
発行所: 河出書房新社
価格: 980円
宣伝文句
奇才・筒井康隆の狂気とユーモアが凝縮!
帯、カバー、裏表紙等から引用
文庫未収録の百科事典パロディが復活。
アからンまで独自の解釈で描いた筒井版悪魔の辞典「欠陥大百科」、こちらも文庫化されなかった幻の初期作品集「発作的作品群」、さらに単行本未収録のショートショートや「NULL」の復刻、加納一朗による日本SF界黎明期の貴重な証言も併録。
豪華コレクション、第3弾!
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
欠陥大百科 | 1970 | 読むのもけっこう根性が要る、おふざけ百科事典。 |
筒井康隆 国境線は遠かった
著者: 筒井康隆
発表: 1970年 ~
発行所: ハヤカワ文庫
カバーアート:桜井一
価格: 300円
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
穴 | 不明 | 誰が気違いだかわからない、精神病院の風景。 |
夜を走る | 不明 | タクシー運転手の独白。 |
たぬきの方程式 | 不明 | 宇宙船に密航していた女は、タヌキが化けたのか? |
欠陥バスの突撃 | 不明 | 一人の男の中の、18人の人格の争い。 |
ビタミン | 不明 | ビタミン発見の歴史。 |
フル・ネルソン | 不明 | 何か実験している研究室。 |
国境線は遠かった | 1970 | 中東某国と、空間的につながっているホテルでの騒動。 |
筒井康隆 脱走と追跡のサンバ
著者: 筒井康隆
発表: 1971年
発行所: 角川文庫
カバーアート:杉村篤
価格: 340円
宣伝文句
脱走してやるぞ!
帯、カバー、裏表紙等から引用
どんなことがあっても、脱走してやる。このいやらしい世界から逃げ出してやる。こんなところにとじこめられていてたまるものか。
まさに汚物の墓場の下水管を通り抜けマンホールからこっちの世界に入りこんだものの、いまやあっちの世界へ脱出だ! もう脱出するための行動しかのこされていないのだ。
奇想天外な発想で現代をパロディ化し、現実と虚構の世界を渾然一体に描いた著者会心のSF長編小説。
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
脱走と追跡のサンバ | 1971 | 無駄に長いだけの長編。めちゃくちゃな逃避の繰り返し。こんなにつまらないとは思わなかった。 |
筒井康隆 日本列島七曲り
著者: 筒井康隆
発表: 1971年 ~
発行所: 角川文庫
カバーアート:杉村篤
価格: 260円
宣伝文句
——この飛行機は革命的赤軍派の学生様御8名様御用達の栄を賜わり、一路北鮮へ参ります。……機長が浮き浮きした声で告げた。日本刀を抜いて威嚇する乗っ取り犯を、高倉健そっくりだといってはやし立てる農協さん。一味の女子学生に強姦された中年の乗客やらで、機内には、まるで乗っ取りに出会ったのが嬉しくてたまらぬ様子が充満していた。飛行機の乗っ取りが頻発すると、こんな現象も起こるにちがいない。鬼才・筒井康隆がハイ・ジャックを喜劇的に描いた表題作、ほか異色短編10篇収録。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
誘拐横丁 | 不明 | 軽い気持ちで子供を誘拐して、金をせしめようという町内。 |
融合家族 | 不明 | 同じ敷地に、無理矢理二つの家を建てた家族。 |
陰悩録 | 不明 | きんのたまが、ふろのせんのあなにつまっていたい。 |
奇ッ怪陋劣潜望鏡 | 不明 | 水のあるところなら、どこからでも潜望鏡が出てきて覗く不安。 |
郵性省 | 不明 | 射精の時に瞬間移動できるようになった益夫。 |
日本列島七曲り | 1971 | 急ぎの旅で乗った飛行機が左翼学生にハイジャックされて大混乱。 |
桃太郎輪廻 | 不明 | 川に流れてきた大きな尻から生まれた男の子の理由。 |
