別名、バーナビー・ロス。
キーワード:
名探偵エラリー・クイーン、ドルリー・レーン
太字作品や★★★★★が特におすすめです。
エラリー・クイーン ローマ帽子の謎
原題: THE ROMAN HAT MYSTERY
著者: エラリー・クイーン
Elary Queen
発表: 1929年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:真鍋博
価格: 400円
宣伝文句
衆人環視のローマ劇場内で,突然、鋭い悲鳴がおこり、つぎの瞬間、死体となった正装の弁護士が発見された。唯一の手がかりは、正装につきものの,シルクハットが紛失していることだったが……。彗星のように出現したヴァン・ダインに対抗して、エラリー・クイーンが書きあげた本書は,彼の輝かしき処女作であると同時に、国名シリーズ十部作の皮切りともなった。“読者よ,すべての手がかりは与えられた。犯人は誰か?”と作者がフェア・プレイで読者に挑戦する。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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ローマ帽子の謎 THE ROMAN HAT MYSTERY | 1929 | 井上勇 | ミステリ界で最も生真面目で面白くないエラリーのデビュー作。読者への挑戦を開発した意味が大きい。 |
エラリー・クイーン シャム双子の謎
原題: THE SIAMESE TWIN MYSTERY
著者: エラリー・クイーン
Elary Queen
発表: 1933年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:真鍋博
価格: 450円
宣伝文句
猛火に四方を取りまかれたインディアン部落。そのさびしい深山の絶頂に閉じこめられた十一人の男女。そのなかに,わがクイーン警視父子がいる。文明世界から隔絶された炎と煙とに包まれた山荘に,はだかの魂をまるだしにして相剋する人間像は凄絶である。あいついで起こる奇怪な殺人。舞台も異常,登場人物も異常,条件も異常。異常ずくめのなかで,エラリーが十中九までの死の運命を背後にして犯人と死闘する。まったく、作者のいうとおり,これは尋常普通の物語ではない。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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シャム双子の謎 THE SIAMESE TWIN MYSTERY | 1933 | 井上勇 | 山火事で閉じ込められた山荘という異常な設定が、否応なく緊迫感を盛り上げる。読者に挑戦している暇もない。 |
エラリー・クイーン Xの悲劇
原題: The Tragedy of X
著者: エラリー・クイーン Ellery Queen
発表: 1932年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:日下弘
価格: 360円
宣伝文句
おりしも降り出した雨の中を進む満員の市電の中で、婚約披露をすませたばかりのウォール街の株式仲買人が殺された。凶器はポケットにはいっていた小さなコルク玉。これには恐ろしいニコチン液を塗った針が無数にささっていた。巧妙な密室犯罪である。容疑者は続々とあらわれたが、決め手がない。やがて第二の殺人がおこなわれた。被害者は先日の市電の車掌だった……。聾者の探偵、名優ドルリー・レーンの捜査は意外に、あざやかに進められる。本格推理小説の王者クイーンの四部作のトップを飾る名作!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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Xの悲劇 | 1932 | 見えない人物、一人二役で自分を消す犯人など、パズルとして優れている。変装の名人レーンがサム警部になりかわって調査するのは、ちょっとずるいか。そもそもXが犯人を暗示しているが、かなり当時の時代環境によるので、今では予想もつかない。 |
エラリー・クイーン Yの悲劇 ★★★★★
原題: The Tragedy of Y
著者: エラリー・クイーン Ellery Queen
発表: 1933年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:日下弘
価格: 360円
宣伝文句
行方不明がつたえられた富豪ヨーク・ハッターの死体がニューヨーくの湾口に揚がった。死因は溺死ではなく毒物死だった。発端の事件につづいて、そろいもそろって常軌を逸した病毒遺伝の一族のあいだに、目をおおうような惨劇がくり返される。名探偵レーンの推理によれば、犯人はある人物にまちがいなかった。しかし、その人物が現実の問題として犯人であることは不可能なのだ。このおそるべき矛盾は、いったいなにを意味するのか? エラリー・クイーンが、ロス名義で発表した四部作の最大傑作で、その周到な伏線と明晰な解明の論理は、読者のすぺてを魅了する。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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Yの悲劇 | 1933 | 一癖も二癖もある家族たちの一家での連続殺人事件、怪しいといえば、皆怪しく見える。まったく新しい動機を提案した点で偉大。周到な計画と稚拙な実行がヒントで、殺人者がXならば、計画者はYだ。 |
エラリー・クイーン Zの悲劇
原題: The Tragedy of Z
著者: エラリー・クイーン Ellery Queen
発表: 1933年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:日下弘
価格: 320円
