太字作品や★★★★★が特におすすめです。
- ガストン・ルルー 黄色い部屋の謎
- E・C・ベントリー トレント最後の事件
- A・A・ミルン 赤い館の秘密
- イーデン・フィルポッツ 赤毛のレドメイン家
- A・E・W・メースン 矢の家
- E・D・ビガーズ チャーリー・チャンの活躍
- アントニイ・バークリー 毒入りチョコレート事件
- フランシス・アイルズ 殺意
- ジョセフィン・テイ 時の娘
- ジョルジュ・シムノン サン・フォリアン寺院の首吊人 ★★★★★
- ロジャー・スカーレット エンジェル家の殺人 ★★★★★
- リチャード・ハル 伯母殺人事件
- E・S・ガードナー 義眼殺人事件
- レックス・スタウト 腰ぬけ連盟
- レックス・スタウト マクベス夫人症の男
- デュ・モーリア レベッカ 上巻
- デュ・モーリア レベッカ 下巻
- B・S・バリンジャー 歯と爪
- セバスチアン・ジャプリゾ シンデレラの罠
- ウィリアム・アイリッシュ 幻の女 ★★★★★
- マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー 笑う警官
- ハリー・ケメルマン 土曜日ラビは空腹だった
- ジョナサン・キャロル 死者の書
- ジュリアン・シモンズ 知られざる名探偵物語
- ハワード・E・ゴールドフラス 裁判長が殺した
- ドン・ペンドルトン 眼と眼が
- アーロン・エルキンス 古い骨
- アルトゥーロ・ペレス・レベルテ フランドルの呪画
- アルトゥーロ・ペレス・レベルテ 呪のデュマ倶楽部 ★★★★★
- ジム・モーティマー 心理探偵フィッツ
- ブルース・ペイリー 切り裂きジャックの真相
- エリエット・アベカシス クムラン
- エリエット・アベカシス 黄金と灰
- ロス・キング 謎の蔵書票
- アーサー・ヘイリー 殺人課刑事
- ギルバート・アデア 閉じた本
- カルロス・ルイス・サフォン 風の影 上巻
- カルロス・ルイス・サフォン 風の影 下巻
- パトリシア・コーンウェル 切り裂きジャック
ガストン・ルルー 黄色い部屋の謎
原題: LES MYSTERE DE LA CHAMBRE JAUNE
著者: ガストン・ルルー
Gaston Leroux
発表: 1907年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:司修
価格: 340円
宣伝文句
通称ぶな屋敷と呼ばれるスタンガースン博士邸の「黄色い部屋」で、奇々怪々な事件が突発した。内部から完全に密閉された部屋の中から令嬢の悲鳴が聞こえ、救援にかけつけた一同がドアをこわしてとび込んだ時、血の海の中には令嬢が倒れているだけ——犯人は空中に消えてしまったのか、その姿はどこにも見あたらなかった。この驚くべき密室の秘密ととりくむのは、若干十八歳の新聞記者ルールタビーユ。密室犯罪と意外なる犯人に二大トリックを有する本編は、フランス本格派を代表する傑作として、世界ベスト・テンの上位に選ばれる名作中の名作。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
黄色い部屋の謎 LES MYSTERE DE LA CHAMBRE JAUNE | 1907 | 宮崎嶺男 | トリックは物理的だけではなく、心理的にもありえる。古典中の古典。 |
E・C・ベントリー トレント最後の事件
原題: TRENT’S LAST CASE
著者: E・C・ベントリー
E. C. Bentley
発表: 1913年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:金子三蔵
価格: 300円
宣伝文句
アメリカ財界の大立者,巨人マンダースンが別邸で頭を撃たれて即死した。その結果,ウォール街の投機市場は旋風のような経済恐慌にみまわれ大混乱をきたした。重要な容疑者は美貌の未亡人であった。敏腕な新聞記者ですぐれた画家トレントは怪死事件の解決に出馬する………………。盟友G・K・チェスタトンの要請にこたえて作者ベントリーが書きおろしたこの一作は,果然、前世紀の推理小説から大きく前進して,現代推理小説の黎明を告げる記念碑的な名作となった。その独創的な大トリックの妙と,従来タブーとされていた探偵と恋愛の有機的結合は,実に心にくいほどの成功をおさめている。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
トレント最後の事件 TRENT’S LAST CASE | 1913 | 大久保康雄 | 名探偵トレント登場。ヴァン・ダインの二十則に違反しているのが、たまに傷。しかし、これまた必修の古典。 |
A・A・ミルン 赤い館の秘密
原題: THE RED HOUSE MYSTERY
著者: A・A・ミルン
A. A.Milne
発表: 1921年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:広橋桂子
価格: 320円
宣伝文句
「熊のプーさん」で有名な英国の劇作家ミルンが書いた唯一の推理小説。しかし、この一作によって、ミルンの名が推理小説史上に残るほどの名作が誕生することになった。暑い夏の昼さがり、赤い館を15年ぶりに訪れたオーストラリア帰りの兄が殺され、しかも、その家の主人公は姿を消してしまった。二人のしろうと探偵のかもし出す軽妙な風格と、専門家はだしの巧妙なトリックは、通人の珍重するキャビアの味と評されるゆえんである。英国本格派の伝統をふまえた作品で、作中にちりばめられたユーモアは無類である。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
赤い館の秘密 THE RED HOUSE MYSTERY | 1921 | 大西尹明 | 名探偵ギリンガム登場。銃による殺人事件のわりに妙にのんびりしているのは、作者ゆえか。必修の古典。 |
イーデン・フィルポッツ 赤毛のレドメイン家
原題: The Red Redmaynes
著者: イーデン・フィルポッツ
Eden Phillpotts
発表: 1922年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:日下弘
価格: 400円
宣伝文句
この小説の読者は、前後三段にわかれた万華鏡が、三回転するかのごとき鮮かに異なった印象を受けることに一驚を喫するであろう。第一段は前半までの印象であって、そこには不思議な犯罪のほかに美しい風景もあり、恋愛の葛藤さえある。第二段は後半から読了までの印象であって、ここに至って読者はハッと目のさめるような生気に接する。そして二段返し、三段返し、底には底のあるプロットの妙に、おそらく息をつく暇もないにちがいない。一ヵ年以上の月日を費してイタリアのコモ湖畔におわる三重四重の奇怪なる殺人事件が犯人の脳髄に描かれる緻密なる「犯罪設計図」にもとづいて、一分一厘の狂いなく、着実冷静に執行されていった跡は驚嘆のほかはない。そして読後日がたつにつれて、またしてもがらりと変わった第三段の印象が形づくられてくるのだ。万華鏡は最後のけんらんたる色彩を展開するのだ。