わが名はイサミ | 不明 | 新撰組の近藤勇たちの珍道中。 |
公害浦島覗機関 | 不明 | 未来が見える、ぼろホテルの壁の穴。 |
ふたりの秘書 | 不明 | 社長と二人の女秘書とコンピュータの会社は、やはりやりにくい。 |
テレビ譫妄症 | 不明 | テレビと現実の区別がつかなくなった、テレビ評論家。 |
筒井康隆 おれに関する噂
著者: 筒井康隆
発表: 1972年 ~ 1974年
発行所: 新潮文庫
カバーアート:山藤章二
価格: 240円
宣伝文句
テレビのニュース・アナが、だしぬけにおれのことを喋りはじめた——「森下ツトムさんは今日、タイピストをお茶に誘いましたが、ことわられてしまいました」。続いて、新聞が、週刊誌が、おれの噂を書きたてる。なぜ、平凡なサラリーマンであるおれのことを、マスコミはさわぎたてるのか? 黒い笑いと恐怖にみちた表題作、ほか『怪奇たたみ男』など、あなたを狂気の世界に誘う11編。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
蝶 | 1973 | 男の子と妖精のような蝶との恋? |
おれに関する噂 | 1972 | 一般人が注目される恐怖。 |
養豚の実際 | 1973 | 作家をやる気にさせる方法。 |
熊の木本線 | 1974 | ど田舎で、ふと寄った村で「熊の木節」にノりきれなかった男。 |
怪奇たたみ男 | 1972 | じょじょに畳になっていく、のほほんとした恐怖。 |
だばだば杉 | 1973 | 淫夢を見させる植物で、みな現実と夢の区別がつかなくなる。 |
幸福の限界 | 1973 | 皆とおなじように、幸福であるかのように踊らされる。 |
YAH! | 1974 | 口やかましい、家計コンサルタント。 |
講演旅行 | 1973 | 気軽で愉快な旅行から帰れなくなった作家。 |
通いの軍隊 | 1973 | サラリーマン兵士たちの風景。 |
心臓に悪い | 1972 | 離島に赴任して、心臓病の薬が届かない! |
筒井康隆 狂気の沙汰も金次第
著者: 筒井康隆
発表: 1973年
発行所: 新潮文庫
カバーアート:山藤章二
価格: 320円
筒井康隆「狂気の沙汰も金次第」より引用
宣伝文句
確固とした日常に支えられたこの地平を超えて遥か向こうを眺めれば、果しなく自由で華麗なる狂気の世界が拡がる——著者は、あたかもささやかな身辺雑記を綴るかのごとく筆を進めながら、実はあなたをアイロニカルな現代批評と潜在的狂気の発掘へと導いてくれるのです。随筆のパロディとも言えるユニークなエッセイ118編は、山藤章二の傑作イラストとコンビを組んでいます。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
狂気の沙汰も金次第 | 1973 | 夕刊紙に連載されたもので、一つ一つは短い。内容的には日々の雑感で大したことがないが、山藤章二との挿絵バトルがみものだ。 |
筒井康隆 メタモルフォセス群島
著者: 筒井康隆
発表: 1974年 ~ 1975年
発行所: 新潮文庫
カバーアート:真鍋博
価格: 320円
宣伝文句
足のはえてくる果実。木の枝に寄生している小動物。人間を食べて首に似た果実をつける植物。放射能の影響であらゆる生物が突然変異体(ミュータント)と化した不気味な世界を描いた『メタモルフォセス群島』。妻子を脱獄囚に人質にとられたサラリーマンが、脱獄囚の家にのり込んで脅迫のエスカレーションを企てる『毟りあい』。ほかに『五郎八航空』『定年食』など幻想と恐怖の突然変異的作品群。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
毟りあい | 1975 | 脱獄囚と人質の虐待の応酬。 |
五郎八航空 | 1974 | 田舎の闇航空便のおばちゃん。 |
走る取的 | 1975 | 力士に追いまわされる恐怖。 |
喪失の日 | 1974 | 童貞喪失計画の妄想が抑えられないサラリーマン。 |