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政界のボスとして著名な上院議員が、自室の机の上に倒れていた。まだ生暖かい死体にはナイフが柄まで通っていた。ニュースはたちまち町中に広がった。被害者のまわりには多くの政敵と怪しげな人物がひしめいていた。所有物の中から出てきた一通の手紙には、恐ろしい脅迫の言葉と謎のZの文字が並べてあった。監獄の死刑囚と上院議員とのあいだにある不可解な謎……事件担当の地方検事にさえ疑わしいかげがただよっている。錯綜した二つの事件の渦中にとび込むのは、ニューヨーク警視庁警部サムの娘、頭がよくて美しいペーシェンスと名優探偵ドルリー・レーン!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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Zの悲劇 | 1933 | 美人探偵ペーシェンス初登場! 彼女は次の作品の「レーン最後の事件」で重要な役割を果たすので、その伏線ともいえる。容疑者を論理的に除外していけば、最後に残ったものが、どんなに信じにくくとも犯人だ。 |
エラリー・クイーン レーン最後の事件
原題: Drury Lane’s Last Case
著者: エラリー・クイーン Ellery Queen
発表: 1934年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:日下弘
価格: 400円
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「X」「Y」「Z」の三大悲劇の最後を飾る本編をもって、エラリー・クイーン不朽の四部作は完結する。引退したサム警部とその娘ペーシェンスの事務所に奇妙な依頼人が現れる。事件はシェークスピアの初版本にからまるもので、真相が究明されれば世界文学史の定説をくつがえすかもしれぬような大問題を秘めている。サムの要請によってシェークスピア劇の名優で書誌学者のレーンが出馬する。レーンの輝かしい探偵経歴の最後となった犯罪学史上前例のない大事件!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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レーン最後の事件 | 1934 | 前作、X,Y,Zの三部作はこの作品のための、大いなる布石であり、レーンやペーシェンスはこのために創作されたといって良い。結果的にレーンは死ぬので、このシリーズの終了する。古書ものとして、シェークスピアがらみの話題も面白い。 |
エラリー・クイーン エジプト十字架の謎
原題: The Egyptian Cross Mystery
著者: エラリー・クイーン Ellery Queen
発表: 1932年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:真鍋博
価格: 400円
宣伝文句
Tの字形のエジプト十字架に、次々とはりつけにされて死んでいた小学校長、百万長者、快速船をあやつるスポーツマン、そして素性がわからない男の、四つの首なし死体。その秘密を知るものは四人しかいない。エラリー・クイーンはついにさじを投げた。しかし、最後にいたって見つけた、たった一つのヨードチンキのびんから、もつれにもつれた事件の謎は快刀乱麻一挙に解決された。あらゆる近代の快速交通機関を利用して四州にまたがり、550マイルにのぼるスリル満点の犯人の追跡。そして読者の前に突如として突き出された犯人は、はたしてなんぴとであったか? クイーンが会心の微笑をもらして読者に挑戦する快作の一つ。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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エジプト十字架の謎 | 1932 | エジプトに関する蘊蓄はまったくといっていいほどなく、むしろ事件の背景には東欧出身者の陰惨な復讐劇がからんでいる。なぜ首を切られて磔にされているかが鍵。 |
エラリー・クイーン エラリー・クイーンの冒険
原題: The Adventures of Ellery Queen
著者: エラリー・クイーン Ellery Queen
発表: 1934年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:日下弘、足立秀夫
価格: 400円
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その男は、なぜひとりだけ色変りのネクタイをしていたのか? なぜ、その猫ぎらいの婆さんは毎週、猫を一匹ずつ買わなければならなかったのか? どうしてその男は同じ本を十一冊の買ったり盗んだりしたのか? 犯人が三人ともびっこだったのは、どうしたわけか? 殺された男はなぜ、女の肖像画に口ひげを生やさせたのか?……等々。クイーンの明快な論理は、たちどころに、二と二を足して四とでて読者を唖然とさせる好短編ぞろい。作者の得意の微笑が、読む者をも微笑させずにはおかないであろう。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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アフリカ旅商人の冒険 The Adventure of the African Traveler | 不明 | 井上勇 | エラリーと学生たちの公開応用犯罪推理は四通り。 |
首つりアクロバットの冒険 The Adventure of the Hanging Acrobat | 不明 | 井上勇 | サーカスの美女曲芸師が、わざわざ絞殺された理由。 |
一ペニイ黒切手の冒険 The Adventure of the One-Penny Black | 不明 | 井上勇 | 次々と同じ本が奪われるという、よくあるような話がひとひねり。 |
ひげのある女の冒険 The Adventure of the Bearded Lady | 不明 | 井上勇 | ひげのある女の肖像の意味は、簡単なクイズ。 |
三人のびっこの男の冒険 The Adventure of the Three Lame Men | 不明 | 井上勇 | 高級娼婦が殺された部屋には三通りの靴跡があるが、どれもびっこをひいている。 |
見えない恋人の冒険 The Adventure of the Invisible Lover | 不明 | 井上勇 | 犯人は殺人の状況を変えられる立場にある。 |