帯、カバー、裏表紙等から引用
江戸川乱歩
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
赤毛のレドメイン家 | 1922 | 著者は詩人でもあるので、やたらと散文調に自然の美しさを謡い上げるのは、ミステリとしては、ややわずらわしい感もある。しかし、それ以上に描かれている犯人の悪の魅力は素晴らしい。恋愛感情で判断を誤る刑事が、なんとも間抜けだ。 |
A・E・W・メースン 矢の家
原題: THE HOUSE OF THE ARROW
著者: A・E・W・メースン
A. E. W. Mason
発表: 1924年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:司修
価格: 360円
宣伝文句
ジャンヌ=マリ・ハーロウ夫人がなくなってその遺産は養女のベティに残されることになった。ところが、夫人の義弟ワベルスキーなる怪人物が登場して、恐喝に失敗するや、ベティが夫人を毒殺したのだと警察へ告発した。孤立無援の少女ベティはハーロウ家の顧問弁護士に救いを求め、いっぽう、パリ警視庁からはアノー名探偵が現地に急行する。執拗な悪念をいだく犯人と、これに対する探偵の火花をちらす心理闘争は本書の圧巻で、犯罪心理小説の変型としても、サスペンスの横溢している点では類例のすくない傑作!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
矢の家 THE HOUSE OF THE ARROW | 1924 | 福永武彦 | 名探偵アノー登場。もちとん現在の作品ほど刺激はないが、必修の古典。 |
E・D・ビガーズ チャーリー・チャンの活躍
原題: CHARLIE CHAN CARRIES ON
著者: E・D・ビガーズ
E. D. Biggers
発表: 1930年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:日下弘
価格: 340円
宣伝文句
平和な世界一周観光船の中に突如として殺人事件が発生した。アメリカの老富豪がまずロンドンで絞殺され、観光船がパリ、南仏、イタリアと移動するにつれて、姿なき船内の殺人鬼は、つぎつぎに犠牲者を求めて跳梁する。事件は未解決のまま、やがてロンドン警視庁ダフ警部の手からハワイ警察のチャーリー・チャン警部にひきつがれることになった。中国人の英知と洞察力を秘めたチャン警部の推理は、なにを手がかりにしてこのこの怪事件の真相を看破するのか? チャーリー・チャン・シリーズとして一世を風靡した名作の完訳版!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
チャーリー・チャンの活躍 CHARLIE CHAN CARRIES ON | 1930 | 佐倉潤吾 | 名探偵チャーリー・チャン登場。東洋の英知の代表としての中国人か。やや必修の古典。 |
アントニイ・バークリー 毒入りチョコレート事件
原題: THE POISONED CHOCOLATES CASE
著者: アントニイ・バークリー
Anthony Berkeley
発表: 1929年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:日下弘、足立秀夫
価格: 400円
宣伝文句
ベンディックス卿夫妻は友人宛にチョコレート製造会社から送られた新製品を試食したところ、夫人は死亡し、夫は命をとりとめた。会社はその製品は作っていないという。卿夫妻を殺害して利益を得る者もいない。殺人狂の仕業か? シェリンガムを会長とする犯罪研究会の面々はその推理力と探偵能力を結集して犯人の調査に乗り出した。会員六人六様の推理と解決策。同一事件に対して示される六種の視点と証明法。本格推理文学の典型的手法を縦横に駆使した古典的名作。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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毒入りチョコレート事件 THE POISONED CHOCOLATES CASE | 1929 | 高橋泰邦 | 「虚無への供物」(参照)と同様に、各々が勝手に推理を披露する形式の最初の作品。ミステリとしての別の面白さを追求した古典。 |
フランシス・アイルズ 殺意
原題: MALICE AFORETHOUGHT
著者: フランシス・アイルズ
Francis Isles
発表: 1931年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:日下弘、足立秀夫
価格: 480円
宣伝文句
イギリスの田舎町の開業医ビクリー博士は、妻のジュリアを殺そうと決意し、周到な計画のもとに犯行へと移った。完璧を誇る殺害計画、犯行過程の克明な描写、捜査の警官との応酬、完全犯罪を目前に展開される法廷での一喜一憂、そして意外な結末は殺人鬼の心理を描いてあますところがない。ストーリイを探偵の側からではなく犯人の側から描く倒叙推理小説に、新しい生命を吹きこんだ英国推理作家クラブの設立者、本名アンソニー・バークリー・コックスが描く本書は、クロフツの「クロイドン発12時30分」リチャード・ハルの「伯母殺人事件」と並ぶ倒叙推理小説の三大名作の一つである。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
殺意 MALICE AFORETHOUGHT | 1931 | 大久保康男 | フランシス・アイルズはアントニー・バークリーの別名。 犯人の視点から語る倒叙形式の教科書としての古典。ミステリの質はまた別の話。 |
ジョセフィン・テイ 時の娘
原題: The Daughter of Time
著者: ジョセフィン・テイ Josephine Tey
発表: 1930年
発行所: ハヤカワ文庫
カバーアート:
価格: 600円
宣伝文句
真理は時の娘
帯、カバー、裏表紙等から引用
-古い諺ー
薔薇戦争の昔、王位を奪うためにいたいけな王子を殺害したとして悪名高いリチャード三世─彼は本当に残虐非道を尽くした悪人だったのか? 退屈な入院生活を送るグラント警部は、ふとしたことから手にした肖像画を見て疑問を抱いた。警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード三世の素顔を推理する。安楽椅子探偵ならぬべッド探偵登場! 探偵小説史上に燦然と 輝く歴史ミステリの名作。