定年食 | 1975 | 極端な食糧不足で、定年になると喰われてしまう。 |
平行世界 | 1975 | 異次元平行世界が南北にずらっと並んでいる。 |
母親さがし | 1975 | 迷子の母親を求めて放浪する、落語的な話。 |
老境のターザン | 1975 | 年老いたターザンは、いじめに目覚めた。 |
こちら一の谷 | 1975 | 義経の一の谷の合戦の言い伝え、宣伝は嘘ばかり。 |
特別室 | 1975 | ホテルの超高額な部屋とは…。 |
メタモルフォセス群島 | 1975 | 突然変異のジャングルを探検する科学者たち。 |
筒井康隆 ウィークエンド・シャッフル
著者: 筒井康隆
発表: 1974年 ~
発行所: 講談社文庫
カバーアート:山藤章二
価格: 340円
宣伝文句
週末には筒井康隆を読んでトリップしよう! 本書は知的マリファナであり、読者の想像力に応じて、さまざまな幻覚世界にあなたを遊ばせてくれます。本書を読んでも逮捕されることはありませんが禁断症状は熾烈、習慣性は顕著です。御用心のほどを!「佇む人」「弁天さま」「その情報は暗号」「ジャップ鳥」等傑作13篇。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
佇む人 | 不明 | 犬、猫、人が木にされていく恐怖社会。 |
如菩薩団 | 不明 | 生活雑貨を狙う主婦強盗団。 |
『蝶』の硫黄島 | 不明 | 硫黄島の戦友である作家たちのバーでの狂乱。 |
ジャップ鳥 | 不明 | 日本人みたいに嫌われる鳥の噂。 |
旗色不鮮明 | 不明 | あらゆる出版物のバックに組織団体がいて、身動きがとれない。 |
弁天さま | 不明 | 突然やってきた弁天さまとセックスしなければならないはめに。 |
モダン・シュニッツラー | 不明 | 宇宙飛行士→ダッチ・ロボット→農夫→鶏→生物学者→コンピュータ→プログラマ→庖丁人→宇宙→宇宙船→宇宙飛行士の輪。 |
その情報は暗号 | 不明 | 何ものをも犠牲にして守らなければならない情報。 |
生きている脳 | 不明 | 脳だけで生きていくことを選んだ社長。 |
碧い底 | 不明 | 水棲に適応した社会の風景。必ずしも水没したわけでもなさそうだ。 |
犬の町 | 不明 | 場末の商店街の侘びしい風景。 |
さなぎ | 不明 | 反抗的な子供を矯正してしまう社会。 |
ウィークエンド・シャッフル | 1974 | 強盗騒動でも、なんとか家庭の平和が戻った。 |
筒井康隆 心狸学・社怪学
著者: 筒井康隆
発表: 1975年
発行所: 講談社文庫
カバーアート:西八郎
価格: 260円
宣伝文句
世にいわれる心理学・社会学。これ実は間違い。理は狸、会は怪が正しい。時代の最尖端をいく貴講師=筒井康隆が、懇切丁寧に講ずる本巻を熟読含味すれば、世のこと、人のこと全てに通暁すること確かです。複雑怪奇な現代を生き抜くためには、最小限この心狸学篇7講、社怪学篇7講が、必要なのです。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
心狸学篇 条件反射 | 不明 | 事故でイヌ、ウマやブタの臓器を移植された作家先生。 |
心狸学篇 ナルシシズム | 不明 | 乱暴に扱われ、自信が崩壊しそうになったロボットの反応。 |
心狸学篇 フラストレーション | 不明 | 猛烈なオナニー・ブームで、欲求不満の母親たち。 |
心狸学篇 優越感 | 不明 | 一戸建て対団地の対立。 |
心狸学篇 サディズム | 不明 | タレントに似ているダッチ・ワイフ。 |
心狸学篇 エディプス・コンプレックス | 不明 | 女に全く興味が持てない男の治療風景。 |
心狸学篇 催眠暗示 | 不明 | 暗示で宇宙空間にとんだステテコ。 |
社怪学篇 ゲゼルシャフト | 不明 | 裏で犯罪を演じている警察官たち。 |
社怪学篇 ゲマインシャフト | 不明 | 異空間で部屋が連結しているマンション。 |