チークのたばこ入れの冒険 The Adventure of the Teakwood Case | 不明 | 井上勇 | 昔はみなヘビースモーカーだった。 |
双頭の犬の冒険 The Adventure of ”The Two-Headed Dog” | 不明 | 井上勇 | ケルベロス(地獄の番犬)の頭が二つというのは聞いたことがない。 |
ガラスの丸天井付き時計の冒険 The Adventure of the Glass-Domed Clock | 不明 | 井上勇 | 殺された老人は11歳と半分! |
七匹の黒猫の冒険 The Adventure of the Seven Black Cats | 不明 | 井上勇 | 同じ黒猫が殺された理由はもっともだ。 |
エラリー・クイーン エラリー・クイーンの新冒険
原題: The New Adventures of Ellery Queen
著者: エラリー・クイーン Ellery Queen
発表: 1935年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:日下弘、足立秀夫
価格: 400円
宣伝文句
クイーンの作品のなかで屈指の傑作といわれている中編「神の灯」以下八編を収録する。大邸宅を忽然として地上から消し、ふたたび忽然と出現させる大トリックを、魔術師クイーンはいかにして演出するだろうか? それから血をふく肖像画は? 五匹の竜が体内に宿していた秘密とは? それにまた、この作品集で、クイーンは興味満点の趣向を試みている。スポーツを四つ並べてテーマにしているのだ。競馬、ボクシング、野球、フットボール……。彼の長編になじんだ読者は、珠玉の短編を得て、あらためてエラリー・クイーンに脱帽するだろう。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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神の灯 The Lamp of God | 不明 | 井上勇 | 一夜にして家を消してしまうという、その後けっこうまねされた大トリック。 |
宝捜しの冒険 The Adventure of the Treasure Hunt | 不明 | 井上勇 | 将軍の家で盗まれた宝石を、安全に外に出す方法。 |
がらんどう竜の冒険 The Adventure of the Hollow Dragon | 不明 | 井上勇 | 竜のドア・ストップの中は空洞で、中に金が隠してあったのか? |
暗黒の家の冒険 The Adventure of the House of Darkness | 不明 | 井上勇 | 真っ暗な家の中で確実に狙撃する方法。 |
血をふく肖像画の冒険 The Adventure of the Bleeding Portrait | 不明 | 井上勇 | 現代によみがえる、呪いの肖像画の原因は偶然。 |
人間が犬をかむ Man Bites Dog | 不明 | 井上勇 | 野球のワールド・シリーズで、スター選手が毒殺された! |
大穴 Long Shot | 不明 | 井上勇 | 確実に競馬で大もうけするには……。 |
正気にかえる Mind Over Matter | 不明 | 井上勇 | ボクシングのヘビー級タイトル・マッチで、エラリーの外套が盗まれたわけ。 |
トロイヤの馬 Trojan Horse | 不明 | 井上勇 | アメフトのローズ・ボウルで盗まれた宝石の超意外な隠し場所。 |
エラリー・クイーン チャイナ橙の謎
原題: The Chinese Orange Mystery
著者: エラリー・クイーン Ellery Queen
発表: 1934年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:真鍋博
価格: 340円
宣伝文句
宝石と切手収集家として著名な出版業者の待合室で、身元不明の男が殺されていた。しかも驚くべきことには、被害者の着衣をはじめ、その部屋の家具もなにもかも、動かせるものはすぺて”さかさま”にひっくり返してあった。この”あべこべ”殺人の謎は何を意味するのか? 犯人はなんの必要があって、すぺてのものを、あべこべにしたのだろう?
帯、カバー、裏表紙等から引用
ニューヨーク・タイムズはクイーン最大の傑作と激賞したが、事実、国名シリーズの中でも、卓抜した密室殺人事件として、特異の地位を占める名作である。
タイトル | 発表 | 感想 |
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チャイナ橙の謎 | 1934 | 中国の古い切手に関する密室殺人。すぺてのものを逆にするのは、結局何かを隠すためだ。全く関係なさそうな橙も最後に意味をもつが、アッというほどではない。 |
エラリー・クイーン ニッポン樫鳥の謎
原題: The Door Between
著者: エラリー・クイーン Ellery Queen
発表: 1937年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:真鍋博
価格: 340円
宣伝文句
ニューヨークの中心のマンハッタンの一隅に閑雅な詩趣を誇る日本庭園。そこに棲む一羽のカシドリが、東京帝国大学教授の娘である女流作家の死にまつわる謎をいかにしてついばむか? ノーベル賞受賞の癌研究者とエラリー・クイーンの頭脳比べは、どちらに凱歌があがるか? 事件の背景が日本にある点でも、国名シリーズの他の諸編とはちがって日本の読者の興趣をかきたてるだろう。華麗から重厚への転換期にあたって、クイーンがありったけの日本の知識を披露する。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
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ニッポン樫鳥の謎 | 1937 | ありったけの知識がどうもトンチンカンなのは、この時代ではしょうがないか。樫鳥とは、つまり沖縄の’かけす’のことで、珍鳥らしい。一見密室の中での死に、この鳥が重要な役割を果たしている。 |
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