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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時の娘 The Daughter of Time | 1930 | 小泉喜美子 | イギリスの歴史におけるヨーク家とランカスター家の争いと、主人公の屈辱的な状況に対する救いを描いた物語。 マータとジョブリイはそれぞれの興味について話し、肖像画や顔の研究に興味を持つ。グラントはリチャード三世についてのミステリーに興味を持ち、歴史の本を探す。 リチャードは戦死し、彼の個性的な人物としての側面が歴史の本にも記されていた。 名探偵が休養中に、暇つぶしに歴史上の定説をひっくり返す、というパターンを確立した作品。問題はこのテーマであるイギリスの悪王が、よほどの英国史好きでなければ興味がわかず、入れこめないことだ。多くの日本人にとっては、微に入り細に入り論証されても、「ああ、そうですか」という感想しか出ない。後の作品に影響を与えた元祖として参考にする程度にどうぞ。 |
ジョルジュ・シムノン サン・フォリアン寺院の首吊人 ★★★★★
原題: LE PENDU DE SAINT PHOLIEN
著者: ジョルジュ・シムノン
Georges Simnon
発表: 1931年
発行所: 角川文庫
カバーアート:十河雅典
価格: 180円
宣伝文句
男はメーグレの目前でピストル自殺をとげた。この浮浪者同然の男が、ブラッセルで3万フランの大金を送るのを目撃して以来、警部は後を尾けていたのだ。遺品はすりきれた黒い鞄一つ。中にはぼろにひとしい古着が一着。 鑑識の結果、上着には10年以上前に付着したと思われる、かすかな血痕があった。そして不可解なことに、自殺した男は生前、大金を各地からパリの自宅に送っては、それをすべて燃やしていたというのだ。 執拗なメーグレの捜査のまえに、死んだ浮浪者の哀切な過去と、かつてのおぞましい事件が再現されてゆく——。 妖異なムードを湛えた、シムノン推理の異色傑作。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
サン・フォリアン寺院の首吊人 LE PENDU DE SAINT PHOLIEN | 1931 | 水谷準 | 巧妙な導入部分と、意外な真相。情深いメグレ警部は、犯罪を公にすることは亡かった。後に乱歩の「幽鬼の塔」として翻案された。 |
ロジャー・スカーレット エンジェル家の殺人 ★★★★★
原題: Murder Among the Angells
著者: ロジャー・スカーレット
Roger Scarlett
発表: 1932年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:ひらいたかこ
価格: 400円
宣伝文句
エンジェル家は、まるで牢獄のような陰気な外観をもつ家だった。しかも内部は対角線を引いたように二分され、年老いた双子の兄弟が、それぞれの家族を率いて暮らしていた。彼らを支配しているのは長生きしたほうに全財産を相続させるという、いまはなき父の遺言だった。そして、死期の近いことを感じた双子の兄が、遺言の中身を変更することを弟に迫ったときから、すべての悲劇ははじまる。愛憎うず巻く二つの家族の間に起こる連続殺人事件を、たくみなストーリー展開と、もりあがるサスペンスによって描いた密室ものの古典的名作、完訳決定版!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 感想 |
---|---|---|
エンジェル家の殺人 | 1932 | 二転三転する遺産の行方、最後に犯人を罠にかける緊張感、無駄のない構成などミステリの教科書のような古典的傑作。動機が金ではないのは、女流作家の面目躍如か。 |
リチャード・ハル 伯母殺人事件
原題: THE MURDER OF MY AUNT
著者: リチャード・ハル
Richard Hull
発表: 1935年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:日下弘
価格: 320円
宣伝文句
アイルズの「殺意」、クロフツの「クロイドン発12時30分」と並ぶ倒叙推理小説三大名作の一つ。遺産をねらって、伯母を殺そうとたくらむ男が試みる可能性の犯罪! 一度二度三度、彼の執拗な計画の前に、いまや伯母の命は風前の灯となったが——がぜん、後半にいたって物語は意外な展開を示す。犯罪者の側から周到な計画とその実行を描く、新形式の倒叙推理のおもしろさを満喫させる代表作。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
伯母殺人事件 THE MURDER OF MY AUNT | 1935 | 大久保康男 | 倒叙ものの古典的傑作。失敗に次ぐ失敗が、むしろ笑える。 |
E・S・ガードナー 義眼殺人事件
原題: THE CASE OF COUNTERFEIT EYE
著者: E・S・ガードナー
E. S. Gardner
発表: 1935年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:日下弘
価格: 320円
宣伝文句
メイスン弁護事務所を訪れた新しい依頼人は,義眼の男だった。男は,ゆうべ自分の精巧な義眼を紛失し,それが犯罪の現場に悪用されるのを恐れていると訴えた。やがて、義眼を握って殺されている死体が発見され、嫌疑はメイスンの依頼人にかかった。メイスンは私立探偵ドレイクを使って検事側の先手を打とうとしたが失敗し、第二の殺人を招くことになる。法廷に立ったメイスンの胸中の秘策は、死刑判決から依頼人を救えるかどうか?メイスン・シリーズの最大傑作!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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義眼殺人事件 THE CASE OF COUNTERFEIT EYE | 1935 | 小西宏 | 名弁護士ペリー・メイスン登場。法廷ものの古典的な教科書。 |
レックス・スタウト 腰ぬけ連盟
原題: THE LEAGUE OF FRIGHTENED MEN
著者: レックス・スタウト
Rex Stout
発表: 1935年
発行所: ハヤカワ・ミステリ文庫
カバーアート:和田誠
価格: 460円
宣伝文句