社怪学篇 原始共産制 | 不明 | 学生運動で封鎖された東大で、発達した異常社会。 |
社怪学篇 議会制民主主義 | 不明 | 事故で脳を、ゴリラ、オットセイ、ウマに移植された総理、外務、大蔵大臣。 |
社怪学篇 マス・コミュニケーション | 不明 | 家訓により、女二千人斬りを目指す男の壮絶な最期。 |
社怪学篇 近代都市 | 不明 | 汚物が飛び散る、国鉄沿線のアパート。 |
社怪学篇 未来都市 | 不明 | 未来でも埒があかない役所仕事。 |
筒井康隆 やつあたり文化論
著者: 筒井康隆
発表: 1975年
発行所: 新潮文庫
カバーアート:山藤章二
価格: 320円
宣伝文句
客を馬鹿にすることで笑いを強制する落語家や漫才師を怒り、国民的ムードにばかり気をつかう政治家の続出を怒って大日本悪人党を待望する。教育ママの精神構造や悪宰相の必要性を説き、家元さわぎや私道さわぎから、現代SFの特質とは何かを論じる。筒井康隆一流のユニークな視点から、現代文明のさまざまな事象を痛快なユーモアと爽快なエスプリで論じたエッセイ集。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
やつあたり文化論 | 1975 | 全体的に話題が古く、読む価値は少ない。豊田有恒や小松左京などの作家論は裏話風でおもしろいかもしれない。 |
筒井康隆 笑うな ★★★★★
著者: 筒井康隆
発表: 1975年 ~
発行所: 新潮文庫
カバーアート:山藤章二
価格: 280円
宣伝文句
タイム・マシンを発明して、直前に起こった出来事を眺めるというユニークな発想の『笑うな』。夫の目前で妻を強姦する制服警官のニューロイックな心理『傷ついたのは誰の心』。空飛ぶ円盤と遭遇したSF作家の狼狽ぶりをシニカルに捉えた『ベムたちの消えた夜』。ほかに『赤いライオン』『猫と真珠湾』『血みどろウサギ』など、スラップスティックでブラックな味のショート・ショート34編。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
笑うな | 1975 | 友人がタイム・マシンを作ったのがおかしい。 |
傷ついたのは誰の心 | 不明 | 警官に妻が強姦されている不条理。 |
悪魔を呼ぶ連中 | 不明 | 経営危機で悪魔にすがる中小企業の経営者たち。 |
最初の混線 | 不明 | つながったのは明治時代の最初の電話。 |
遠泳 | 不明 | 太鼓を鳴らすと皆安心して泳ぐことができる。 |
客 | 不明 | やっと来てくれたお客さん。 |
自動ピアノ | 不明 | 社員それぞれのメロディーを導入した会社。 |
正義 | 不明 | 天国に行った、異常に正義感の強い男。 |
夫婦 | 不明 | 頭を強く打った夫と妻。 |
帰宅 | 不明 | やっと帰ってきた夫を感激して迎える妻。 |
見学 | 不明 | 警察の見学に行った小学生たち。 |
特効薬 | 不明 | 実はみんな欲しくないガンの特効薬。 |
墜落 | 不明 | 断崖から落ちたのになかなか下に着かない。 |
涙の対面 | 不明 | 蒸発した父と家族の感激の対面の後で。 |
流行 | 不明 | 流行りに敏感な社会。 |
セクション | 不明 | 地面の下を映像化する装置を開発した博士と、何も知らぬ妻。 |
廃墟 | 不明 | 最終戦争後の生き残った男たち。 |
ある罪悪感 | 不明 | ストレスでいろんな症状が出るサラリーマン。 |
赤いライオン | 不明 | いったい何が夢か現実か。 |
猫と真珠湾 | 不明 | 『私の小説作法』に悩む小説家。 |
会いたい | 不明 | いじめ殺した女に再会したい男。 |
接着剤 | 不明 | 強力接着剤で五重塔を建てたが……。 |
駝鳥 | 不明 | ついてくる駝鳥を食って飢えをしのいだ砂漠の放浪者。 |
チョウ | 不明 | どんどんでかくなるぼくが見つけてきた蝶。 |
血みどろウサギ | 不明 | ロケットが衝突してアバタだらけの月面。 |
