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冒険小説 海外

ピーター・アルバーノ 第七の空母シリーズ

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太字作品や★★★★★が特におすすめです。

ピーター・アルバーノ 第七の空母 1 真珠湾突撃作戦

著者:    ピーター・アルバーノ Peter Albano
訳者:    中村融
発表:    1984年
発行所:   徳間書店 徳間ノベルス
価格:    900円

宣伝文句

「ゼロ! ゼロ! ゼロ! 本船は攻撃を受く」―ベーリング海を航行中の輸送船スパルタからの謎の救難信号が太平洋を血の海に変えた惨劇への前奏曲だった。現場に残された銃痕は二十ミリ機関砲と七七ミリ機銃ー旧日本帝国海軍の零式艦上戦闘機のものだった。太平洋戦争から四十年を経過した今、それはばかげた妄想にすぎないはずだった。しかし、米国沿岸警備隊のヘリ コプターHHシー・ガード、さらにロシアのツポレフ16が撃墜され、付近の海域にはレシプロ・エンジンを搭載した戦闘機の爆音が轟いていた。そして、十二月八日。真珠湾に巨大な空母が接近しつつあった!

帯、カバー、裏表紙等から引用

感想

アラスカの船が日本軍のゼロ戦に攻撃され、船長と一部の乗組員が生き残り、海軍情報部で通信の解析が行われる中、ブレントとパメラが出会い、彼女の父の戦争体験や彼らの関係が進展する。
船長と仲間たちは敵の心理を理解し、日本の侍の伝統や兵器の情報を通じて敵の攻撃を予測し、生存者の救助を待ちながら恋愛関係を築いていく。

旧帝国海軍が第2次大戦前に建造した空母は、

  • 鳳翔(ほうしょう)   戦後まで生きのび退役
  • 赤城(あかぎ)     ミッドウェー海戦で沈没
  • 加賀(かが)      ミッドウェー海戦で沈没
  • 龍驤(りゅうじょう)  第2次ソロモン海戦で沈没
  • 蒼龍(そうりゅう)   ミッドウェー海戦で沈没
  • 飛龍(ひりゅう)    ミッドウェー海戦で沈没

の6隻であったが、実はもう1隻、巨大空母「米賀」が密かに建造され、北極海に派遣されていた。藤田艦長らの乗組員は終戦の玉音放送を信じず、ひたすら身を潜めて機会をうかがっていた。そして40年後の12月8日、ふたたび真珠湾攻撃が敢行された! というトンデモない設定で、現代に時代錯誤の旧帝国海軍が蘇り大活躍する。本書では、日本になじみのない読者(そんな読者はこんな本を読むか?)向けに、侍だの日本人の精神論だのの導入からはじまる。小野田さんや横井さんの、太平洋戦争を個人的に続けてきた兵士の話を、空母レベルまで持ち上げた漫画のような話だ。
巻き込まれた米兵の主人公は、やたらモテて、艶っぽいサービスシーンもたびたび挿入され、むしろ邪魔だ。
本書は真珠湾攻撃を成功させた米賀が、意気揚々と日本へ帰還するまで。

ピーター・アルバーノ 第七の空母 2 地中海進撃作戦

著者:    ピーター・アルバーノ Peter Albano
訳者:    鎌田三平
発表:    1986年
発行所:   徳間書店 徳間ノベルス
価格:    900円

宣伝文句

真珠湾に突撃し、戦艦ニュージャージーを撃沈して凱旋した第七の空母「米賀」だったが、おりしも中国がレーザー兵器を 積んだ衛星を打ち上げ、全世界のハイテク兵器が無力化される事態となった。この機に乗じて世界制覇を狙ったのがリビア のカダフィ大佐。世界中からメッサーシュミットME109やユンカースJUスツーカなどの旧式兵器を買い集め、イスラエルに侵攻。さらに「米賀」に対しても爆薬を満載した特攻船を差し向けてきた。そして地中海で日本の旅客船「前田丸」が人質にとられるに及んで、ついに「米賀」は再び出撃。サムライ飛行隊の零戦は遠く地中海へと飛んだ!

帯、カバー、裏表紙等から引用

感想

DC10が東京湾上空で報告を行い、空母が喜ぶ人々に囲まれる中、ベル中佐とブレントは会議に臨む準備をする。ブレントは藤田提督と会い、会議が行われる。アメリカ人将軍と提督が会話し、広島の被害や天皇の在位について話し合う。米賀という巨大な艦の存在が明らかになり、提督と大佐が戦争の正当性について議論し、日本の変貌や経済についても話す。