その日の朝刊は新進作家ポール・チャピンの小説が猥褻か非猥褻かをめぐる裁判に大きな紙面をさいていた。ネロ・ウルフは助手のアーチーにその小説を買いに行かせた。それも道理、チャピンこそウルフが依頼をうけた事件一贖罪連盟なる団体のメンバーが次々と怪死した事件の鍵を握る人物だった。メンバーに送られてくる脅迫めいた手紙は、いずれもチャピンが書いたものらしい。彼の過去には脅迫を裏づける重大な理由が隠されていた。連盟の中に新たな犠牲者が生まれようとしている!ユーモラスな筆致と鋭い性格描写、美食家探偵の本格推理。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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腰ぬけ連盟 THE LEAGUE OF FRIGHTENED MEN | 1935 | 佐倉潤吾 | アーチーの軽口が実にアメリカっぽい。美食が美味そうに見えないのが難。 |
レックス・スタウト マクベス夫人症の男
原題: PLEASE PASS THE GUILT
著者: レックス・スタウト
Rex Stout
発表: 1973年
発行所: ハヤカワ・ミステリ文庫
カバーアート:和田誠
価格: 400円
宣伝文句
ウルフの友人の医者が持ってきた話はなんとも奇妙なものだった。精神科医が見放した患者の話を聞いてやってくれというのだが、その患者の症状とは、両手が血まみれになり、他人にはそれが見えないということらしい。やがてやって来た男は、かなり重症のようだが、そのわけを打ち明けようとはしなかった。ただ、最近ある航空会社の副社長が爆弾で殺される事件があり、この男はそこの社員であることがわかった。事件の背後には、一体何が隠されていたのか? 美食と蘭を愛するウルフと機敏なアーチーの活躍を描くシリーズ第5弾!本邦初訳。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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マクベス夫人症の男 PLEASE PASS THE GUILT | 1973 | 山本博 | 使い走りのアーチーと動かぬネロ・ウルフが難事件を解決するシリーズ。出不精の彼は、もちろんデブ。 |
デュ・モーリア レベッカ 上巻
原題: REBECCA 1
著者: デュ・モーリア
Daphne du Maurier
発表: 1938年
発行所: 新潮文庫
カバーアート:岡本半三
価格: 200円
宣伝文句
内容紹介(「BOOK」データベースより)
帯、カバー、裏表紙等から引用
ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見たーこの文学史に残る神秘的な一文で始まる、ゴシックロマンの金字塔、待望の新訳。海難事故で妻を亡くした貴族のマキシムに出会い、後妻に迎えられたわたし。だが彼の優雅な邸宅マンダレーには、美貌の先妻レベッカの存在感が色濃く遺されていた。彼女を慕う家政婦頭には敵意の視線を向けられ、わたしは不安と嫉妬に苛まれるようになり…。
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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レベッカ 上巻 REBECCA 1 | 1938 | 大久保康雄 | 新妻は前妻の影に不信を抱く。現代にも通じるサスペンスの王道。 |
デュ・モーリア レベッカ 下巻
原題: REBECCA 2
著者: デュ・モーリア
Daphne du Maurier
発表: 1938年
発行所: 新潮文庫
カバーアート:岡本半三
価格: 590円
宣伝文句
内容紹介(「BOOK」データベースより)
帯、カバー、裏表紙等から引用
マンダレーで開かれた豪華な仮装舞踏会の翌日、海底から発見されたレベッカのヨット。キャビンには、一年以上前に葬られたはずの彼女の死体があったー。混乱するわたしにマキシムが告げた、恐ろしい真実。変わらぬ愛を確信し、彼を守る決意を固めるわたし。だが、検死審問ののちに、マキシムすら知らなかったレベッカの秘密が明らかになっていく。魅惑のサスペンス、衝撃の結末。
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
レベッカ 下巻 REBECCA 2 | 1938 | 大久保康雄 | しかし、現代の日本人には2時間ドラマのようでもあり、どうにもレディース感がオヤジにはきついです。 |
B・S・バリンジャー 歯と爪
原題: THE TOOTH AND THE NAIL
著者: B・S・バリンジャー
B. S. Ballinger
発表: 1955年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:金子三蔵
価格: 340円
宣伝文句
彼の名はリュウ。生前、彼は奇術師だった——ハリー・フーディニやサーストンと同じような手品師、魔術師で、その方面ではすばらしい才能をもっていた。ただ、早死にしたため、ハリーやサーストンほど有名にならなかっただけだ。だが彼は、これらの名人すら試みなかったような一大奇術をやってのけた。まず第一に、ある殺人犯人に対して復讐をなしとげた。第二に自分も殺人を犯した。そして第三に彼は、その謀略工作のなかで自分も殺されたのである……。ストーリー・テリングの奇才バリンジャーが仕掛ける最後の一ページの驚くべき大トリック!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
歯と爪 THE TOOTH AND THE NAIL | 1955 | 大久保康男 | まさに奇術的な大どんでん返し。袋とじ製本でこの価格は安かった。古典の名作 |
セバスチアン・ジャプリゾ シンデレラの罠
原題: PIEGE POUR CENDRILLON
著者: セバスチアン・ジャプリゾ
Sebastian Japrisot
発表: 1962年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:本山木犀
価格: 740円
宣伝文句
わたし、ミは、火事で大火傷を負い、顔を焼かれ皮膚移植をし一命をとりとめたが、一緒にいたドは焼死。火事の真相を知るのはわたしだけだというのに記憶を失ってしまった。わたしは本当に皆の言うように大金持ちの伯母から遺産を相続するというミなのか?死んだ娘がミで、わたしはドなのではないのか?わたしは探偵で犯人で被害者で証人なのだ。ミステリ史上燦然と輝く傑作。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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シンデレラの罠 PIEGE POUR CENDRILLON | 1962 | 平岡敦 | 自分が探偵、証人、被害者、犯人の一人四役という、不思議な話。最後に至っても、どうもすっきりしない終わり方。 |