マイ・ホーム | 不明 | 計画外の出世で絶望した男。 |
ブルドッグ | 不明 | ある日とつぜん飼い犬の思考がわかるようになった。 |
トーチカ | 不明 | やたらとスラングが多い宇宙戦争。 |
座敷ぼっこ | 不明 | 誰か一人多い女子校のあるクラスで。 |
タック健在なりや | 不明 | 大統領補佐官試験の激烈な競争。 |
産気 | 不明 | 妊娠した男の正田課長。 |
ハリウッド・ハリウッド | 不明 | 映画の神様が望みをかなえてくれる。 |
末世法華経 | 不明 | いきなり現れた日蓮が創価学会集会を見学。 |
ベムたちの消えた夜 | 不明 | 宇宙人に遭ったのに、きっと誰も信じてくれないだろう。 |
筒井康隆 家族八景
著者: 筒井康隆
発表: 1975年
発行所: 新潮文庫
カバーアート:真鍋博
価格: 220円
宣伝文句
幸か不幸か生れながれのテレパシーをもって、目の前の人の心をすべて読みとってしまう可愛いお手伝いさんの七瀬——彼女は転々として移り住む八軒の住人の心にふと忍び寄ってマイホームの虚偽を抉り出す。人間心理の深層に容赦なく光を当て、平凡な日常生活を営む小市民の猥雑な心の裏面を、コミカルな筆致で、ペーソスにまで昇華させた、恐ろしくも哀しい本である。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
無風地帯 | 不明 | 各自上流家族を演じる、部長一家。 |
澱の呪縛 | 不明 | 異臭がする十三人家族の汚さ。 |
青春賛歌 | 不明 | 派手に浮気する妻と役人の夫。死は七瀬にどう見えるか。 |
水蜜桃 | 不明 | 七瀬を犯そうとする、三世代住宅のじいさん。 |
紅蓮菩薩 | 不明 | 七瀬の父を知っている心理学者と、上品でおとなしい妻の嫉妬の炎。 |
芝生は緑 | 不明 | 隣の芝生は良く見える、医者と設計技師の一家。 |
日曜画家 | 不明 | 抽象画家の心の風景は、やなり常人と違う。 |
亡母渇仰 | 不明 | マザコン男の母親が、火葬場で生き返った! |
筒井康隆 あるいは酒でいっぱいの海 初期ショートショート
著者: 筒井康隆
発表: 1977年 ~
発行所: 集英社文庫
カバーアート:柳原良平
価格: 180円
宣伝文句
化学実験中、おれの作ったとんでもない薬を、父は海に落してしまったらしい。海全体が、ぼこぼこと沸き返った。O16がC12になればどうなるのか!? C2H5OH……酒だ! 世界中の海が酒になっちまう。やがて、連鎖反応を起して、川をのぼり、湖に沼に、さらに貯水池に……。もう無茶苦茶だ! ブラック・ユーモアの鬼才の原点を示す短編傑作集。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
あるいは酒でいっぱいの海 | 1977 | 酸素からヘリウム原子2個をとりだし、炭素に変える薬。 |
消失 | 不明 | 飛行機の機長と副操縦士が食中毒に。 |
鏡よ鏡 | 不明 | 王様より醜い男。 |
いいえ | 不明 | すべて”いいえ”と答える、女優のテスト。 |
法外な税金 | 不明 | 火星植民地へ行った者は、地球に二度と住めない理由。 |
女の年齢 | 不明 | 教師が浮気した、女生徒の正体。 |
ケンタウロスの殺人 | 不明 | 殺人してダイヤを盗んだのは、支配人かロボットか外交官かアル中の女か。 |
トンネル現象 | 不明 | 家の押入が会社のロッカーにつながった。 |
九十年安保の全学連 | 不明 | 分裂に分裂した全学連と、タレント化した国会。 |
代用女房始末 | 不明 | 配偶者ロボット・サービス会社の、すばらしいアンドロイド妻。 |
スパイ | 不明 | 産業スパイがいりくんでいる会社。 |
妄想因子 | 不明 | 団地でヒステリーをおこした女房と、相談室の男。 |
怪段 | 不明 | 幽霊が出るという噂の階段。 |
陸族館 | 不明 | 半魚人たちに観察される一家。 |