中国の軍事衛星が暴走し、すべてのジェット機を撃ち落として無力化し、レシプロ機(プロペラ機)しか役に立たないという、さらにトンデモない事態に進展し、米賀は一躍、世界最大の軍事力になってしまった。その混乱の中、懐かしい世界の悪役、カダフィ大佐が暗躍し、中東に危機が高まる。ここから米賀はむしろ正義の味方のような存在になり、アメリカ人とともに世界の平和のために出撃するのだった。
アメリカ人が大和魂を理解し、和解して共闘するのは、大きな方針転換で、果たして最初から大きな構想があったか疑問だ。成り行きでシリーズが続いているような気がする。

ピーター・アルバーノ 第七の空母 3 マレー沖航空決戦

著者:    ピーター・アルバーノ Peter Albano
訳者:    鎌田三平
発表:    1987年
発行所:   徳間書店 徳間ノベルス
価格:    900円

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地中海でのリビア攻撃作戦からの帰途、超巨大空母「米賀」はメッサーシュミットME109を主軸とするリビア空軍機とウイスキー級潜水艦の攻撃を相次いで受けた。今やカダフィにとって「米賀」と日本はイスラエルやアメリ カと同じ憎むべき聖戦《ジハド》の相手となったのだ。カダフィは空母三隻と駆逐艦十二隻を擁する大機動部隊を「米賀」 追撃のために派遣。リビア機動部隊はマラッカ海峡を越えて北上し、マレー沖海域に至った。第七の空母「米賀 」の藤田提督は、新型栄エンジンに換装した零戦百機からなる攻撃隊の出動を決意。南太平洋の空に一大航空決 戦の火蓋が切られようとしていた。

帯、カバー、裏表紙等から引用

感想

米賀はリビアの独裁者に立ち向かい、敵機の攻撃に備えて戦闘態勢を整える。松原は敵機を撃墜し、生存者を救助する。藤田提督は自決を考えるが、捕虜の証言を聞いて彼を監禁する。
南回帰線を越えた米賀とブレントは、北海油田の爆発やリビアの脅威に直面し、藤田提督と共に対策を練る。リビアは日本やアメリカを攻撃する意思を持ち、潜水艦や軍艦を増強している。
戦闘での勇敢な戦士たちと敵艦との激しい攻防を描きながら、松原中佐の生存やブレントの将来の選択、そして主人公の幸せな結末が示される。

なぜこれがアメリカ人に受けたのか想像できにくいが、シリーズはますます好調に盛り上がっていく。もはや局地的紛争ではなく、日本・アメリカ・イスラエルVSアラブ諸国の世界大戦レベルになってきた。もちろんお約束通りに、ガリガリの帝国軍人である藤田提督と現代アメリカ人の主人公も、共闘していくうちに相互理解し、仲良くなっていく。

著者については多くは知られておらず、1922年、ロスアンゼルス生まれ程度で、このシリーズ作品しか認知されていない。兵器や戦闘描写は細かく自然なので、やはり従軍経験はあるのだろう。

ピーター・アルバーノ 第七の空母 4 朝鮮半島奇襲作戦

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東京湾を遊戈していた「米賀」の警戒空域を旅客機に偽装したリビア軍のDC6機が侵犯した。上空で哨戒飛行中の石川大尉の零戦が迎撃に向かったが、そこへメッサーシュミットが襲いかかる。傭兵飛行隊長〈殺し屋〉フリースナー率いる四機のME109だった。航続距離六百六十キロのメッサーシュミットが東京湾まで出撃してこれるはずはない。中国か朝鮮半島のどこかにカダフィ大佐の秘密基地があるはずだった。さらに空母二隻を中心とするカダフィの機動部隊が密かにアラビア海を東進中との情報も入ってきた。藤田提督は秘密作戦を胸に巨大空母「米賀」を九州沖に進出させた……。

帯、カバー、裏表紙等から引用

感想

アメリカと日本の関係が石油輸出の問題で揺れ動いている。日本はカダフィの上陸作戦に備えて準備を進めており、軍事力の脅威が存在することを忘れてはならない。
戦友の思い出と哲学的な対話、ブレントとローゼンクランツの激しい戦闘、新しいガールフレンド真由美との時間を過ごす中で進行中の極秘計画について話す。
真由美とブレントは日本の社会の変化や神社の訪問について話し合いながら、互いに引かれ合う関係を築いていくが、アメリカ軍の撤退や敵の側面攻撃の脅威が現れ、彼らの関係は試される。しかし、彼らはフグ料理を楽しみながら関係を深めていく。

著者は日本で接待でもされたのだろうか? いかにも外国人が好みそうな観光ネタが面白い。
カダフィ大佐は第2次世界大戦のヒットラー並みの権力を握り、世界平和を脅かしている。ドイツ人も少し敵役に傾きつつあるようだ。

このシリーズは娯楽作品であるけれども、一般のアメリカ人が日本人を宇宙人のように感じる、
・得体のしれない奴らへの恐怖
・武士道精神への、ある種の尊敬
などが根底に流れているように思う。となると、やはり著者は太平洋戦争当時に実際に日本兵とやり合った経験があるのではないだろうか?

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