ウィリアム・アイリッシュ 幻の女 ★★★★★
原題: PHANTOM LADY
著者: ウィリアム・アイリッシュ
William Irish
発表: 1964年
発行所: ハヤカワ・ミステリ文庫
カバーアート:浜田泰介
価格: 460円
宣伝文句
その時刻、彼は、ただ一人街をさまよっていた。たまらない不快な想いを胸に、バーに立ち寄ったとき、奇妙な帽子をかぶった女に会った。形も、大きさも、色まで南瓜そっくりなオレンジ色の帽子だった。彼は気晴らしにその女を誘ってレストランで食事をし、カジノ座へ行き、酒を飲んで別れた。そして帰ってみると、喧嘩別れをして家に残してきた妻が、首に彼のネクタイを巻きつけて絞殺されていたのだ……!刻々とせまる死刑執行の日、唯一の目撃者”幻の女”はどこに……? サスペンス小説の巨匠アイリッシュの最高傑作!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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幻の女 PHANTOM LADY | 1964 | 稲葉明雄 | 異常な発端、迫るタイム・リミット、最後の大どんでん返しと全て揃ったサスペンスの傑作。しかし女の正体は気づきそうなものだが。 |
マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー 笑う警官
原題: THE LAUGHING POLICEMAN
著者: マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー
Maj Showall&Per Wahloo
発表: 1971年
発行所: 角川文庫
カバーアート:日暮修一
価格: 540円
宣伝文句
ストックホルムの街はずれの荷役場に市内循環バスがつっこんだー運転手以下、乗客の死体を満載して。軽機関銃乱射による大量殺人! 殺人課主任警視マルティンベックは現場に急行した。死体の中には部下が一人含まれているとの報も。血の海の中には、はたして拳銃を手に絶命している気鋭の若手刑事の顔があった。犠牲者はすべて偶然そのバスに乗り合わせた者ばかり。狂人の犯行説が圧倒的ななかで、死んだ刑事の生前の行動を洗うベックの前に意外な事実が浮かびあがってくる。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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笑う警官 THE LAUGHING POLICEMAN | 1971 | 高見浩 | 北欧ハードボイルドは米国のそれと違って、どうも陰鬱でとっつきにくい。 |
ハリー・ケメルマン 土曜日ラビは空腹だった
原題: SATURDAY THE RABBI WENT HUNGRY
著者: ハリー・ケメルマン
Harry Kemerman
発表: 1976年
発行所: ハヤカワ・ミステリ文庫
カバーアート:北園克衛
価格: 340円
宣伝文句
ユダヤ人にとって最も神聖な贖罪日の前夜、車の中で発見された死体は、礼拝に行かなかった科学者アイザック・ハーシュのものだった。警察は泥酔のうえの一酸化炭素中毒死と判断。ラビはハーシュの妻から教会墓地への埋葬を頼まれた。が、非教会員の埋葬を許可したラビに教会幹部の非難が集中し、自殺者の埋葬は墓地を汚すとしてラビ失墜が謀られた。かくて、自らの立場を守るため、ラビはハーシュの死の解明に乗り出してゆく!《素晴しい、正確な意味での謎解きミステリ》と絶讃された、純度高い推理と深い人間味を湛えるケメルマンの世界。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
土曜日ラビは空腹だった SATURDAY THE RABBI WENT HUNGRY | 1976 | 青木久恵 | ラビとはユダヤ教の坊主のこと。やはりユダヤ人のためのミステリ。 |
ジョナサン・キャロル 死者の書
原題: THE LAND OF LAUGHS
著者: ジョナサン・キャロル
Jonathan Caroll
発表: 1980年
発行所: 創元推理文庫
カバーアート:中川裕京
価格: 800円
宣伝文句
ぼくの目の前で、少年がトラックにはねられた。事故のあと、町の人が訊いてきた。「あの男の子、はねられる前は笑ってました?」笑って?……ここはアメリカの小さな町。一人の天才作家が終生愛した町だ。ぼくは彼の伝記を書くために逗留している。だが知らなかった、この世には行ってはならない町があることを。鬼才作家の名を一躍高からしめた、衝撃のダークファンタジイ!
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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死者の書 THE LAND OF LAUGHS | 1980 | 浅羽莢子 | ダークといっても全然怖くはなく、むしろ不条理を感じる。ミステリとしてもイマイチなので、雰囲気が好きな人向け。 |
ジュリアン・シモンズ 知られざる名探偵物語
原題: THE GREAT DETECTIVES
著者: ジュリアン・シモンズ
Julian Symons
発表: 1981年
発行所: ハヤカワ・ミステリ文庫
カバーアート:トム・アダムズ
価格: 580円
宣伝文句
名探偵─ミステリ・ファンにとってこれほど魅力的な響きを持つ存在はないだろう。本書には、ミステリを語るうえで欠くことのできぬ七人の名探偵が登場する。しかも、ホームズ引退後の事件、ポアロの生涯の全貌、マーロウの秘密などマニアでも知らない、名探偵の意外な素顔、語られざる事件、驚くべき真実が次次と明らかにされるのだ。博覧強記のシモンズが、贋作、論文、会見記など多彩なスタイルと語り口で紹介するエピソードの数々。世界的に高名なイラストレイター、トム・アダムズのカラーイラストを添えて贈る、名探偵ここだけの話。
帯、カバー、裏表紙等から引用
目次(「BOOK」データベースより)
ホームズの隠遁生活はいかに妨げられたか?/ミス・マープルとセント・メアリ・ミード村/その後のネロ・ウルフーアーチー・グッドウィンの記憶をたどって/二人のエラリイ・クイーンの秘密/メグレと盗まれた書類/エルキュール・ポアロの生涯ーアーサー・ヘイスティングズ大尉のノートに基づく/フィリップ・マーロウはいかにして誕生したか
ジュリアン・シモンズ「知られざる名探偵物語」より引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