給水塔の幽霊 | 不明 | そのあたりには、幽霊が出るはずだったが…。 |
フォーク・シンガー | 不明 | 天才的フォーク・シンガーが死んだ後の、彼女。 |
アル中の嘆き | 不明 | 幽霊は酔っ払わない。 |
電話魔 | 不明 | いやがらせ電話の連鎖。 |
みすていく・ざ・あどれす | 不明 | 姉さんは銀行強盗をして、学費をくれたのか。 |
タイム・カメラ | 不明 | つぎつぎと、持ち主を不幸にする、過去を写すカメラ。 |
体臭 | 不明 | 世界一高価で少量生産の石鹸が、製造中止になった。 |
善猫メダル | 不明 | 猫、犬、子供が増えすぎて、審査されて不合格なものは、殺されてもしかたがない。 |
逆流 | 不明 | 時間を逆行すると、消化器も逆行する! |
前世 | 不明 | 前世がナマケモノだと、就職もできない。 |
タイム・マシン | 不明 | タイム・マシンは軍事利用されなかった。 |
脱ぐ | 不明 | 異常にスタイルの良い女の発作。 |
二元論の家 | 不明 | 精神の反映である怪物の出るという幽霊屋敷に挑戦する、娘の父親と求婚者の二人。 |
無限効果 | 不明 | 薬が欲しいという脳波を放送して、売上を伸ばそうとした宣伝部員。 |
底流 | 不明 | 心が読めるエリートも楽じゃない。 |
睡魔のいる夏 | 不明 | 眠くなって死んでいく、新型爆弾の風景。 |
ケンタウロスの殺人 解決編 | 不明 | 犯人はだれか? |
筒井康隆 農協 月へ行く
著者: 筒井康隆
発表: 1977年
発行所: 角川文庫
カバーアート:杉村篤
価格: 300円
宣伝文句
他人の迷惑もなんのその、あつかましいバイタリティで外国語の辞書にも載った”ノーキョー”さんが月へ行く。無重力の宇宙船の中で、上を下へのドンチャン騒ぎ、酒や芸者を強要する土地成金ぶりだ。ところが、無人のはずの月面で不思議な光景を目撃、そのニュースが電波にのるや、地球上は大混乱に……「農協 月へ行く」。
帯、カバー、裏表紙等から引用
世界は沈没、いまや陸地は日本だけしかない。そこは島国根性まる出しの日本人、故国を失い救助を求める有名外人に、無理難題をあびせかけ、抱腹絶倒の大混乱!……「日本以外全部沈没」など、奇想天外な世界を創造する著者が、その真骨頂を披露する最高傑作七篇収録。
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
農協 月へ行く | 不明 | 月でまで恥をさらす農協の一団が、宇宙人と遭遇する。 |
日本以外全部沈没 | 不明 | 有名外国人をいいように使っていた日本だったが…。 |
経理課長の放送 | 不明 | アナウンサーがストライキで、しどろもどろで代役に立つ課長。 |
信仰性遅感症 | 不明 | 乱暴されても感じなかったシスターだったが、後で突然に…。 |
自殺悲願 | 不明 | 自殺した作家の本がよく売れるのを見た、売れない作家が、さんざん自殺を試みる。 |
ホルモン | 不明 | ホルモン発見のドタバタ生理学史。 |
村井長庵 | 不明 | 離れ小島に逃げて来た、悪医者は代金の代わりに、女を狙う。 |
筒井康隆 男たちのかいた絵
著者: 筒井康隆
発表: 1978年
発行所: 新潮文庫
カバーアート:辰巳四郎
価格: 260円
宣伝文句
おくびょうで意気地なしでも、拳銃片手に怖いものなし——チンピラやくざの、カッコいい兄貴分へのあこがれが、屈折した心情に映し出される時、オナニズム、同性愛、エディクス・コンプレックス、多重人格などの持主を主人公にした、筒井康隆の強烈な世界が展開される。『夜も昼も』『星屑』『二人でお茶を』など、ジャズのスタンダード・ナンバーにのせておくる奇妙な味の連作小説集。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
夜も昼も | 不明 | いつもマスをかいているチンピラ。 |
恋とはなんでしょう | 不明 | 敵方のやくざに誘惑された、愚鈍な弟分。 |