知られざる名探偵物語 THE GREAT DETECTIVES | 1981 | 宇野利泰 | 名作ミステリの裏話集。挿絵が素晴らしいので、本を読むときの助けになる。 |
ハワード・E・ゴールドフラス 裁判長が殺した
原題: THE JUDGEMENT
著者: ハワード・E・ゴールドフラス
Howard E. Goldfluss
発表: 1986年
発行所: 文春文庫
カバーアート:佐々木悟郎
価格: 500円
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ニューヨーク州知事選に出馬を控えたスターディヴァント判事は愛人と別れようとして殺してしまう。運悪くその罪をかぶる破目になった青年の裁判を、こともあろうに当の判事が担当しようとは!針のむしろに坐るような裁判長の仮面をひっぺがすのは誰か? ニューヨーク州最高裁判事の体験を生かした、異色の法廷サスペンス。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
裁判長が殺した THE JUDGEMENT | 1986 | 青木久恵 | 日本人には馴染みが薄い法廷ドラマなので、敷居が高い。 |
ドン・ペンドルトン 眼と眼が
原題: EYE TO EYE
著者: ドン・ペンドルトン
Don Pendleton
発表: 1986年
発行所: ハヤカワ文庫
カバーアート:荒川じんぺい
価格: 460円
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おれの特殊な能力を見込んだ友人の依頼をうけ、おれはある天文台へ向かった。そこで出会った天文台の関係者らしい美貌の女性の話によれば、最近、世界有数の天体物理学者がこの天文台から姿を消したらしい。しかも、どうやら宇宙科学者の失踪事件はこれにとどまらず、ソ連でも発生している。CIA、KGBなども必死にその足どりを追っているらしいのだ。この世界的な集団失踪事件の背後にはどんな秘密が隠されているのか…広大な宇宙に源を発するコズミックな異常現象とその謎の解明に挑戦する超能力探偵アシュトン・フォードの新たな活躍
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
眼と眼が EYE TO EYE | 1986 | 石田善彦 | テレパスならば、探偵するまでもなく真実が分かる。かなりSFよりのハードボイルド。 |
アーロン・エルキンス 古い骨
原題: OLD BONES
著者: アーロン・エルキンス
Aaron Elkins
発表: 1987年
発行所: ハヤカワ文庫
カバーアート:スタジオ・ギブ
価格: 500円
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レジスタンスの英雄だった老富豪が、北フランスの館に親族を呼び寄せた矢先に事故死した。数日後、館では第二次大戦中のものと思われる人骨が発見され、さらに親族の一人が毒で……。骨を手がかりに謎を解くスケルトン探偵ギデオン・オリヴァーの本格的推理を描く、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
古い骨 OLD BONES | 1987 | 青木久恵 | 骨フェチの名探偵ギデオン・オリヴァー登場。過去の事件なので、あまり緊迫感がない。 |
アルトゥーロ・ペレス・レベルテ フランドルの呪画
原題: LA TABLA DE FLANDES
著者: アルトゥーロ・ペレス・レベルテ
Altoulo Perez Reverte
発表: 1990年
発行所: 集英社
カバーアート:白石良一
価格: 500円
宣伝文句
内容紹介(「BOOK」データベースより)
帯、カバー、裏表紙等から引用
絵画の女性修復家フリアは、15世紀の作品の修復を依頼された。X線で撮影すると、ラテン語の文字が浮かび上がる。「誰が騎士を殺害したのか?」チェスに興じる公爵と騎士、それを見守る公爵夫人を描いたこの絵、調べてみると騎士はこの絵の描かれる以前に不可解な死を遂げていた。さらに画面のチェス盤にも恐るべき事実が!そしてフリアの周囲では殺人事件が次々と起こり、彼女自身も…。
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
フランドルの呪画 LA TABLA DE FLANDES | 1990 | 佐宗鈴夫 | もちろん現実の殺人事件よりも、絵画の秘密の方が面白い。そういう時代とはいえ、タバコを吸いすぎだ。 |
アルトゥーロ・ペレス・レベルテ 呪のデュマ倶楽部 ★★★★★
原題: EL CLUB DUMMAS
著者: アルトゥーロ・ペレス・レベルテ
Altoulo Perez Reverte
発表: 1993年
発行所: 集英社
カバーアート:石井みき
価格: 600円
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内容紹介(「BOOK」データベースより)
帯、カバー、裏表紙等から引用
スペインの稀覯本狩猟家コルソは、中世に出された奇書の真贋鑑定を持ち込まれるが、その矢先著名な料理本出版社オーナーが売却したデュマの名作『三銃士』第42章の肉筆原稿の調査も依頼される。しかし、その後、オーナーは不可解な自殺を遂げ、コルソも何者かに襲われる。彼は危険を承知で、ポルトガルのシントラ、パリに飛び原稿の調査をすすめるが、周囲で殺人が次々と!「悪魔を呼び出す呪文」-奇書には恐るべき秘密が隠され、それが現実に…。そして、デュマをめぐる謎の組織の存在が…。17世紀の「悪魔の書」、19世紀の『三銃士』、そして現在。時空を超えて絡み合う、謎また謎。
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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呪のデュマ倶楽部 EL CLUB DUMMAS | 1993 | 大熊栄 | 本の探偵が、悪魔が書いたとされる本の秘密に迫る。映画にもなったが、こちらはアレクサンドル・デュマへの記述が多い。 |
ジム・モーティマー 心理探偵フィッツ
原題: CRACKER: THE MAD WOMAN IN THE ATTIC
著者: ジム・モーティマー
Jim Mortimer
発表: 1994年
発行所: 二見文庫
カバーアート:田中保次
価格: 690円
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酒やギャンブルに目がないせいで、心理学者フィッツは離婚の危機に瀕していた。そんな折り、教え子の女子学生が列車内で惨殺された全身を切り刻まれ、体毛を剃られて。彼女の両親の依頼で、フィッツはマンチェスター警察の捜査に加わる。容疑者はすぐ見つかった。が、その男は記憶喪失を主張。果たして彼の言葉は真実なのか、それとも…・英国でテレビ化された傑作サイコ・ミステリ
帯、カバー、裏表紙等から引用
。
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
心理探偵フィッツ CRACKER: THE MAD WOMAN IN THE ATTIC | 1994 | 嵯峨静江 | たいそう刺激的なわりに、やっぱりTVドラマ的に薄く安っぽい感じ。 |
ブルース・ペイリー 切り裂きジャックの真相
原題: JACK THE RIPPER: THE SIMPLE TRUTH
著者: ブルース・ペイリー
Bruce Pailey
発表: 1995年
発行所: 原書房
カバーアート:辰巳四郎
価格: 1800円
宣伝文句
仁賀克雄氏絶賛
帯、カバー、裏表紙等から引用
この書が注目されるのは、『FBI心理分析官』の著者ロバート・K・レスラーらが提唱した現代の連続殺人を科学的に分析するプロファイリングの手法を、百年前の切り裂きジャック推理にも適用しているところである。(中略)ロンドン在住の著者は公文書館や図書館のファイルから当時の資料を掘り出した。そのためデータの裏付けがしっかりしており、事件の時代的、社会的な背景描写が作品に厚みを加えている。切り裂きジャックを扱った類書の中でも読みごたえがあり、ヴィクトリア朝社会史としても一読を勧めたい本である。(解説より)
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
切り裂きジャックの真相 JACK THE RIPPER: THE SIMPLE TRUTH | 1995 | 戸根由紀恵 | プロファイリングと、膨大な資料から発掘された犯人像は、これまた本当らしく見える。 |
エリエット・アベカシス クムラン
原題: QUMRAN
著者: エリエット・アベカシス
Eliette Abecasis
発表: 1996年
発行所: 角川書店
カバーアート:小林博明
価格: 2000円
宣伝文句
内容紹介(「BOOK」データベースより)
帯、カバー、裏表紙等から引用
クムランーそれはユダヤの荒野の果て、世界から切り離された場所。その奥深くに穿たれた洞窟で、一九四七年、聖書の原本といわれる「死海文書」が見つかった。それから約五十年後、聖なる文書の盗難を皮切りに、残忍な殺人事件が起こる。考古学者ダビッドと息子アリーが突き止めた真相は、大いなる危険を孕む、聖書の預言に隠されたものだった…。そして悲劇はふたたび、ここから始まる。クムランの砂漠で見つかった惨殺死体。祭壇の上に寝かされ、丸焼きにされた肉体は、さながら神に捧げられた生け贄のようであった。被害者は考古学の世界的権威で、彼は「死海文書」のひとつ、『銅の巻物』に記されていた宝物を探っていたという。事件から二年、俗世から離れて洞窟に隠遁し、写本の修行を続けていたアリーは、必然の力によってふたたび混沌たる現世に引き戻されることに…。「死海文書」の果てしない謎をめぐり、張り巡らされる無数の因果ー処女作『クムラン』にして熱狂的な支持を集めた著者が、さらなる才智を注ぎ、神学ミステリーの新たな可能性を提示する、待望のシリーズ新作
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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クムラン QUMRAN | 1996 | 鈴木敏弘 | 哲学者というより、ユダヤ教の神学者というべき著書の、ユダヤ人のためのミステリ。 |
エリエット・アベカシス 黄金と灰
原題: L’OR ET LA CENDRE
著者: エリエット・アベカシス
Eliette Abecasis
発表: 1997年
発行所: 角川書店
カバーアート:角川書店装丁室
価格: 2000円
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ドイツの歴史家であり神学者のルードルフ・シラーが、惨殺死体で発見された。死体は真っ二つに切断され、上半身は行方不明。事件の謎を解き明かそうと、若き歴史学者のラファエルは、友人である新聞記者フェリックスと共に調査に乗り出した。様々な人物と接触をはかる中、ユダヤ人女性リザとの出会いに衝撃を覚えたラファエルは次第に変化を見せ……。
帯、カバー、裏表紙等から引用
「善」と「悪」、「神」と「悪魔」、「闇」と「光」、「ユダヤ」と「ゴイ」、「黄金」と「灰」、そしてラファエルとフェリックス-相反する二つの要素が幾重にも絡み合い、事件はますます多面化してゆく。そして謎を解く鍵は、ひとりのSSが残した一冊の茶色い手帖だった……。そこに記されているという「悪の起源」。その呪いに触れたのは誰か。悪に棲みつかれた犯人は、いったい誰なのか
弱冠二七歳にして処女作「クムラン」を発表、世界中で熱狂的な支持を得た若きアグレジェ(教授資格所有者)が放つ、驚愕の神学的スリラー。
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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黄金と灰 L’OR ET LA CENDRE | 1997 | 鈴木敏弘 | ユダヤ人のユダヤ人のためのミステリ。ユダヤ教の常識が前提になっているので、さっぱりわからない。さらに説教臭い。 |
ロス・キング 謎の蔵書票
原題: EX-LIBRIS
著者: ロス・キング
Ross King
発表: 1998年
発行所: 早川書房
カバーアート:中島かほる
価格: 2750円
宣伝文句
内容紹介(「BOOK」データベースより)
帯、カバー、裏表紙等から引用
1660年、王政復古直後のロンドン。そこで20年近く書店を営むインチボルドは、アレシアと名乗る貴婦人から行方不明の稀覯本探しを依頼された。清教徒革命中に屋敷を荒らされたときに紛失した『迷宮としての世界』を取り戻してほしいという。それは1620年代のプラハで帝国図書館のために書籍の買い付けにあたり、蔵書家としても名高かった彼女の父アンブローズ卿が遺した貴重なものだった。破格の報酬に不審の念を抱きながらも、インチボルドはアレシアの屋敷から密かに持ち出した謎の暗号文を手がかりに蔵書探しを開始する。彼が試行錯誤の末に暗号を解くと、『迷宮としての世界』を思わせる言葉が浮かびあがった。はたして、この言葉には何の意味が?謎が深まっていくなか、蔵書の行方を追うインチボルドは、自分でも知らぬうちにアンブローズ卿と三十年戦争の時代に遡る恐るべき陰謀へと呑み込まれていった!1660年のロンドンと1620年代のプラハ。40年の歳月を経て一冊の稀覯本から繙かれる壮大な謎。“博聞と好学の徒をもって任じる”書店主アイザック・インチボルドを道案内に、書籍に関する蘊蓄をちりばめて贈る話題の歴史ミステリ。