星屑 | 不明 | 拷問を喜ぶ専門の奴。 |
嘘は罪 | 不明 | 嘘つき癖の男の言い分は信じられない。 |
アイス・クリーム | 不明 | 子供みたいに、アイスクリームを買ってもらいたい淋しい奴。 |
あなたと夜と音楽と | 不明 | 実はミュージシャンになりたかったやくざ。 |
二人でお茶を | 不明 | もう一人の人格がやくざで困っている男。 |
素敵なあなた | 不明 | 牝犬を愛するやくざ。 |
筒井康隆 ロートレック荘事件
著者: 筒井康隆
発表: 1990年
発行所: 新潮文庫
カバーアート:平野甲賀/ロートレック「ジャヌ・アヴリル」1893
価格: 440円
宣伝文句
夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。ロートレックの作品に彩られ、優雅な数日間のバカンスが始まったかに見えたのだが……。二発の銃声が惨劇の始まりを告げた。一人また一人、美女が殺される。邸内の人間の犯行か? アリバイを持たぬ者は? 動機は? 推理小説史上初のトリックが読者を迷宮へと誘う。前人未踏のメタ・ミステリー。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
ロートレック荘事件 | 1990 | 記述が鍵なので、とにかく注意して読むことが必要。殺人のトリック自体は大したことはないが、ラストは肩すかしと感じるかもしれない。ロートレックの絵は一見の価値あり。 |
筒井康隆 文学部唯野教授の女性問答
著者: 筒井康隆
つつい・やすたか
発表: 1992年
発行所: 中央公論社
カバーアート:大竹雄介
価格: 850円
宣伝文句
セクハラ、ソ連の崩壊、神の存在など雑誌『婦人公論』に寄せられた女性からの難問奇問に博覧強記の唯野教授が示すポスト・モダン的名回答。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
文学部唯野教授の女性問答 | 1992 | 時事問題についてのエッセイのようなもの。 |
筒井康隆 パプリカ
著者: 筒井康隆
つつい・やすたか
発表: 1993年
発行所: 中央公論社
カバーアート:ポール・デルヴォー『隠棲の館』
価格: 1500円
宣伝文句
内容紹介(「BOOK」データベースより)
帯、カバー、裏表紙等から引用
精神医学研究所に勤める千葉敦子はノーベル賞級の研究者/サイコセラピスト。だが、彼女にはもうひとつの秘密の顔があった。他人の夢とシンクロして無意識界に侵入する夢探偵パプリカ。人格の破壊も可能なほど強力な最新型精神治療テクノロジー「DCミニ」をめぐる争奪戦が刻一刻とテンションを増し、現実と夢が極限まで交錯したその瞬間、物語世界は驚愕の未体験ゾーンに突入する。
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
パプリカ | 1993 | 他人の夢にダイブするという、心理学に詳しい著者らしい作品。 |
筒井康隆 邪眼鳥
著者: 筒井康隆
つつい・やすたか
発表: 1997年
発行所: 新潮社
カバーアート:平野甲賀
価格: 1300円
宣伝文句
内容紹介(「BOOK」データベースより)
帯、カバー、裏表紙等から引用
顔のあるものがいない…。それが大富豪・入谷精一の葬儀だった。喪主は美貌の後妻・春子。先妻の子供である英作・信子・雅司の三人兄妹弟は、精一の莫大な遺産の出所に疑問を感じ、あるレコードが謎を解く鍵であることを知る。その「夏の初恋」なるSP盤には、奇妙な歌詞が…。富豪の遺族が踏み込んだ時空の迷宮。本格ミステリを凌駕する圧倒的パワー。「RPG試案ー夫婦遍歴」併録。
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
邪眼鳥 | 1997 | ホラーかと思ったら、すごく意味が深そうな、SFというよりは難解なファンタジー。 |
コメント