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
---|---|---|---|
謎の蔵書票 EX-LIBRIS | 1998 | 田村義進 | ミステリ本体よりも古書、歴史、宗教のウンチクが楽しい。満足感よりも満腹感か。 |
アーサー・ヘイリー 殺人課刑事
原題: DETECTIVE
著者: アーサー・ヘイリー
Arthur Hailey
発表: 1998年
発行所: 新潮社
カバーアート:西口司郎
価格: 2500円
宣伝文句
内容紹介(「BOOK」データベースより)
帯、カバー、裏表紙等から引用
「あの事件だけは、おれじゃない」電気椅子直前の連続殺人犯の告白が、マイアミ警察を震わせた。残虐無比な殺人の陰には、さらに想像を絶する狂気が潜んでいた。アメリカの警察組織と捜査手法を克明に描きだしつつ、物語は圧倒的興奮のラストへ-。エンターテインメント界の巨星が七年の歳月をかけて作り上げた、最上級のサスペンス。
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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殺人課刑事 DETECTIVE | 1998 | 永井淳 | 骨太な業界人間ドラマを見せる著者が、今回選んだのは警察。しかもちゃんとミステリになっている。 |
ギルバート・アデア 閉じた本
原題: A CLOSED BOOK
著者: ギルバート・アデア
Gilbert Adair
発表: 1999年
発行所: 東京創元社
カバーアート:三浦均
価格: 1500円
宣伝文句
交通事故で顔にひどい怪我をして眼球も失ったブッカー賞作家ポールは、郊外の家に隠棲し世間と隔絶した生活を送っていた。ある日彼は、口述筆記用助手の募集という求人広告を新聞に出す。面接に訪れた青年ジョン・ライダーは、作家ポールの無惨な顔貌にもたじろがず、みごとに職を得る。その日からポールの眼となったジョンは、作家の望む仕事、回想録の口述筆記を新しいマックであざやかにこなしていく。何も見えないポールが、現実世界を知るのはジョンの言葉を通してだけ。すべては順調に進んでいるようだったのだが、何かがおかしい……。ちょっとしたきっかけでポールは恐怖に襲われる。ジョンという眼を得たのに、実は彼は以前よりも深い闇の中に引き入れられているのかもしれない。彼の恐怖はそのまま読者の恐怖となる。いったいジョン・ライダーとは何者なのか?なぜここにいるのか? そして、結末にやってくる驚き! 会話と独自体のみで綴られた、サスペンスに満ちた傑作。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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閉じた本 A CLOSED BOOK | 1999 | 青木純子 | すべて会話で進み、それが違和感、緊張感を盛り上げる。オチとしてはイマイチか。 |
カルロス・ルイス・サフォン 風の影 上巻
原題: LA SOMBRA DEL VIENTO 1
著者: カルロス・ルイス・サフォン
Carlos Ruiz Zafon
発表: 2001年
発行所: 集英社文庫
カバーアート:岡本三紀夫
価格: 743円
宣伝文句
1945年のバルセロナ。霧深い夏の朝、ダニエル少年は父親に連れて行かれた「忘れられた本の墓場」で出遭った『風の影』に深く感動する。謎の作家フリアン・カラックスの隠された過去の探求は、内戦に傷ついた都市の記憶を甦らせるとともに、愛と憎悪に満ちた物語の中で少年の精神を成長させる…。17言語、37ヵ国で翻訳出版され、世界中の読者から熱い支持を得ている本格
帯、カバー、裏表紙等から引用
的歴史、恋愛、冒険ミステリー。
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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風の影 上巻 LA SOMBRA DEL VIENTO 1 | 2001 | 木村裕美 | ミステリというよりは、少年の成長と冒険の物語。なんだか暖かい。 |
カルロス・ルイス・サフォン 風の影 下巻
原題: LA SOMBRA DEL VIENTO 2
著者: カルロス・ルイス・サフォン
Carlos Ruiz Zafon
発表: 2001年
発行所: 集英社文庫
カバーアート:岡本三紀夫
価格: 743円
宣伝文句
謎の作家フリアン・カラックスの過去が明らかになるにつれて、ダニエルの身に危険が迫る。一方、彼は作家の生涯と自分の現在との不思議な照応に気づいていくのだが…。ガウディ、ミロ、ダリなど幾多の天才児たちを産んだカタルーニャの首都バルセロナの魂の奥深くを巡る冒険の行方には、思いがけない結末が待っている。文学と読書愛好家への熱いオマージュを捧げる本格ミステリーロマン。
帯、カバー、裏表紙等から引用
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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風の影 下巻 LA SOMBRA DEL VIENTO 2 | 2001 | 木村裕美 | 背景となるスペインの歴史も、まあまあ興味深い。 |
パトリシア・コーンウェル 切り裂きジャック
原題: PORTRAIT OF A KILLER: JACK THE RIPPER CASE CLOSED
著者: パトリシア・コーンウェル
Patricia Cornwell
発表: 2002年
発行所: 講談社
カバーアート:辰巳四郎
価格: 2000円
宣伝文句
内容紹介(「BOOK」データベースより)
帯、カバー、裏表紙等から引用
コーンウェルが真犯人を捕えた。7億円の巨費と現代科学を駆使して迷宮入りの難事件を解明する。
タイトル | 発表 | 訳者 | 感想 |
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切り裂きジャック PORTRAIT OF A KILLER: JACK THE RIPPER CASE CLOSED | 2002 | 相原真理子 | 現代の科学技術を駆使して著者が指摘した犯人は、変態芸術家だ。説得力はあると思う。 |
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